概要・あらすじ
大学を卒業して警察官になり、2年後に憧れの刑事になれた大岸宗雄は、勤務地の警察署で出会った花田吾作(ボギー)とコンビを組むことになる。先輩刑事であるボギーの常識外れの行動に振り回されながら、大岸は日々発生する事件の解決に尽力する。
登場人物・キャラクター
花田 吾作 (はなだ ごさく)
花椿署刑事課に勤務する刑事。1959年10月8日生まれの天秤座。身長185センチ、体重90キロ、胸囲120センチ、握力90キロ、視力2.2。トレンチコートを着て、愛用する銃はコルト・パイソン。「ボギー」という名で通っており、本名で呼ぶのは住んでいるアパートの大家のみ。留置所の鉄格子を曲げたり、水中で縄を引きちぎるなど力はかなり強い。 野性の鳩や犬を捕まえて丸焼きにして食べようとしたり、すぐに銃を撃つ、人質を取る犯人の母親を逆に人質にするなど行動は無茶苦茶だが、今にも焼け落ちそうな家に取り残されている人を助けに入ったり、生意気な態度を取る他国の王子を叱るなど人情に厚い一面も持つ。弱点はお化けと美女。さらに幼い頃に木から落下して頭を打ったトラウマから高所恐怖症になっている。
大岸 宗雄 (おおぎし むねお)
W大学法学部卒業後に警察官となり、2年後に巡査部長へ昇進し、その年の10月に花椿署の刑事課に異動してきた。正義感にあふれており責任感も強い青年。先輩刑事の花田吾作(ボギー)とコンビを組むことになるが、浮浪者のような姿をしていたボギーが取調室にいたため、最初はボギーのほうを犯人と認識していた。ボギーのことを「先輩」と呼び、刑事のイロハを学ぶ。 そして常軌を逸したボギーの行動に振り回されながらも、徐々に刑事として一人前になっていく。
堀田 (ほった)
花椿署刑事課の課長。花田吾作(ボギー)や大岸宗雄の上司。強面の刑事をうまくまとめているが、ボギーだけは堀田に反発することがある。気の弱い外見をしているが、本庁の刑事部参事官がボギーに対して非人道的なことを言った時は抗議するなど、部下を思う気持ちは強い。15年前は最前線で捜査する刑事で、その時に扱った事件の犯人であり自分が捕まえた柴田大作には特別な思いがある。
七色仮面の銀次 (なないろかめんのぎんじ)
山の手線をナワバリとする日本一の腕を持つスリ。変装が得意でだれも素顔を見たことがなく、スリを担当する刑事から警察手帳を盗んだりしている。お尻に手のひらサイズのアザがある。
加山 健一 (かやま けんいち)
朱鷺町小学校に通う男子生徒。4年生で10歳。3年前に交通事故で両親を失ってからはオジ夫婦に引き取られているが、ボロボロの服などを着せられている。さらに給食費も払ってもらえず、学校ではいじめられている。
山口 京二 (やまぐち きょうじ)
3年前に強盗の容疑で花田吾作(ボギー)に逮捕され刑務所に送られる。そのことを逆恨みし、ボギーが刑務所行きになるよう、仮釈放中にボギーに変装して殺人未遂や強盗を繰り返す。
大阪 敏夫 (おおさか としお)
前科3犯の連続婦女暴行魔。裁判所への移送中に婦女暴行の被害者の父親に襲われる。その時の父親の心情、大阪敏夫の反省が見えない態度、現行法での量刑で判断した花田吾作(ボギー)によってボギーの私設裁判にかけられる。
アドルフ・フォン・アルフレッド号 (あどるふふぉんあるふれっどごう)
警視総監賞を3回、刑事局長賞を5回ももらったことのある優秀な警察犬。花椿署に配属され、世話を花田吾作(ボギー)が担当する。眉毛や髭など外見だけなく、自由気ままに行動するところまでボギーにそっくり。さらにタバコまで吸う。最初は怒鳴りつけていたボギーだったが、長く世話しているうちにアドルフ・フォン・アルフレッド号に親しみを感じるようになる。
アリ王子 (ありおうじ)
日本に石油を輸出する中東のヒルダン王国の王子。素の日本を見たいということで滞在してた部屋から抜け出す。そして地元の3人の子供と喧嘩しているところを花田吾作(ボギー)に助けられ、その後はボギーと一緒にいろいろと見て回った。偉そうな口調で話すわりに甘ったれな性格だったが、ボギーに怒られたことで改心して立派な王になることを目指すようになる。
純子 (じゅんこ)
コーヒーハウス「フジタ」の店員。花田吾作(ボギー)に惚れられて、大岸宗雄の仲介でボギーと交際する。しかし本当の顔はヤクザである角田銀造の情婦で、ボギーから警察の情報を得るためだけに近づいていた。
角田 銀造 (かくだ ぎんぞう)
関西系の暴力団である神保連合会集英組代貸補佐で、賭場の胴元も務める。純子を使って花田吾作から警察が家宅捜査する日時の情報を入手していた。
藤波 辰造 (ふじなみ たつぞう)
日本美術界に多大な発言力を持つ55歳の美術評論家。「ジュリエット」という名の黒猫を飼っているが、あまり懐かれていない。自分の別荘に山口美和、岩波利休、トム金田、細川がいる時に絞殺される。
山口 美和 (やまぐち みわ)
新進女流画家の中では一番の腕前と言われている35歳の女性。藤波辰造から肉体関係を迫られており、拒否すれば画壇から追放し仕事をできなくしてやると脅迫されていた。
岩波 利休 (いわなみ りきゅう)
日本彫刻界に不動の地位を築いた重鎮で、72歳。藤波辰造とは折り合いが悪く、雑誌で酷評されている。これを受け、藤波のことを「殺されて当然」と言い捨てる。
トム金田 (とむかねだ)
ニューヨーク帰りのモダンアーティストとして、最近かなりの勢いで売り出し中の42歳の男性。若い頃に藤波辰造から借りたお金を、法外な利子をつけられて返済を迫られている。
細川 (ほそかわ)
長年藤波辰造に仕えていた執事。しかし給料が安く奴隷同然の扱いだったため、藤波のことを恨んでいる。
伊藤 政男 (いとう まさお)
フェラーリ512ベルリネッタ・ボクサーを飲酒運転し、森田信夫をひき逃げする。自分を「スピード・キング」と呼び、真夜中の街中を200km/hで走る。事故からしばらくは警察の捜査を気にして自重していたが、3週間後には同じように走り出し、逮捕しにきた花田吾作をひき殺そうとする。
新浦 和夫 (にうら かずお)
花田吾作(ボギー)がおとり捜査のために入獄した東関東刑務所で出会った受刑者。問題行動ばかり起こすボギーに注目し、ボギーが脱獄計画を企てていることを見破る。そしてそれに便乗して、隠してある1億円の回収に向かうのだった。
貴子 (たかこ)
大岸宗雄の恋人。家柄や学歴も文句なしの才女。親子が揃って食卓が囲むことを夢見ており、いつ命を落とすかわからない刑事という職を大岸に辞めてもらいたいと思っている。
中井 政彦 (なかい まさひこ)
自営で貿易会社を営む35歳の男性。自分が運転する車がスピードを出しすぎてカーブを曲がりきれず、車ごと海に落ちてしまう。その結果、妻の中井直子は死亡してしまうが、彼女に掛けていた1億5千万もの保険金を手に入れる。
中井 直子 (なかい なおこ)
中井政彦の妻。深夜のドライブ中に車が海に転落して溺死する。その後、事故の真相を明かすために幽霊となって現れる。
黒岩 十造 (くろいわ じゅうぞう)
かつて公安委員を務め、現在は与党の副幹事長を務める大物国会議員。「世の中すべて金」という考えの金権代議士なため、内外に敵が多い。趣味は狩猟だが、天然記念物でさえ獲物にする。
柴田 大作 (しばた だいさく)
サラリーローン「パムコ」の社長。過去に強盗殺人の容疑で堀田に逮捕されたが証拠不十分で不起訴になる。その時に奪った金を元手に会社を立ち上げた。しかし時効目前に花田吾作によって強引に自白させられることとなる。
池上 賢二 (いけがみ けんじ)
いつもウソをついて騒ぎを起こす少年。周囲からは「ウソつきケン」と呼ばれ鼻つまみ者として嫌われている。そして殺人現場を目撃したため犯人を伝えようとしても信じてもらえず、逆に犯人から命を狙われることになる。
黒崎 武一 (くろさき ぶいち)
暴力団の極獣連合集英組幹部の1人。ありとあらゆる悪行を重ねていたが、証拠がなく警察も逮捕できなかった。しかし5年前に花田吾作(ボギー)の独断で、無人島に双子の弟である黒崎武二と一緒に置き去りにされる。無人島から帰還した黒崎武一と武二は、ボギーへ復讐するために野球場にいる5万人を人質にとる。
黒崎 武二 (くろさき たけじ)
黒崎武一の双子の男で、黒崎武二も暴力団の極獣連合集英組幹部。武一と同じく花田吾作によって無人島に置き去りにされるが、武一と一緒に帰還。野球場の5万人の観客を人質にした時は、爆弾の起爆スイッチを入れる役を担う。
集団・組織
マッド・キャッツ・レディース (まっどきゃっつれでぃーす)
売春、万引き、恐喝などをくり返す女子高生のグループ。リーダーを中心にして結束は非常に強く、警察に捕まっても仲間の情報をしゃべることはない。花田吾作(ボギー)に一喝され改心し、リーダーはボギーに惚れることに。