概要・あらすじ
クラウン大銀河に存在するイースター太陽系、ノウズ太陽系、サザンド太陽系、ウエスタ太陽系という四つ恒星系と、長大な軌道を持つスタント遊星からなるジョーカー星団。そこでは主にイースターではデルタ・ベルンとアドラー、ノウズではカラミティ・ゴーダーズ、サザンドではジュノー、ウエスタではボォスという五つの惑星に人が住み、国家が林立していた。
星団暦2988年、惑星アドラーのトラン自治区の都市バストーニュにおいて、領主ユーバー・バラダが主催するファティマのお披露目が行われることになり、各国の要人が集まった。その中には高名なモーターヘッドマイスター、レディオス・ソープの姿もあった。
彼の目的は、友人のファティママイスタークローム・バランシェが作成したものの、ユーバー・バラダに連れ去られたファティマ、ラキシスとクローソーを助け出すことだった。ラキシスとクローソーには、ファティマには必須とされるマインドコントロールが施されておらず、発覚すれば大事件となる可能性があるのだ。
そんな中、クローソーの脱走事件が起きる。
登場人物・キャラクター
天照・ディス・グランド・グリース・エイダス・フォース (あまてらす・でぃす・ぐらんど・ぐりーす・えいだす・ふぉーす)
『ファイブスター物語』の主人公のひとり。ジョーカー星団イースター太陽系の惑星デルタ・ベルンの国家連合体A.K.D.の光皇。星団暦2020年、母親天照・メル・グランド・グリース・エイダス・ドライスの処女懐胎によって誕生。白髪に赤い瞳のアルビノで、不老不死であり、地球人の年齢で言う20歳程度の外見のまま歳を取らない。 性別を超越した美貌と優れた頭脳を持ち、超人的身体能力を持つ騎士としても、いわゆる魔法使い的な力を持つダイバーとしても最強の力を持つ。その正体は光の神であり、五十六億七千万年後に天照・ディス・グランド・フォーチュン・エイダス・フォースという最終形態となる。最初の妻メル・クール・リトラーはアマテラスの力の影響で早世、星団暦2988年にファティマラキシスを妻に迎える。 モーターヘッドマイスターレディオス・ソープ(男性)、レディオス・ソープ(女性)、星団最大のダイバー集団ダイバーズ・パラ・ギルドを率いるメル・リンス・ウザーレ・ターマ(女性)、ダイバーズ・パラ・ギルドのダイバー東の君(男性)という4つの分身を持っており、それぞれアマテラス本人とは独立した人格を持っている。 お忍びの時によく使われる分身はレディオス・ソープ(男性)で、各国要人の間ではアマテラス=レディオス・ソープは公然の秘密となっている。星団でもトップクラスの能力を持つ騎士を集めたミラージュ騎士団を直属の騎士団として持っている。
ラキシス
『ファイブスター物語』の主人公のひとり。アマテラスの妻。クローム・バランシェが制作した44体目のファティマで、運命の三女神の一人。厳密にはファティマではなく、ダブルイプシロン(YY)・ヒューマンと呼ばれる超生命体で、騎士をも凌駕する高い戦闘能力と、アマテラスの力にも似たダイバーとしての力を持つ。 幼少時、アマテラスが永遠を生きる宿命を持つことを知り、彼の孤独を癒すため一生を添い遂げられる存在になりたいとバランシェに願ったことから、ダブルイプシロン(YY)・ヒューマンに作り変えられた。ファティマとして完成する前の少女時代に、アマテラスと自分のマスターになること、また専用モーターヘッド黄金の騎士の開発と、その前で結婚式をするという約束をとりつける。 星団暦2988年にアマテラスの妃としてA.K.Dの首都でありアマテラスの居城フロートテンプルに入城。(ファティマとしての公的記録には行方不明として扱われている)アマテラスの母天照・メル・グランド・グリース・エイダス・ドライスによって天照の家名を与えられ、皇位継承権第2位となる。 公式にはミコトの養女であり、アマテラスの妹といった立場となる。現在は栗色の髪をしているが、本来の姿は藍色の髪。名前はギリシア神話の運命の三女神モイライの一人ラキシスから取られている。ファティマとしてのパワーゲージ、クリアランスは戦闘∞・MH制御∞・演算∞・耐久∞・精神∞、クリアランスOUT・タイプ∞。
アイシャ・コーダンテ
アマテラスに仕える女性騎士。A.K.D.を統治するアマテラス家の分家コーダンテ大公家の当主にして、A.K.D.左大臣兼筆頭司政官兼三軍司令官、グリース王国首相。ミラージュ騎士団オレンジ・ライト№2でもある。血がつながっているためアマテラスによく似ており、影武者を務めることもある。 騎士としての能力は星団中でも驚異的と言ってよいほどの強さ。奔放な性格で、肉体改造を繰り返し実年齢よりも若い外見を持つ。初恋の相手はアマテラスで、その想いを貫き、他の男性と結ばれ王家の血筋を残すという王女としての義務を果たさなかったため、星団暦3007年、ルーマー王国の女王へと格下げされてしまう。 パートナーのファティマは、クローム・バランシェ作のアレクトー。モーターヘッドクロス・ミラージュを駆る。
ミッション・ルース
惑星アドラーにあるトラン連邦共和国の大統領。男性騎士。剣聖ナッカンドラ・スバースに連なる「純血の騎士」の一族だが、騎士能力の発現は遅く、母親からはルース家の名を汚す者としてひどく扱われていた。ボード・ビュラードという偽名でトラン連邦公安騎士(S.P.I.) を務め、そこから選挙に出馬、大統領となる。 しかし成り行きからファティマメガエラの希望でお披露目前の彼女を娶ってしまったため、既成事実として誤魔化すため、10年間の武者修行に出させられてしまう。その間に各地の要人とコネクションを結び、大統領業に復帰して以降もビュラード名で身分を隠して不正や悪を正すお忍び旅をよくしている。 がさつでちゃらんぽらんな雰囲気だが、実力は確か。モーターヘッドクルマルス・ビブロスを駆る。アマテラスの数少ない心許せる友人の一人。
コーラス3世 (こーらす・さーど)
惑星ジュノーにあるコーラス王国の王。コーラス王家は代々強い騎士の力を持ち、コーラス3世も武帝と称される。正式なモーターヘッドマイスターではないが、自らモーターヘッドジュノーンを設計している。パートナーとなるファティマは、モラード・カーバイト制作のウリクル。 彼女を愛するあまり、正妻エルメラ・コーラスとの仲はややぎくしゃくしたものがある。コーラス3世に子孫コーラス6世の面影を見て、彼を「マスター」と呼んだクローソーを、訳ありであることを知りつつジュノーへ連れて帰る。アマテラスの数少ない心許せる友人の一人。
レーダー8世 (れーだーはっせい)
惑星カラミティ・ゴーダースにある北の大国フィルモア帝国の237代皇帝。大国の元首に相応しい大人物。300名以上からなる大騎士団ノイエ・シルチスと、別働隊であるブーレイ傭兵騎士団を操り、星団に大きな影響力を持つ。パートナーとなるファティマはスティール・クープ作のラ・クラトーマで、自らもモーターヘッドを駆る。
ダイ・グ・フィルモア5世
惑星カラミティ・ゴーダースにある北の大国フィルモア帝国の238代皇帝。レーダー8世の退位を受け、即位した。スタント遊星の軌道にあり、いずれ崩壊の道をたどることが確定しているカラミティ・ゴーダースにある国家の元首として、国民を他惑星に移住させ馴染ませる政策のひとつとして、魔導大戦時惑星ボォスにハスハ連合共和国の友軍として展開、そのまま駐留を続ける。 パートナーとなるファティマは、クローム・バランシェ作のチャンダナ。モーターヘッドVサイレン・プロミネンスを駆る。
ラルゴ・ケンタウリ
惑星カラミティ・ゴーダースにある北の大国フィルモア帝国の騎士団ノイエ・シルチスの赤騎士団長。「赤の一番(テスタロッツァ)」と呼ばれる実力派の騎士で、事実上のフィルモア騎士団総騎士団長。かつて若き日のコーラス3世に屈辱を味わわされた経験があり、その雪辱を果たすべくブーレイ傭兵騎士団を率いてハグーダをを支援、コーラス王国へ侵攻する。
クリスティン・V (くりすてぃん・びぃ)
惑星カラミティ・ゴーダースにある北の大国フィルモア帝国の名門ビィ家に生まれた女性騎士。幼い頃から強い力を発現させていたが、父バーバリュース・ビィが当時まだ無名であった後の黒騎士デコース・ワイズメルに敗れたことから、周囲の子供たちに壮絶ないじめを受け、我を忘れて一般人の上級生を殺傷。 帝国騎士議会によって死刑を求刑されるが、身分を隠したフィルモア帝国皇帝レーダー8世や帝国最強騎士アビエン・ヒートサイ等の説得により、人権を剥奪され、一生を帝国に尽くす呪われた騎士シバレースとして生きることを誓う。星団暦3007年、バキンラカン帝国の聖帝カンパー・ラ=シーラより皇帝代理騎士(ハイランダー)の称号を得、同日剣聖ダグラス・カイエンの試しを受け、慧茄・ダイ・グ・フィルモアから天位の称号を受ける。 皇帝ダイ・グ・フィルモア5世に密かに想いを寄せている。パートナーとなるファティマは、父バーバーリュース・ビィにも仕えたクローム・バランシェ作の町。 レーダー8世より譲り受けたモーターヘッドVサイレン・ネプチューンを駆る。
ミューズ・バン・レイバック
惑星カラミティ・ゴーダースにあるクバルカン法国の騎士団ルーン騎士団の騎士。枢機卿の位を持つ。次期法王という期待を背負い、武者修行の旅に出る。ボォスの中立地帯カステポーで、アイシャ・コーダンテや偽名ヒューア・フォン・ヒッターを名乗るダグラス・カイエンなど、様々な要人と出会い、成長していく。 パートナーとなるファティマはクローム・バランシェ作の静。クバルカン法国の旗騎でもあるモーターヘッド「破裂の人形」ことS.S.I.クバルカンを駆る人形遣い。
アッセルムラトワ・ディスターブ・ムグミカ・アトール
惑星ボォスにあるハスハ連合共和国(アトール聖導王朝)の皇帝。過去に全星団をその支配下においたファロスディー・カナーン超帝國の三代目皇帝で「炎の女皇帝」と呼ばれたナ・イ・ンから連なる歴史と、歴代巫女の記憶を受け継いでいる。アマテラスに匹敵するほどの強い予知能力を持つ。
ダグラス・カイエン
惑星ボォスにあるハスハ連合共和国のエープ騎士団総団長兼、アトール聖導王朝の「ナ・イ・ンの騎士」ネードル・シバレース。太天位を持つ剣聖。A.K.D.子爵、アトール聖導王朝侯爵。星団暦以前に全星団を支配したファロスディー・カナーン超帝國の王女ヤーン・バッシュと焔星親衛騎士団筆頭騎士アサラム・スキーンズの受精卵をL.E.D.ドラゴンから預かったファティマ・マイトクローム・バランシェがファティマクーンを借り腹としてこの世に生み出した純血の騎士。 星団暦の騎士の力をはるかに超える超帝國時代の騎士とダイバーの力を持ち、また不老の人工生命体であるファティマクーンの影響で、成人後はほとんど歳を取らない不老の肉体を持つ。 先代の剣聖デイモス・ハイアラキに師事し、剣技とモーターヘッドシュぺルター及びファティマクーンを受け継ぎ、シルバーナイトの称号を得る。その後ファティマアウクソーを娶り、カステポーでナイトギルドの総評議長ヒューア・フォン・ヒッター子爵を名乗り、放蕩の生活を送る傍ら、裏の世界でダークナイトとして知られる賞金首となる。 エープ騎士団の女性騎士ヤーボ・ビートとの間に男女の双子デプレッサー・ビートとマグダル・ビートを儲ける。 また、カイエン自身は知らされていなかったが、アウクソーを借り腹として受精し、ミース・シルバー・バランシェが産んだマキシマム・ハルトフォラスもカイエンの息子にあたる。
ヤーボ・ビート
惑星ボォスにあるハスハ連合共和国のエープ騎士団スバース隊の副隊長で、実質的なリーダーである女性騎士。モーターヘッドA-トール“コブラ”を駆る強力な騎士で、ハスハのウルトラエースと呼ばれるが、素行が悪く、私生活は奔放そのもの。不祥事が積み重なり解雇寸前となったが、アトール皇帝ムグミカ・ラオ・コレットの請願により半謹慎的な処分に。 しかしその間、カステポーで旧知のダグラス・カイエンとの間に私生児として双子のデプレッサー・ビートとマグダル・ビートを産み、一旦は騎士権剥奪となる。その後ムグミカにより復権、「ナ・イ・ンの騎士」ネードル・シバレースの称号とモーターヘッドエンプレスを授かった。 パートナーとなるファティマはギエーム・アイアン作のコンコード。
ディス・ヒフツェン・ボスヤスフォート
バッハトマ魔導帝国皇帝。星団暦以前に全星団を支配したファロスディー・カナーン超帝國の血を引く「純血のダイバー」であり、高い魔力と、純血の騎士を制御する力を持つ。かつてダイバーズ・パラ・ギルド盟主の座を望み、アマテラスの母アマテラスのミコトに戦いを挑むが、アマテラスの神の力により肉体を破壊され、精神のみの存在となってしまう。 その後、幾人もの魔導師の精神に憑依し生きながらえてきたが、小国シーブルの宰相ディ・バローを操りL.E.D.ドラゴンの持つ命の水を得、現世に肉体をもって復活を果たす。そのままシーブルを乗っ取り、バッハトマ魔導帝国を建国、黒騎士デコース・ワイズメルやユーコン財閥総帥の女性ダイバービューティ・ペールの二人と共に、アマテラスの居城フローとテンプルに攻め入り、ミラージュ騎士団に壊滅的打撃を与えるもアマテラスの分身メル・リンス・ウザーレ・ターマに敗退する。 その後、ハスハ連合共和国へと侵攻する。
デコース・ワイズメル
ファティマエストに選ばれた、三代目黒騎士。カステポー出身。ストラト・ブレード、ブラインド・ソードなどの剣技を得意とし、騎士としての能力は星団でも超一流であるが、極端な性格破綻者で、「狂騎士(ザ・シバレース)」とも呼ばれていた。黒騎士となる以前にも、フィルモア帝国三銃士にひとりバーバリュース・Vを中古のモーターヘッドデヴォンシャと、非人間型のエトラムル・ファティマで倒した他、トラン連邦共和国ユーバー・バラダの甥としてアマテラスとラキシスが乗ったモーターヘッドナイト・オブ・ゴールドと対峙し、生き延びている。 二代目黒騎士ロードス・ドラクーンを斬り殺した張本人でもある。 ファティマ嫌いで、エトラムル・ファティマしか使わずにいたが、エストが彼を選ぶと、星団中の騎士が悔しがるだろうという理由で黒騎士となった。ディス・ヒフツェン・ボスヤスフォートの協力者となった後は、バッハトマ魔導帝国の黒騎士団団長となり、部下の指導なども行っている。
クローム・バランシェ
ファティマを制作するファティマ・マイトで、星団四大マイトの一人。代々天才科学者を輩出するバランス家の出身で、クロームから数えて五代目のウラニウム・バランスがファティマ理論を発案、三代前のリチウム・バランスが星団初のファティマを完成させている。騎士の反応速度をモーターヘッドにフィードバックするために作られた人権なき演算装置であるファティマという人工生命体の持つ可能性を探求し、そのためには倫理にもとる行為も厭わないマッドサイエンティスト気質。 学会などからはそれゆえに追放されている。個人で作った最初のファティマクーンが完成させた頃、アマテラスに出会い、以降アマテラスをパトロンとして自由な研究を続けることとなる。 惑星アドラーのトラン連邦共和国に研究施設と居城を持ち、ラキシスアトロポスクローソーの他、45人ものファティマを制作した。彼のファティマはバランシェ・ファティマと呼ばれ、星団中の騎士がうらやむ高性能を持つが、一方でその実験性の高さから「銘」ばかりが大層な欠陥製品という評価もある。 宇宙船の設計も行い、死の前にアマテラスに次元航行艦ザ・ウィルの設計図を渡している。ファティマの身体に脳移植を行い延命をしていたが、脳自体の寿命により死去。実子はいないが、養子にダグラス・カイエン、プリズム・コークス、ミース・シルバーを引き取り、ミースにはバランシェの名と46番目の最強のファティママキシマムの研究理論を継がせた。
モラード・カーバイト
ファティマを制作するファティマ・マイトで、星団四大マイトの一人。惑星アドラー出身。クローム・バランシェの親友でありライバル。マイト養成学校バルチック・アカデミー開校以来の天才と謳わていた若手時代、モーターヘッド・マイトルミラン・クロスビンと組んで制作したモーターヘッドブラックナイトとその専用ファティマエストで星団中にその名を轟かせる。 しかしあまりにも高い戦闘力を誇るエストとブラックナイトを巡り、多くの騎士が血を流し、クロスビンが死に至ると、エストに人格を眠らせ自ら騎士を探すファンタム・プログラムを施し、自らも惑星カラミティ・ゴーダーズで世間との付き合いを絶った生活を送っていた。 しかし親友クローム・バランシェの容態悪化を知り、惑星アドラーのバランシェが住むバストーニュに程近いペトルカに移り住む。ファティマの体に自らの脳移植を行い、延命している。
ミース・シルバー・バランシェ
クローム・バランシェの養女で、ファティマを制作するファティマ・マイト。カーマントー星出身で、父の死後カステポー近郊のメトロ・テカ・クロム鋼を産出する鉱山を擁するツァイハイ自治区に移住するも、そこで母親を亡くし、パルチザンの頭目をしていたA-Tに育てられる。 その後ダグラス・カイエンに拾われ、クローム・バランシェの養女となった時に、マイトとしての才を持つことが発覚。クローム・バランシェから純血の騎士を超えるファティママキシマムの理論を受け継いだ。命の恩人でもあるダグラス・カイエンへの想いは強く、カイエンのファティマアウクソーを使い、自らの子宮をファティマのものに置き換えてカイエンの子でもあるマキシマムを産む。
すえぞう
惑星ボォスのカステポー地方を「領地」として生息する5匹のドラゴンの盟主L.E.D.ドラゴンの転生体。ドラゴンは現実の肉体と寿命を持つが、精神は高次元にある不滅の存在であるため、一定期間ごとに転生を行い、幼生体から成長をやりなおす。その際には「命の水」と呼ばれる奇跡の力を持つ物体を手にしており、幼生体を育てることとなった人間に代償としてそれを与えることとなっている。 成長後の巨大で威厳に溢れた姿とは異なり、幼生体は大きな鶏に近い、コミカルな姿をしている。すえぞうという名前は、アマテラスの命名。放浪するファティマアトロポスによって育てられている。
ファルク・ユーゲントリッヒ・ログナー
A.K.D.右大臣兼総軍司令官兼貴族院議長、ミラージュ騎士団総司令兼右翼大隊司令であり、A.K.D.内の国バビロン王国国王。ミラージュ騎士団としてのナンバーは、オレンジ・ライトの№4。天位を持ち、「暗黒騎士(スターレス・ファイター)」と呼ばれる騎士。 アマテラスの祖先であるレディオス・フォーカスライトが、ファロスディー・カナーン超帝國の炎の女皇帝ナ・イ・ンから預かったドウターチップにより、死んでもクローン再生によって全記憶と全ての力を有したまま蘇生できる存在。神話の時代となっているはるか古代からそうして存在をつなぎ、生きているため、現代の騎士と比較されることを嫌う。 星団最強の力を持つ騎士で、その戦闘力は生身でモーターヘッドに勝つほど。パートナーであるファティマはクローム・バランシェ作のイエッタ。好きな食べ物は大福餅。
プリンチペ・シリーズ・サリアッカー・パナフランシス・シアン
多くの有名ファティマのファティマ・スーツや騎士団の制服をデザインする、スーツ・マイスター。戦闘に使用するという実用性と、高いデザイン性はアマテラスやフィルモア帝国をはじめとする各国要人からの評価が高い。ファティマへの規制が強まり、星団法の改訂によってデカダン・スタイルと呼ばれる学校制服風のファティマ・スーツが禁止された際は、新たに星団法を準拠した上で裏をかいた形のプラスチック・スタイルを発表。 各国から絶大な支持を受け、プラスチック・スタイルに合わせてモーターヘッドの操縦席を変えることともなった。ダグラス・カイエンの恋人のひとり。大変なおしゃべり。
アトロポス
クローム・バランシェが制作した43体目のファティマで、運命の三女神の一人。星団法でファティマに義務付けられているダムゲート・コントロール(マインド・コントロール)を外されている。同じ運命の三女神ラキシス、クローソーよりも先に完成した「姉」にあたり、バランシェの手によって、彼女たちを狙う領主ユーバー・バラダの手からいち早く逃されていた。 惑星ボォスのカステポー近郊にあるツァイハイ自治区の待遇改善を求めるパルチザンの首領となり戦う傍ら、ミース・シルバーたち孤児の面倒を見ていた。「人間」のふりをしてきたが、メトロ・テカ・クロム鋼を買付にきたダグラス・カイエンと共にモーターヘッドシュぺルターのコントロールをしたことで、自分がファティマであるという自覚を持ち、その地を去る。 アマテラスによってA.K.D.のライム公爵家の籍を送られて以降は、人間A-T・ライム伯爵と名乗る。その後アマテラスからL.E.D.ドラゴンの幼生体すえぞうの世話を任されることとなった。 名前はギリシア神話の運命の三女神モイライの一人アトロポスから取られている。ファティマとしてのパワーゲージ、クリアランスは戦闘3A・MH制御3A・演算3A・耐久3A・精神3A・クリアランスOUT・タイプ∞(成長中)。
クローソー
クローム・バランシェが制作した45体目のファティマで、運命の三女神の一人。星団法でファティマに義務付けられているダムゲート・コントロール(マインド・コントロール)を外されている。運命の三女神アトロポス、ラキシスの妹にあたる。ファティマとしての能力は史上最強。 しかしその力がアマテラスとラキシスを倒すためのものであると薄々感づいていたクローソーは、モーターヘッドに乗ることを極端に恐れるようになっていた。完成するとラキシスと共にユーバー・バラダに浚われ軟禁されていたが脱走。ならず者に囲まれてしまったところを助けてくれたコーラス3世に、未来のマスターであるコーラス6世の面影を見出し、彼をマスターと呼ぶ。 コーラス3世もまたクローソーの想いを理解し、形式的に自分に嫁がせることで、コーラス王家預かりのファティマとした。ハグーダによるコーラス侵攻が始まると、コーラス3世の死を予見し怯えていたが、ラキシスの説得により、コーラス3世が開発していた専用モーターヘッドジュノーンに乗り込む。 ラルゴ・ケンタウリとの戦いで絶命したコーラス3世とジュノーンの意志を受け、一度だけその力を解放し、ラルゴを倒すが、その後自ら眠りにつき、アマテラスたちの手によってジュノーン共々封印される。名前はギリシア神話の運命の三女神モイライの一人クローソーから取られている。 ファティマとしてのパワーゲージ、クリアランスは戦闘3A・MH制御VA・演算VA・耐久3A・精神A・クリアランスFF・タイプ∞(睡眠中)。
エスト
モラード・カーバイト作のファティマ。名モーターヘッド・マイトルミラン・クロスビンと共に、モーターヘッドバッシュ・ザ・ブラックナイトとのペアで制作された。このシンクロナイズ・フラッターシステムを搭載したエストとバッシュ・ザ・ブラックナイトは完全なシンクロを見せ、通常のモータへッドとファティマの組み合わせよりも2ランク上のパワーを出すことができる。 星団中の騎士が欲しがる力を持ちながらも、しかしエストは通常のファティマと違い、パートナーとなる騎士を選ぶにあたって、自分との相性と共に、騎士たちの力を見比べてモーターヘッドとの相性を計らなければなかったため、流血沙汰が絶えず、最初の主を選ぶ前に一度精神崩壊寸前まで追い込まれた。 そのためモラードはファンタム・プログラムという本来の人格を眠らせ、「自ら主を探す」というプログラムをエストに施す。ファンタム・プログラムが動いているときのエストは、「騎士をマスターとして認識する機能が壊れてしまった工場製のファティマ・バーシャ」という人格を持ち、見込みのある騎士を探すため放浪する。 エストは星団暦以前に全星団を支配したファロスディー・カナーン超帝國の王女ヤーン・バッシュに瓜二つの顔をしているためブラック・ドラゴンの加護を得ており、放浪中も危機に陥ることは無い。初代黒騎士となったのはツーリー・パイドル、二代目はロードス・ドラグーン、三代目はデコース・ワイズメル、四代目はバンドライン・ゴール、五代目はグラード・シドミアン。 ファティマとしてのパワーゲージは基本が戦闘B1・MH制御A・演算A・耐久A・精神B1、シンクロナイズ・フラッターシステム発動時は戦闘2A・MH制御3A・演算3A・耐久3A・精神2A。 クリアランスはF・タイプS。
アウクソー
クローム・バランシェが制作した38体目のファティマ。超帝國の純血の騎士である剣聖ダグラス・カイエンのパートナーとするために制作された。その正体は星団初のファティマ、フォーカスライト。純血の騎士に仕えたいという彼女の願いを聞いたバランシェは、ドラゴンの個体進化からヒントを得た特殊な細胞を持って彼女を作り変えた。 そのため、アウクソーは複数の情報体を持ち、いかなる損傷を負っても元の記憶を保持したままの再生が可能。パワーゲージ、クリアランスは戦闘A・MH制御2A・演算2A・耐久3A・精神B1・クリアランスVVS2(のちF)・タイプM。
クーン
クローム・バランシェが独力で制作した1体目のファティマ。狂花の三女神の一人とされる。バランシェの手によってダムゲート・コントロールを外されており、騎士以上の力を持つ。その他、バランシェがL.E.D.ドラゴンより預けられたファロスディー・カナーン超帝國の王女ヤーン・バッシュと焔星親衛騎士団筆頭騎士アサラム・スキーンズの受精卵を育てる借り腹となり、ダグラス・カイエンを産み落とすなど、様々な実験を施されている。 自分よりも強い剣聖デイモス・ハイアラキに嫁ぐ。ハイアラキ亡き後は、アース・ドラゴンの元で眠っていたが、その後イズモアストロシティのモーターヘッド・マイトダイヤモンド・ニュートラルのパートナーとなる。 パワーゲージ、クリアランスは戦闘2A・MH制御2A・演算A・耐久3A・精神B1・クリアランスVVS1・タイプM。
ウリクル
モラード・カーバイト制作のファティマ。同じくモラード作のエストのスペックに対抗心を燃やしたクローム・バランシェの手によってティータが作られたことを知ったモラードが、さらにそのティータのスペックに勝つために作った。コーラス3世のパートナーとなる。パワーゲージ、クリアランスは戦闘A・MH制御2A・演算B1・耐久B1・精神A・クリアランスVVS1・タイプS。
ザ・ナイト・オブ・ゴールド
『ファイブスター物語』に登場する搭乗型巨大ロボット。「黄金のモーターヘッドで迎えにきてほしい」というラキシスの願いを叶えるため、アマテラスによって製作されたモーターヘッド。アマテラス専用機であり、A.K.D.の旗機。大元のフレームはレッド・ミラージュのものが使われているようだが、次元航行機能による時間転移など、通常のモーターヘッドとは比べられないほどの高機能を有し、また通常のモーターヘッドが騎士とファティマの二人がかりでコントロールするのに対し、ザ・ナイト・オブ・ゴールドはどちらかの一人だけでもコントロール可能。 全身の外装甲に金が硬化コーティングされている。兵装は通常のバスターランチャーを半分に切った専用バスターランチャーなど。 ベイルは持たない、攻撃型のモーターヘッド。
シュペルター
『ファイブスター物語』に登場する搭乗型巨大ロボット。アマテラスによって製作されたモーターヘッド。ザ・ナイト・オブ・ゴールド型の最初の一台で、オージェ・アルス・キュルと同時期に作られ、先に完成した。剣聖デイモス・ハイアラキによってウォータードラゴンという名前で使用した後、ダグラス・カイエンに継承された。 ザ・ナイト・オブ・ゴールド同様、ベイルは持たない、攻撃型のモーターヘッド。
L.E.D.ミラージュ (れっどみらーじゅ)
『ファイブスター物語』に登場する搭乗型巨大ロボット。アマテラスが直属の騎士団であるミラージュ騎士団のために開発したモーターヘッド。星団最強のパワーを持つ。
バッシュ・ザ・ブラックナイト
『ファイブスター物語』に登場する搭乗型巨大ロボット。モーターヘッド・マイトルミラン・クロスビンによって開発されたモーターヘッド。モラード・カーバイト作の専任ファティマエストとペアになるように作られており、エストの操作によってのみ、通常より2ランク上の性能を引き出されるというシンクロナイズ・フラッターシステムを搭載されている。 歴代のヘッドライナーとなった者は、黒騎士と呼ばれる。
ジュノーン
『ファイブスター物語』に登場する搭乗型巨大ロボット。コーラス王国の国王コーラス3世が、自分専用に製作したモーターヘッド。エンゲージSR.1の設計図を元に作られている。コーラス3世が独力で作り上げたものの、エンジン出力の不調が直らないままだった初期型、アマテラスの協力により、レッド・ミラージュのエンジンをマウントされた後期型、さらに星団暦4000年代に再組み立てを受けた最後期型o.d.k.の三形態がある。
書誌情報
ファイブスター物語 17巻 KADOKAWA
第1巻
(1987-05-14発行、 978-4048520614)
第3巻
(1990-07-31発行、 978-4048522755)
第4巻
(1991-09-04発行、 978-4048523110)
第5巻
(1992-10-29発行、 978-4048523677)
第6巻
(1994-03-03発行、 978-4048524681)
第7巻
(1995-04-24発行、 978-4048525596)
第8巻
(1997-02-26発行、 978-4048527743)
第9巻
(1998-09-24発行、 978-4048529570)
第10巻
(2000-09-28発行、 978-4048532495)
第11巻
(2003-04-17発行、 978-4048535694)
第12巻
(2006-04-05発行、 978-4048539500)
第13巻
(2015-08-10発行、 978-4041022429)
第14巻
(2018-02-10発行、 978-4041062074)
第15巻
(2019-12-09発行、 978-4041086643)
第16巻
(2021-10-08発行、 978-4041115701)
第17巻
(2023-03-10発行、 978-4041131572)
ファイブスター物語 第1巻 1998EDITION KADOKAWA
(1998-09-24発行、 978-4048529969)
ファイブスター物語 第2巻 2005EDITION KADOKAWA
(2005-02-24発行、 978-4048538220)