ホンノウスイッチ

同い年の星小和と秋山聖は、実家が隣同士ということもあり、幼い頃からいっしょに過ごしてきた。幼稚園から大学までずっと同じ時間を共有してきたため、彼らの付き合いは非常に長い。お互いに友達以上の感情を抱いていたものの、なかなか一歩を踏み出せずにいた。さらに、中学3年生の時に聖に恋人ができたこともあり、二人の関係は親しい友人のまま変わらずに続いていた。しかし26歳の時、小和が恋人に振られた際、聖が彼女を慰める中で告白したことで、二人の関係は大きく進展する。聖への気持ちを整理できずに混乱する小和だったが、同僚の女性の一言によって、長年心の奥に秘めていた本当の気持ちに気づき、聖の告白を受け入れる。

恋人となった小和と聖は、週末ごとにお互いの家を行き来しながら愛を育んでいく。二人はふだん行かない場所でデートを楽しんだり、小旅行に出かけたりと、恋人らしい時間を重ねていく。しかし、相手に嫌われたくないという気持ちが強すぎるあまり、空回りしてしまったり、友人のような感覚から無意識に雑な態度を取ってしまったりすることもある。それでも、互いをよく理解している二人はすぐに反省し、本音で語り合うことで、さらに絆を深めていく。

小和の元カレ・吉田総介は、小和と斉藤楓という二人の女性と同時に関係を持っていたが、楓が妊娠したことを理由に、小和に一方的に別れを告げた。しかし、数日後には別れたことを後悔し、小和との復縁を望むようになる。総介は小和と同じ会社に勤務しているため、仕事中も頻繁に彼女と顔を合わせ、事あるごとにアプローチを試みるが、小和からは毎回拒絶されている。一方、楓は中学時代に聖と交際していたが、すぐに破局してしまい、26歳の時に同窓会で聖と再会したことをきっかけに、彼と復縁したいと考えるようになっていた。小和と聖を別れさせたいという共通の目的を持つ総介と楓は手を組み、仕事上の立場を利用して二人を陥れるための罠を仕掛ける。