概要・あらすじ
高校2年生の鳴瀬心は、クールで大人の雰囲気を漂わせるクラスメイトの不破恵に片想い中。普段ならばとても近づくことのできない高嶺の花だったが、日直当番の日だけは、さりげなく接することのできる、数少ないチャンスだった。心が日直当番になったそんなある日、クラス担任の産休代理として、新任教師の高柳次郎が赴任して来る。
心の片想いを知った次郎が援護を買って出てくれたおかげで、心は少しだけ不破との距離を縮めることに成功する。しかし、この出来事をきっかけに、心と次郎の仲もまた急接近していく。
登場人物・キャラクター
鳴瀬 心 (なるせ こころ)
高校2年生の女子。年齢は17歳。お団子頭がトレードマーク。元気いっぱいで、笑顔でいることが多い。クラスメイトの不破恵に想いを寄せており、ある日、思い切って告白するが振られてしまう。一方で、不破との恋を応援してくれている新任教師の高柳次郎もまた気になる存在で、その想いは日に日に大きくなっていく。特技はスリッパや椅子にデコレーションすること。
不破 恵 (ふわ めぐみ)
高校2年生の男子。成績抜群なイケメン。鳴瀬心のクラスメイトで、心の片想いの相手でもある。誰とも群れず、女子にも一切媚びないという、クラスの中でもひときわ大人の雰囲気を漂わせる人物。そんな姿がカッコいいと、密かに想いを寄せている女子は多い。心の分かりやすい言動から、薄々彼女の気持ちには気づいているが、恋愛対象としては見ていない。
高柳 次郎 (たかやなぎ じろう)
新任の男性教師。鳴瀬心のクラス担任が産休に入るため、代わりに赴任して来た。年齢は25歳で、担当教科は数学。若くて頼りなさそうな風貌のため、教師には見えず、赴任初日に心から変質者扱いされてしまう。有名な政治家の高柳新太郎を父親に持ち、そのコネで縁故採用されたとの噂がある。亡くなった兄の高柳一郎の遺志を受け継いで、教師を目指したという経緯があり、兄のブカブカなスーツを着て教壇に立つ。
ミヤ
高校2年生の女子。鳴瀬心のクラスメイトで、仲の良い友達でもある。ウルフカットで毛先を外跳ねにした髪型の、おしゃれな女の子。心、ミヤ、マユ、梓の4人で仲良しグループを結成しており、何をするにもいつも一緒に行動している。4人グループの中では、唯一彼氏がいる。
マユ
高校2年生の女子。鳴瀬心のクラスメイトで、仲の良い友達でもある。軽いウェーブがかかったふわふわした髪のおバカキャラ。心、ミヤ、マユ、梓の4人で仲良しグループを結成しており、何をするにもいつも一緒に行動している。恋多き少女で、お気に入りの男子が何人もいる。また、自他ともに認める合コンの女王でもある。
梓 (あずさ)
高校2年生の女子。鳴瀬心のクラスメイトで、仲の良い友達でもある。黒髪ロングヘアのクールビューティー。心、ミヤ、マユ、梓の4人で仲良しグループを結成しており、何をするにもいつも一緒に行動している。新田から好意を持たれているが、男嫌いということもあり、彼からのアピールもまったく意に介さない。
サブロー
鳴瀬心の通う高校の中庭にいる、毛がモサモサした犬。学校に迷い込んで中庭に居着いていたところを心が見つけ、「サブロー」と名付けた。「サブロー」という名前、さらに少し自分に似ているところに愛着を抱いた高柳次郎に、特に可愛がられている。たまにモップと間違われることがある。
新田 (にった)
高校2年生の男子。鳴瀬心のクラスメイト。不良で、身長が183cmもある大男。もともとは心より1学年上だったが、留年したため同じクラスとなった。以来、ずっと学校には来ていなかったが、新たにクラス担任になった高柳次郎が新田に会いに行ったことがきっかけで、再び学校に顔を出すようになる。不破恵の隣の席で、不破とは何かと一緒に過ごしている。
高柳 一郎 (たかやなぎ いちろう)
高柳次郎の兄。出来が良く、親の期待通りに育った優等生で、弟の次郎を可愛がっていた。次郎にとっても唯一の味方であり、太陽のようにまぶしい存在として誇れる人物だった。教師になる夢を持っていたが、大学4年の夏に事故で亡くなってしまう。
沢村 ミヅキ (さわむら みづき)
高柳一郎の彼女。大学時代、一郎と同じく、夢である教師を目指していた。何かと自分を卑下しがちな次郎を叱咤してくれる女性。次郎が恋心を抱いていた相手で、次郎は今でも彼女のピアスを持っている。しかし、沢村ミヅキ自身は、次郎に対して特に何の感情も持っていなかった。
鳴瀬 光 (なるせ ひかり)
成瀬心の中学3年生の妹。ギャルっぽい風貌の、好奇心旺盛なミーハー女子。受験生にも関わらず遊びに出かけてばかり。現在付き合っている彼氏は通算で3人目と、何かと奔放な性格。一方で、意外に姉想いな一面もある。学校では沢村ミヅキが顧問を務めるテニス部に所属しており、これが高柳次郎とミヅキが再会するきっかけとなった。
高柳 新太郎 (たかやなぎ しんたろう)
高柳次郎の父親。有名な政治家。高校生の頃、反抗心から問題ばかり起こしていた次郎とは折り合いが悪い。次郎が勤務先の高校で問題を起こした際、お詫びと挨拶をするため学校へと出向いた。次郎には何かと憎まれ口ばかり叩いているが、内心では心配しており、その想いを素直に表せない不器用なところがある。
樋口 (ひぐち)
高柳新太郎の秘書を務める男性。政治家の秘書ということもあり、後ろめたい仕事をシビアにこなすこともある厳格な人物。一方で新太郎の息子である高柳次郎のことを心配しており、「たまには家にも帰って来て下さい」と投げかける、温かい心の持ち主。