恋愛に臆病な魔女の日常と試練
魔女の御影は、300年の時を生き抜いてきた豊富な人生経験を持つ魔女。しかし、その経験はなぜか恋愛においては活かされてこなかった。「錬金術」の能力と、恋人に対して尽くしすぎる「貢ぎ癖」のせいで、歴代の恋人たちはことごとくダメ男になってしまっていた。そんな苦い経験から恋愛に臆病になりつつも、現代社会に溶け込むためにOLとしての日々を送っている。同僚との人間関係にも気を配っているが、魔女であるがゆえの苦労は絶えない。たとえば、同僚の結婚式に招待され、身が灰になる危険を覚悟で教会に足を踏み入れると、居合わせた天使たちから嫌味たっぷりに挑発されてしまう。
こじらせ魔女の恋愛模様
御影は過去の恋愛を反省し、SNSで「妄想の彼氏」との架空の日常を投稿することが唯一の楽しみとなっていた。そんな彼女の前に、妄想の彼氏にそっくりな新入社員の悟が現れ、御影の心はときめく。さらに、彼の前世が幕末に敵対した因縁の相手、高杉晋作であることを知り、御影は久しぶりに恋を意識し始める。しかし、ある結婚式で出会った天使たちから年齢を理由に結婚を急かされ、彼女は反発するように独身生活を貫く決意を固める。さらに、元カレの文豪、太宰治の生まれ変わりである男性、純一まで現れ、御影の恋の行方はますます複雑になっていく。
愛と寿命の狭間で揺れる魔女の選択
小林悟との恋愛関係を意識する中で、御影は人間と魔女の寿命の違いという厳しい現実に直面する。魔女として長い時を生き続け、愛する人を見送るべきか、それとも魔力を捨てて人間になり、彼と同じ時間を共有するべきか、彼女は悩む。究極の選択に心が揺れる中、悟に魔女であることがバレそうになる出来事が発生する。なんとかその場を切り抜けることには成功したが、この出来事をきっかけに、御影はすべてを打ち明けるべきかどうか悩み、ますます追い詰められていく。そして、御影はストレスを発散するために独身女性向けのイベントに参加し、現実逃避をすることが増えていく。その後の彼女の決断が、二人の運命に大きな影響を与えることになる。
登場人物・キャラクター
黒川 御影 (くろかわ みかげ)
とある会社の総務部に勤務する魔女。年齢は300歳。「月影の魔女」という異名を持っている。ウェーブのかかった長い黒髪をうなじでまとめ、グラマラスな体型をしている。マンションで一人暮らしをしながら、使い魔の黒猫、ノワールと共に生活している。過去の恋愛で、尽くしすぎるあまり恋人たちをダメ男にしてしまった経験から、恋をしないと誓っていたが、新入社員の悟に心惹かれてしまう。実は彼の前世は、幕末の動乱期に敵対していた高杉だった。悟とはすでに一線を越えた関係ながら、恋人になったら彼もダメにしてしまうのではないかと、必死にアプローチを拒んでいる。かつて幕末の日本でキリシタンが増えた際、魔女として生きづらくなることを理由に大暴れしたとされている。
小林 悟 (こばやし さとる)
御影と同じ会社に勤務する男性。年齢は22歳。金髪のショートボブヘアと中性的な顔立ちをしている。実は、彼の前世は幕末の時代に御影と敵対していた武士、高杉。悟自身は前世の記憶を持っていないが、御影に対して強い既視感と好意を抱いている。そのため、高級ホテルでのディナーに誘ったり、御影が体調を崩した際には自宅まで看病に駆けつけたりと、ストレートなアプローチを続けている。御影と一度肉体関係を持ったあとは、その愛情表現がさらに加速し、結婚を前提とした交際を求めるようになった。
クレジット
- 原作
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原田 重光







