ポリ公

ポリ公

0課と呼ばれる怪しげな部署に追いやられた刑事・粟飯原涼二が、それでも刑事としての誇りを持ってさまざまな事件を追及していくさまを描く。ミステリー色の強い刑事漫画。

正式名称
ポリ公
ふりがな
ぽりこう
作者
ジャンル
警察官・刑事・検察官
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概要・あらすじ

0課と呼ばれる奇妙な部署に配属された23歳の刑事・粟飯原涼二は、上司の真夏十三から「ここには仕事はあると言えばあるし、ないと言えばない」などと不思議なことを言われていた。しかし、「首にさえならない限りこれ以上左遷される先はない」という点を逆に強みとし、涼二は積極的に多くの事件に首を突っ込んでいく。手柄を立てても本署の人間に横取りされてしまう立場ではあるが、それでも刑事の仕事ができることに涼二は満足していた。

しかしある日、恋人の伊丹明日香が勤務中に殉職する事件が起こり、涼二は激しいショックを受ける。その事件の黒幕をついに追いつめ対峙した時、涼二の手には超法規的な弾丸シルバーバレットが装填された拳銃があった。

登場人物・キャラクター

粟飯原 涼二 (あいはら りょうじ)

23歳の男性刑事。交番勤務では優秀な検挙実績を挙げていたが、水流和憲に目をつけられ、0課に左遷される。頭を坊主にしており、しかもローラーブレードで街中を走り回るので、傍目には刑事に見えず、職務質問を受けることすらある。正義感は極めて強く真面目な性格で、0課にあっても熱心に犯罪を追っている。また、シルバーバレットに関しての真実を知った際は、警官が超法規的殺人を行うことの是非について真剣に悩んだ。 自分のことを自嘲気味に「ポリ公」と言うことがある。恋人の伊丹明日香からは親しみを込めて「ドジ刑事」とか「ダメ刑事」と呼ばれていた。高橋達也からは「先輩」と呼ばれる。

伊丹 明日香 (いたみ あすか)

浜西署少年課所属の若い女性警官。所轄内の不良少女たちの間では顔が利き、「おねえポリ」と呼び親しまれている。粟飯原涼二のことを気に入り、強引なアプローチで交際を始め、最終的には押しかけ女房同然の関係になる。だが、涼二と入籍する前に、事件に巻き込まれて殉職を遂げる。

(かべ)

0課に所属する老刑事。普段は好々爺然とした昼行灯に過ぎないが、実は自身で「0課の上」と呼ぶ謎の上層部と繋がりがあったり、超法規的に悪人を抹殺するシルバーバレットを管理していたりと、その正体は謎に包まれている。粟飯原涼二にシルバーバレットを託し、その使用判断を任せることもある。

真夏 十三

0課に所属する老刑事。普段は好々爺然とした昼行灯に過ぎないが、いざという時にはハッタリだけでヤクザの組長をたじろがせるほどの立ち回りを演じたりと、只者ではない雰囲気を持っている。粟飯原涼二にとっては良き先輩であり上司。

高橋 達也 (たかはし たつや)

0課に新しく配属されて来た若い男性刑事。粟飯原涼二のことを「先輩」と呼んでいる。冴えない外見で涼二とは別の意味で刑事には見えないが、実は頭が切れ、優れた調査の腕を持つ優秀な刑事。若そうな外見をしているが、実は妻帯者でもある。

水流 和憲 (つる かずのり)

浜西署の若きエリート男性刑事。階級は警部補で、のちに昇進して警部となる。なぜか同期の粟飯原涼二を目の敵にしているが、その理由は不明。伊丹明日香に恋愛感情を抱いており、プロポーズしたこともあるが振られている。気障な性格ではあるが、明日香が殉職した時には涼二の前で本気の怒りの感情を露わにするなど、警官らしい正義感溢れる一面もある。

羽根地 智子 (はねぢ ともこ)

ヤクザの愛人で、スナックに勤めている若い女性。そのヤクザが殺された事件で粟飯原涼二と知り合い、お互いにとって問題の多い行為だと知りながら、関係を持ってしまう。涼二が葵を保護してきた時には、一時的にその身を預かり、葵が薬物中毒であることを看破したが、実は羽根地智子自身も中毒者である。その後、涼二との関係にこれ以上深入りしてしまうことを恐れ、自ら身を引いた。

(あおい)

粟飯原涼二が偶然に知り合った娼婦の少女。詳しい身元などは不明だが、涼二からは、中学生くらいだと見られている。羽根地智子と涼二の助力を得て薬物中毒を克服し、のちに更生した姿を見せるため涼二の前に現われる。

マリア

地元では顔が利く娼婦の少女。「マリア」は通称であり、本名は不明。重い病気を患っている知人の少女の手術費用を稼ぐために商売をしている他、同じ目的のため、オヤジ狩りなどの犯罪に手を染めている少年少女の犯罪グループの元締めのような存在でもある。のちにある事件に巻き込まれて命を落とす。

堀口 治夫

殺人犯の老人。15年前、自分の娘を薬物中毒にして死に追いやったヤクザ者を恨んで殺し、逃走。しかし時効成立のわずか2時間前に、粟飯原涼二に居所を突き止められることとなった。その際、涼二と静かに酒を酌み交わした後、自ら決意して警察に出頭する。

集団・組織

0課 (ぜろか)

浜西署分署に拠点を構える部署。基本的には左遷先と認識されており、主な仕事は迷宮入りした事件の再調査などの閑職で、0課の刑事たちはヒラの警察官からも小馬鹿にされている。だが、粟飯原涼二のように熱心に刑事としての職務を続けている者もいる。また、壁が「0課の上」とだけ呼ぶ謎の警察上層部から直接重要な命令が下されることもあったりと、謎が多い。

グループ鶴舞 (ぐるーぷつるまい)

浜西署所轄管内の不良少年少女グループの1つ。チームの証は、「Sheep」の五文字をあしらったおそろいのペンダント。ダンボール族殺し連続殺人事件などの容疑をかけられたり、メンバーの1人が過去に受けた性犯罪の加害者に私的な復讐を行ったりと、いくつかの事件で粟飯原涼二と関わり合いを持つこととなる。

場所

浜西署分署 (はまにししょぶんしょ)

0課のみが置かれている、警察の分署。廃ストリップ劇場の建物に「浜西署分署」と記された看板を設置しただけの、傍目には警察署には見えない異様な場所。中にもヌードポスターが貼られていたり、劇場だった部分がそのまま資料室になっていたりする。

その他キーワード

シルバーバレット

撃ち込んだ後、体内で痕跡を残さず消滅することから完全犯罪を可能にする特殊な弾丸。初めのうちは噂だけの存在にすぎなかったが、実在するものであり、0課の老刑事・壁が管理していたということが判明する。法では裁くことのできない悪人を抹殺するために超法規的に0課の刑事に支給されており、粟飯原涼二も受け取ったことがある。

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