マイホームヒーロー

マイホームヒーロー

『サイコメトラーEIJI』(原作:安童夕馬)ほかで知られる朝基まさしの、『でぶせん』(原作:安童夕馬)に続くヒット作。原作者は山川直輝。『100万の命の上に俺は立っている』(作画:奈央晃徳)に続くヒットとなり、代表作となった。舞台は現代の東京。愛する娘のために、DV彼氏・麻取延人を殺害してしまった平凡な会社員・鳥栖哲雄が主人公。第一発見者である妻と共に殺害を隠蔽し、延人の背後にいる半グレ組織と戦う哲雄の姿を描いたクライムサスペンス。講談社「週刊ヤングマガジン」2017年26号から2024年35号まで連載。2023年にテレビアニメになり、4月から6月までTOKYO MXほかにて放送された。また、連続ドラマと映画の同時製作が進行し、佐々木蔵之介主演で実写化。2023年10月25日(24日深夜)より、毎日放送、TBSテレビほかにてテレビドラマ版が放送。映画版は2024年3月8日に公開された。

正式名称
マイホームヒーロー
ふりがな
まいほーむひーろー
原作者
山川 直輝
漫画
ジャンル
サスペンス
レーベル
ヤンマガKCスペシャル(講談社)
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ごく普通のおじさんが、ある日突然殺人犯に

 47歳の平凡なサラリーマン・鳥栖哲雄は、一人娘・鳥栖零花の顔に殴られたようなアザを見つける。一緒に暮らしている彼氏の仕業かもしれないと考えた哲雄は、合鍵を使って零花のマンションに侵入。しばらくすると、彼氏の麻取延人が帰ってきたため、哲雄はクローゼットに隠れる。延人の電話の内容から、延人が半グレ組織と繫がっており、妻・鳥栖歌仙の実家から金を取るために零花が利用されていること、過去に二人の元カノを殺していることを知る。零花の命が危ないと考えた哲雄は、不意打ちを食らわし、延人を殺害してしまう。そこへやってきたのが歌仙だった。殺人犯になってしまった哲雄は妻の協力を得て、犯行を隠蔽し完全犯罪を目指す。

ミステリーの知識と家族愛が武器

哲雄は推理小説マニアで、自分でもミステリーを書き始めて20年以上の経験を持つ。「ダンボールとアルミで浴槽を即席の鍋にして肉を柔らかくする」「水道局などに怪しまれないように刻んだ肉の一部をトイレに流し、残りを家に持ち帰ってバクテリアで分解する」など、ミステリーの知識を生かした緻密な計画で、哲雄は死体を解体・遺棄していく。淡々と計画を実行しているように見えて、哲雄は殺人や妻の歌仙を巻き込んだことを後悔しているただの弱いおじさんでもある。そんな哲雄のもう一つの武器は「家族愛」だ。自ら共犯者となって助けてくれる妻と、組織の標的になっている娘を守るという気持ちが哲雄を突き動かしている。

延人の捜索に血眼になる半グレ組織

延人の父親は、複数の人格を自在に操る単独詐欺師の麻取義辰。半グレ組織の稼ぎ頭で、組織のリーダー・窪も頭が上がらないほど。義辰の年齢は哲雄と同じ47歳。妻と別れていることもあり、異常なまでに息子を溺愛している。そんな息子が行方不明になったことから、義辰は窪に全力で捜索するように命じる。窪は部下に鳥栖家の監視を命じるが、哲雄の巧みな計画により、手がかりを得ることはできなかった。しかしただ一人、間島恭一だけが、鳥栖夫婦が何かを隠していると気づいて二人を拉致。行動力と推理力に優れる恭一により、夫婦はピンチに追いやられる。

登場人物・キャラクター

鳥栖 哲雄 (とす てつお)

玩具メーカーに勤めるサラリーマンで47歳の男性。おとなしい性格で何より家族を愛している。大学時代は妻の鳥栖歌仙と共に演劇サークルに所属し、脚本を書いていた。趣味は推理小説を読むことと書くこと。推理小説を書き始めてから20年以上のキャリアがあり、10年前からは小説投稿サイトに投稿しており、計50本の作品がある。娘の鳥栖零花が、交際相手の麻取延人からDV被害を受けていることを知り、零花の部屋に忍び込む。そこに帰ってきた延人が半グレ組織に所属し、元カノを2人殺していることを知り、零花を守るために延人を殺害。死体の隠蔽を図る。

鳥栖 零花 (とす れいか)

鳥栖哲雄の娘。18歳の大学生。数年前から反抗期で、普段は哲雄とあまり話したがらないが、例年哲雄の誕生日には、凝った誕生日プレゼントを送っている。麻取延人と付き合っている間、DV被害にあっていた。哲雄が延人を殺害し、母親の鳥栖歌仙と2人で死体を隠蔽しようとしていることは知らない。

麻取 延人 (まとり のぶと)

鳥栖零花と付き合っていた男。年齢は20歳。半グレ組織の構成員で、父は組織の稼ぎ頭でリーダーからも一目置かれている麻取義辰。そんな父・義辰のコネで組織に入ったため、特別扱いされている。酒癖が悪く、酔った勢いで付き合った女性を2人殺害している。零花の祖父母から金をだまし取るため、零花と付き合っていた。零花の部屋に帰った際、隠れていた鳥栖哲雄に不意をつかれて撲殺されてしまう。

鳥栖 歌仙 (とす かせん)

鳥栖哲雄の妻。年齢は41歳。専業主婦で、実家は資産家である呉服屋「和服の鳥栖」。大学時代は夫の哲雄と共に演劇サークルに所属していた。哲雄が麻取延人を殺害した直後に、鳥栖零花の部屋を訪れてしまい、事件の第一発見者となる。死体を見つけても動揺せず、哲雄に死体の隠蔽を提案する。その後も哲雄に協力し、死体の解体や隠蔽を手伝う。勘が鋭く洞察力にも優れており、哲雄のピンチをしばしば救う。

麻取 義辰 (まとり よしたつ)

麻取延人の父親。年齢は47歳。電話で何人もの人格を使い分け、金を搾取する天才的な単独詐欺師。半グレ組織の中でも稼ぎ頭で、リーダーの窪も頭が上がらないほどの力を持つ。歪んだ育ち方をしたため、うまく家族への愛情を表すこともできず、妻とも離婚して家庭は崩壊。その後、半グレ組織に拾われてからは、今までの反動で息子の延人を溺愛している。延人の失踪後は金に糸目をつけず、窪たちに行方を追わせている。

(くぼ)

顎髭を生やした中年男性。半グレ組織のリーダーだが、組織の稼ぎ頭・麻取義辰には頭が上がらない。麻取のコネで入社してきた麻取延人を特別扱いしているが、酒癖が悪く自分の言うことを聞かない延人を扱いづらく思っている。義辰の命令で、失踪した延人を捜している。

間島 恭一 (まじま きょういち)

半グレ組織に所属する男性。年齢は20歳。頭が回り、手先も器用。麻取延人が失踪した後、窪に命じられ、鳥栖哲雄たちの住む家に盗聴器を仕掛けたり、鳥栖零花の監視を行ったりしている。執拗に鳥栖家を見張った結果、手がかりは得られないが、鳥栖夫婦の言動に不審感を抱く。その後、哲雄と鳥栖歌仙を拉致して強硬手段に出る。

クレジット

原作

山川 直輝

書誌情報

マイホームヒーロー 26巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉

第1巻

(2017-09-06発行、 978-4065101391)

第2巻

(2017-12-06発行、 978-4065105436)

第3巻

(2018-03-06発行、 978-4065111079)

第4巻

(2018-06-06発行、 978-4065115558)

第5巻

(2018-09-06発行、 978-4065126998)

第6巻

(2019-01-04発行、 978-4065141786)

第7巻

(2019-04-05発行、 978-4065151945)

第8巻

(2019-07-05発行、 978-4065163658)

第9巻

(2019-11-06発行、 978-4065177303)

第10巻

(2020-02-06発行、 978-4065184783)

第11巻

(2020-06-05発行、 978-4065199930)

第12巻

(2020-09-04発行、 978-4065206904)

第13巻

(2021-02-05発行、 978-4065223031)

第14巻

(2021-05-06発行、 978-4065233481)

第15巻

(2021-08-05発行、 978-4065243558)

第16巻

(2021-11-05発行、 978-4065258408)

第17巻

(2022-02-04発行、 978-4065267837)

第18巻

(2022-10-06発行、 978-4065294260)

第19巻

(2023-01-06発行、 978-4065303801)

第20巻

(2023-04-06発行、 978-4065313510)

第21巻

(2023-06-06発行、 978-4065320280)

第22巻

(2023-09-06発行、 978-4065330555)

第23巻

(2024-02-06発行、 978-4065342978)

第24巻

(2024-04-05発行、 978-4065352465)

第25巻

(2024-07-05発行、 978-4065362754)

第26巻

(2024-10-04発行、 978-4065372562)

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(2023-09-06発行、 978-4065330319)

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