概要・あらすじ
北海道美森高校に通う当麻健匠は、すば抜けた記憶力の持ち主である。しかし、興味のないものにはその才能が発揮されないため、勉強ができるわけではなく、特にやりたいこともなかった。ある日健匠は、公園で人だかりに遭遇する。どうやら、カラスの死体が8羽も発見されたらしい。やがて、カラスの死体を回収するために、獣医師の女性とクラスメートの茨戸爽介がやってきた。爽介は、獣医師である姉の茨戸雷火の手伝いをしているという。カラスの死体をどうするのか、興味を持った健匠は、茨戸姉弟と一緒に、美森大学野生動物研究センターに向かった。雷火たちがやっているのは「法獣医学」という分野で、不審死した動物の死因を解明するのだという。解剖の結果、8羽中5羽のカラスの口の中の内容物が黄色かったため、雷火は「シアノホス」という農薬に含まれる成分が死因であると仮診断を下した。その夜に流れたニュースでは、カラスの死因は「食中毒死」と報じられたが、翌日以降もカラスの不審死は続き、死体数は38羽にのぼった。カラスの死因に疑問を持った健匠と爽介は、公園で毒餌らしき黄色い油揚げと、不審な男子大学生を発見する。大学生に見覚えがあった健匠が話しかけようとすると、彼は健匠を突き飛ばすようにしてその場を逃げ去った。しかし健匠は、1週間前にその大学生を見かけており、彼の自転車の防犯登録番号を覚えていた。異常な記憶力を持つ健匠ならではである。それからしばらくして、カラス殺しの犯人が捕まった。犯人は公園にいた大学生だった。防犯登録番号が逮捕のきっかけになったのだ。こうして事件は解決した。一連の出来事を通じて、健匠は「法獣医学」に興味を抱き獣医師を目指すことを決意した。
登場人物・キャラクター
当麻 健匠 (とうま けんしょう)
北海道美森高校2年生の男子。抜群の記憶力を持ち、11歳の頃から、興味を持って見たものはすべて頭に残っている。しかし、自分は相手に覚えてもらえないことが多く、目立つために髪を染めている。動物好き。物事にこだわる性格で、自分が納得するまで一つの出来事を考え続ける。クラスメートである茨戸爽介の姉、茨戸雷火と出会い、「法獣医学」に興味を持つ。美森大学野生動物研究センターで雷火の手伝いをしながら、美森大学獣医学科を目指す。
茨戸 爽介 (ばらと そうすけ)
北海道美森高校2年生の男子。当麻健匠のクラスメートで、オールバックの髪型が特徴。口数が少なく、あまり人付き合いを好まない。獣医師である姉、茨戸雷火の手伝いで「法獣医学」に携わる。「法獣医学」に興味を持った健匠とコンビを組んで、動物の不審死の解明などに取り組んでいく。
茨戸 雷火 (ばらと らいか)
美森大学野生動物研究センターで働く獣医師。茨戸爽介の姉で、24歳。弟は正反対の明るい性格をしている。昔、博物館で見た「日本海裂頭条虫」の美しさ、生命力に惹(ひ)かれ、獣医師になった。当麻健匠、爽介をアシスタントに、「法獣医学」の仕事に励む。
書誌情報
ラストカルテ -法獣医学者 当麻健匠の記憶- 10巻 小学館〈少年サンデーコミックス〉
第1巻
(2022-03-17発行、 978-4098510399)
第2巻
(2022-07-15発行、 978-4098511884)
第3巻
(2022-10-18発行、 978-4098513512)
第4巻
(2023-02-16発行、 978-4098516056)
第5巻
(2023-06-16発行、 978-4098521272)
第6巻
(2023-11-17発行、 978-4098530168)
第7巻
(2023-12-18発行、 978-4098530311)
第8巻
(2024-03-18発行、 978-4098531813)
第9巻
(2024-05-17発行、 978-4098532957)
第10巻
(2024-06-18発行、 978-4098533794)