MONSTER

MONSTER

かつてある医師が命を救った少年は、成長して連続殺人犯となった。それを知り、強く責任を感じた医師は、少年を逮捕するため、すべてを投げうってその足取りを追う。ドイツを舞台に繰り広げられるサイコサスペンス。「ビッグコミックオリジナル」に1994年から2001年まで掲載された作品。第3回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞。第46回小学館漫画賞青年一般部門を受賞。

あらすじ

1986年。ドイツで働く日本人医師の天馬賢三は、将来を嘱望され、婚約者のエヴァ・ハイネマンとともに、一見順調な日々を送っていた。しかし、実際は院長のエヴァ・ハイネマンの父親(院長)から利用され、意に沿わない仕事ばかりをさせられていた。ある日、院長の命令を無視して、重傷を負ったヨハン・リーベルトの手術を行った賢三は、手術には成功したものの、出世コースからは外され、エヴァとの婚約も破棄されてしまう。それを悔しく思いつつも、ようやく自分らしい仕事ができると考えた賢三だったが、院長らが突如ヨハンの手によって殺害される。ヨハンが恩人である賢三のために院長らを殺したこと、さらに、他の多くの殺人事件にも関与していることを知った賢三は、強い責任を感じ、「ヨハンの命を救ったことで、自分は凶悪犯を世に放ってしまったのではないか」と苦悩する。そして賢三は医師をやめ、たった1人でヨハンを追うことを決意する。

メディアミックス

TVアニメ

2004年4月から2005年9月にかけて、日本テレビ系列において小島正幸監督によるTVアニメ版が放送された。キャラクターデザイン・総作画監督は藤田しげる、シリーズ構成は浦畑達彦が担当し、天馬賢三役を木内秀信、ヨハン・リーベルト役を佐々木望、ニナ・フォルトナー役を能登麻美子が演じた。

絵本

2008年10月、本作『MONSTER』に登場する4作の絵本「なまえのないかいぶつ」「めのおおきなひと くちのおおきなひと」「へいわのかみさま」「めざめるかいぶつ」を1冊にまとめ、フルカラーで単行本化した『なまえのないかいぶつ』が発売された。こちらは本作の登場キャラクターであり、4作の絵本の著者であるクラウス・ポッペのペンネーム「エミル・シェーベ」名義の作品として出版され、実際の作者である浦沢直樹は、翻訳家としてクレジットされている。

2002年6月、本作『MONSTER』を補完するノンフィクション風読み物『もうひとつのMONSTER -The investigative report』が発売された。こちらはヴェルナー・ヴェーバーというジャーナリストが、ヨハン・リーベルトにまつわる事件の謎を取材していくという体裁で進行し、事件に関係したキャラクターのインタビューや、写真などの資料を交えて展開していくことで、本編を別の視点から見ることのできる内容となっている。

評価・受賞歴

本作『MONSTER』は、1997年に第1回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、1999年に第3回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞。そして、2000年には第46回小学館漫画賞青年一般部門を受賞している。

作家情報

浦沢直樹は、主に青年誌で活躍する男性漫画家。ミュージシャン、脚本家、イラストレーターとしても活動している。代表作は本作『MONSTER』で、他の作品には『20世紀少年』『MASTERキートン』『YAWARA!』『PLUTO』などがある。

登場人物・キャラクター

主人公

ドイツのデュッセルドルフにある、アイスラー記念病院で脳外科医として働く日本人男性。1986年の物語開始当初は28歳。舞台がドイツであるため、作中では主にカタカナで「テンマ」「ケンゾー」といった名前で呼... 関連ページ:天馬 賢三

ニナ・フォルトナーの双子の兄で、ドイツ各地で起きている連続殺人の真犯人。前髪を真ん中で分け、癖のある金色のショートカットヘアにしている。甘い雰囲気の美形で、妹のニナとは瓜二つ。人の命を何とも思わない冷... 関連ページ:ヨハン・リーベルト

ヨハン・リーベルトの双子の妹で、ハイデルベルク大学に通う女子。幼い頃の名前は「アンナ・リーベルト」。両親を亡くして兄と別れ、養父母に引き取られた後に改名したため、「ニナ・フォルトナー」と名乗っている。... 関連ページ:ニナ・フォルトナー

BKA(ドイツ連邦捜査局)で警部として働く中年の男性。坊主に近いほど短く切ったショートカットヘアにしている。驚異的な記憶力の持ち主で、指先を身体や机の上などで動かし、コンピューターのキーボードを打つ仕... 関連ページ:ハインリッヒ・ルンゲ

天馬賢三の元婚約者の若い女性。ドイツのデュッセルドルフにあるアイスラー記念病院院長の娘でもある。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、肩より少し上の高さで切りそろえたボブヘアにしている。傲慢で高飛車な気の... 関連ページ:エヴァ・ハイネマン

天馬賢三と行動をともにする少年。前髪を眉上で短く切ったショートカットヘアにしている。釣り目で三白眼が特徴。寡黙でおとなしい性格だが、その顔立ちから、いつもムッとしているように見える。ある日、里親のハル... 関連ページ:ディーター

ドイツのフェルデンで、窃盗や空き巣をして生活する中年男性。前髪を上げて額を全開にし、胸の高さまで伸ばしたストレートロングヘアを、後ろで一つに結んでいる。鷲鼻で出っ歯。多額の借金を抱えており、ある日、空... 関連ページ:オットー・ヘッケル

フランクフルト極右の大物の中年男性。「純粋ドイツ民族党」と「変革と前進党」の2つの党の幹部を兼務している。「赤ん坊」は通称で、本名は不明。小柄で、禿げ上がった頭をオールバックにして撫でつけている。排他... 関連ページ:赤ん坊

旧東ドイツの情報将校である年老いた男性。禿げ上がった頭に、後頭部の髪の毛を肩の上まで伸ばしたボブヘアにしている。クラウス・ポッペから逃げるためチェコとドイツの国境付近にいた、幼いヨハン・リーベルトとニ... 関連ページ:ヘルムート・ヴォルフ

フリージャーナリストの男性。孤児院「511キンダーハイム」の出身。前髪を眉の高さで切ったストレートショートカットヘアをしている。14歳以前の記憶がほぼ失われており、本名は不明。そのため「ヴォルフガング... 関連ページ:ヴォルフガング・グリマー

天馬賢三の大学時代の同級生。ドイツのハッティンゲンで精神分析医、犯罪心理学者として働く男性。前髪を右寄りの位置で斜めに分けた撫でつけ髪にしている。やや太めの体型。賢三とは同級生だがあまり親しくはなく、... 関連ページ:ルーディ・ギーレン

元警察官の男性。前髪を右寄りの位置で斜めに分けた撫でつけ髪をし、口ひげを生やしている。相棒のメスナーとともに、押収した麻薬の横流しを行っており、ある日、それをヨハン・リーベルトに知られてしまう。そこで... 関連ページ:ミハエル・ミュラー

ヨハン・リーベルトを信奉する男性。禿げ上がった頭に、癖のある後頭部の髪だけを耳の下まで伸ばした髪型をしている。大柄で目が細く、眠そうな顔に見える。孤児院「511キンダーハイム」出身で、「ロベルト」「ヘ... 関連ページ:アドルフ・ラインハルト

ミュンヘン大学フリードリヒ・エマヌエル校経済学部経営学科に所属する男子。前髪を額が見えるほど短く切った癖のあるショートカットヘアにしている。母親のマルゴット・ランガーを亡くして以来、里親を転々としてお... 関連ページ:カール・シューバルト

ミュンヘン大学フリードリヒ・エマヌエル校文化人類学科に所属する女子。前髪を目の上で切り、肩よりわずかに上で切り揃えたボブヘアに、眼鏡をかけている。好奇心旺盛な性格で、情報収集が得意。ある日、真夜中の街... 関連ページ:ロッテ・フランク

シューバルト財閥のトップで、大富豪として知られる年老いた男性。前髪を上げて額を全開にした撫でつけ髪にしている。口ひげを長く伸ばし、目が不自由。そのため車いすで移動している。電話1本でドイツ中の企業の株... 関連ページ:ハンス・ゲオルグ・シューバルト

ユーリウス・ライヒワインの友人。ドイツのミュンヘンで、私立探偵として働く中年男性。前髪を額が見えるほど短く切った、癖のあるショートカットヘアにしている。目が細く、がっしりした身体つきをしている。元ミュ... 関連ページ:リヒァルト・ブラウン

天馬賢三とルーディ・ギーレンの大学時代の恩師。精神分析医として働く年老いた男性。禿げ上がった頭にわずかに髪の毛を残し、口ひげを長く伸ばし、眼鏡をかけている。太めの体型で、頬の肉が垂れ下がっている。かつ... 関連ページ:ユーリウス・ライヒワイン

かつて孤児院「511キンダーハイム」の院長を務めていた年老いた男性。前髪を上げて額を全開にした撫でつけ髪をしている。目が大きく、ぎょろぎょろとした目つきをしている。洗脳の専門家で、「511キンダーハイ... 関連ページ:ラインハルト・ビーアマン

チェコのプラハで刑事として働く若い男性。前髪を上げて額を全開にした撫でつけ髪をしている。真面目で正義感溢れる性格だが、ややお調子者で単純。ある日、上司として慕っていたゼーマンが謎の死を遂げたのを機に、... 関連ページ:ヤン・スーク

ドイツの法曹界の寵児として知られる弁護士の男性。前髪を上げて額を全開にし、癖のあるふんわりとしたショートカットヘアにしている。太めの体格。1968年、父親のシュテファン・ヴァーデマンがスパイと殺人容疑... 関連ページ:フリッツ・ヴァーデマン

「脱獄王」の中年男性。1988年に現金輸送車強奪容疑で逮捕されてから、脱獄してはまた別の罪で捕まりを繰り返し、これまでに計12回もの脱獄に成功している。禿げ上がった頭に後頭部だけ癖のある髪の毛を残し、... 関連ページ:ギュンター・ミルヒ

ドイツのドレスデン大学で教授を務める年老いた男性。前髪を上げて額を全開にした撫でつけ髪をしている。現在、身を隠しているヨハン・リーベルトを見つけ出し、孤児院「511キンダーハイム」出身のエリートたちを... 関連ページ:ギュンター・ゲーデリッツ

「闇の組織」の4人の指導者の1人。現在、身を隠しているヨハン・リーベルトを見つけ出し、孤児院「511キンダーハイム」出身のエリートたちを統率させようと目論む。年老いた男性で、前髪を上げて額を全開にした... 関連ページ:ペトル・チャペック

欧州屈指の財閥ジーヴァーニッヒ家の御曹司。前髪を左寄りの位置で分けて額を全開にした、癖のある撫でつけ髪にしている。わざと人を傷つけて悲しませることに喜びを感じる残酷な性格。実はジーヴァーニッヒ家の人間... 関連ページ:クリストフ・ジーヴァーニッヒ

赤ん坊の部下の男性。スポーツ刈りに、がっしりとした身体つきをしている。11年前に恋人を殺した罪で服役し、出所後から現在まで3年間、赤ん坊のもとで働いていた。ある日ペトル・チャペックの命令で、ヨハン・リ... 関連ページ:マルティン・レースト

旧チェコスロバキア秘密警察の元大尉であった男性。ヤロミール・リプスキーの父親。心理学者・脳外科医であり、「フランツ・ボナパルタ」「エミル・シェーベ」「ヤコブ・ファロベック」「ヘルムート・フォス」など多... 関連ページ:クラウス・ポッペ

クラウス・ポッペの息子で、チェコのプラハで人形師として働く男性。前髪を額が見えるほど短く切ったベリーショートカットの髪型をしている。内気で物静かな性格。赤いバラの屋敷を創作意欲の湧く場所として気に入っ... 関連ページ:ヤロミール・リプスキー

場所

赤いバラの屋敷

チェコのプラハにある屋敷。その実態はクラウス・ポッペによる、優秀な兵士を作るための実験場。絵本作家であるクラウスの執筆した絵本を用いた、「朗読会」と呼ばれる、子供の人格改造実験が行われており、ヤロミール・リプスキーもその参加者の1人であった。

511キンダーハイム

旧東ドイツのベルリンにあった孤児院。ヨハン・リーベルトが一時期身を寄せた場所でもあり、ハルトマンはここで小児専門の精神科医として働いていた。厚生省と内務省の共同管轄の特別孤児院で、刑事犯や政治犯の子供... 関連ページ:511キンダーハイム

アニメ

MONSTER

ドイツの病院に勤務する日本人の天才脳神経外科医である天馬賢三は、瀕死の重傷を負った双子のひとりヨハン・リーベルトを手術して命を救う。その9年後、天馬賢三は連続殺人犯として警察に追われる身となるが、その... 関連ページ:MONSTER

書誌情報

Monster 全18巻 小学館〈ビッグコミックス〉 完結

第1巻 ヘルDr.テンマ

(1995年8月発行、 978-4091836519)

第2巻 戦慄の誕生日

(1995年11月発行、 978-4091836526)

第3巻 511キンダーハイム

(1996年6月発行、 978-4091836533)

第4巻 アイシェの友達

(1996年10月発行、 978-4091836540)

第5巻 カーニバルのあと…

(1997年5月発行、 978-4091836557)

第6巻 秘密の森

(1997年7月発行、 978-4091836564)

第7巻 リヒァルト

(1997年12月発行、 978-4091836571)

第8巻 名なしのヒーロー

(1998年4月発行、 978-4091836588)

第9巻 なまえのないかいぶつ

(1998年7月発行、 978-4091836595)

第10巻 ピクニック

(1998年12月発行、 978-4091836601)

第11巻 死角

(1999年5月発行、 978-4091852717)

第12巻 バラの屋敷

(1999年8月発行、 978-4091852724)

第13巻 脱走

(2000年4月発行、 978-4091852731)

第14巻 あの日の夜

(2000年8月発行、 978-4091852748)

第15巻 記憶の扉

(2000年12月発行、 978-4091852755)

第16巻 おかえり

(2001年4月発行、 978-4091852762)

第17巻 ただいま

(2001年10月発行、 978-4091852779)

第18巻 終わりの風景

(2002年4月発行、 978-4091852786)

Monster 全9巻 小学館〈ビッグコミックススペシャル〉 完結

第1巻

(2008年2月発行、 978-4091817907)

第2巻

(2008年2月発行、 978-4091818027)

第3巻

(2008年3月発行、 978-4091818034)

第4巻

(2008年4月発行、 978-4091818041)

第5巻

(2008年5月発行、 978-4091818058)

第6巻

(2008年6月発行、 978-4091818065)

第7巻

(2008年7月発行、 978-4091818072)

第8巻

(2008年8月発行、 978-4091818089)

第9巻

(2008年9月発行、 978-4091818096)

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