概要・あらすじ
兵庫県の灘。暴走族の総長である西島達也は、幼なじみで酒蔵の跡取り息子である櫻井健太から、杜氏になって一緒に幻の日本酒、白虎を復活させようと懇願されていた。乗り気でない達也に健太は、「自分が勝ったら杜氏になってもらう、負けたら諦める」という条件で六甲山の公道レース勝負を挑む。だが、このレースで健太は事故死してしまう。
登場人物・キャラクター
西島 達也
暴走族の灘五羅苦(なだごらく)連合のリーダーであり、鑑別所経験もある。鳶として働いていたが、幼なじみで白虎酒造の跡取りだった櫻井健太の死を機に、健太のかねてからの望みであった幻の日本酒、白虎を蘇らせるため、白虎酒造で杜氏を目指して働くこととなる。
櫻井 健太
西島達也の幼なじみで白虎酒造の跡取り息子。達也に、一緒に杜氏になって幻の日本酒、白虎を復活させようと懇願しており、「自分が勝ったら杜氏になってもらう、負けたら諦める」という条件で六甲山の公道レース勝負を挑むが、それが原因で事故死してしまう。
川口 誠
丹波篠山に住む老男性。かつて白虎酒造で働いていた腕利きの杜氏で、10年前に引退していた。幻の日本酒、白虎を復活させるという西島達也の願いで杜氏に復帰することとなる。背中に虎の刺青が入っている。
櫻井 美希
櫻井健太の妹で女子高生。女性杜氏の姿をテレビで見て憧れていたことと、健太の死がきっかけとなり、将来白虎酒造を手伝うために神戸農大の醸造科学科に進学することとなる。
櫻井
白虎酒造の社長である中年男性。婿養子のため妻の和子にはずっと頭が上がらなかった。しかし、息子である健太の死後は、健太の夢であった「白虎の復活」のために全てを賭けるようになり、西島達也に対して杜氏になってくれるよう懇願する。
櫻井 和子
櫻井健太の母親である中年女性で、白虎酒造の七代目当主。健太を溺愛していたため、西島達也に対しては健太の死の原因だと思って辛く当たり続ける。
松崎
白虎酒造の製造部長である杜氏の中年男性。ボーナスが出ないことなどもあって社長である櫻井への忠誠心は低く、櫻井の口利きで入ってきた西島達也のこともよく思っていない。生?純米酒の経験がないなど、杜氏としての能力は低い。
村田
白虎酒造の社員である中年男性。西島達也の教育係となるが、達也のことを快く思っておらず、何かといびるような態度をとる。
場所
白虎酒造 (はくとらしゅぞう)
『ボン蔵』に登場する酒蔵。150年の歴史がある。かつては独自の日本酒である白虎を造っていたが、経営危機により、10年前から大手メーカーの下請け専門となっていた。社員にボーナスも出せないなど、ここ数年の業績は悪い。
その他キーワード
白虎 (はくとら)
『ボン蔵』に登場する日本酒。白虎酒造で伝統的に作られてきた生酛純米酒で、濃醇で深い味わいを持っている。白虎酒造の経営危機により、10年前から製造されていない。