あらすじ
死にたがりやのミミズクと人間嫌いの夜の王
奴隷の少女は自らを「ミミズク」と名乗り、魔物たちが跋扈(ばっこ)する深い森「夜の森」に足を踏み入れる。ミミズクはそこで森を治める魔物たちの王「夜の王」と出会い、彼に自分を食べてと懇願する。しかし人間嫌いの夜の王は、ただ「去れ」と告げ、ミミズクは見逃されるのだった。翌朝、ミミズクは一匹の魔物と出会う。魔物は好奇心が旺盛で、ミミズクを観察するため、彼女と会話をし始める。そして魔物を「クロ」と呼ぶことにしたミミズクは、彼に自分を食べてもらおうとするものの、クロは夜の王が食べないことを決めたミミズクは食べないと突っぱねる。しかしミミズクは自分を食べてもらうため、再び夜の王に会うことを決める。ミミズクはクロの案内で再び夜の王に会うが、またしても夜の王はミミズクを食べず、彼女を見逃すのだった。森にいることを許されたミミズクだったが、夜の王から「王」と呼ぶことは許されず、代わりに彼を「フクロウ」と呼ぶようになる。フクロウに食べてもらうにはどうすればいいのか考えていたミミズクは、クロから夜の王の館に足を踏み入れるように助言を受ける。館は王の禁忌ともいえる場所で、足を踏み入れれば怒りを買って殺されるやもしれないが、ミミズクは殺されるのを望んで館に足を踏み入れ、そこでフクロウの描いた絵を見たのだった。ミミズクはフクロウに見つかって館を追い出されたものの、またしても死ぬのには失敗し、生きて戻ることとなる。しかし、ミミズクは館で見たフクロウの絵に心を奪われ、初めて死ぬこと以外に意識を向ける。そして、クロからフクロウの絵には赤の絵の具が足りないが、その材料である煉花は魔物には取ってこれないと聞き、ミミズクはフクロウのために煉花を手に入れることを決意する。煉花を手に入れる道中は過酷ながら、フクロウのためにミミズクは尽力。その道中、道に迷った狩人とミミズクは出会い、彼に道を教えて助けてあげるのだった。無事に帰りついたミミズクは、フクロウに煉花を手渡す。ミミズクとフクロウの交流は少しずつ深まり、ミミズクに刻まれた額の数字の焼き印をフクロウに紋様で上書きしてもらい、大喜びするのだった。
救出
フクロウはあらためて、ミミズクが自分になぜ食べられたがるのか聞く。するとミミズクが語る彼女の今までの足跡は、人間の醜さを煮詰めたような壮絶なものだった。世に絶望し、醜く死ぬことに恐怖したミミズクは、魔物に食べられれば跡形もなく消えてなくなれると思い、フクロウに自分を食べてとお願いしたのだ。そこでミミズクはフクロウからあらためて食べてほしいか聞かれるが、彼女はなぜかその言葉に返事をすることができず、安らかな眠りに就く。一方、聖剣を戴く王国「レッドアーク」では、夜の森の魔物に少女が捕らわれているという噂が持ちきりだった。かつてミミズクが助けた狩人が街へと帰り、彼女を助けたい一心で話を広めていたのだ。その噂を聞きつけたレッドアーク王・ダンテスは、夜の王の力を手にするため、少女を助けるという大義名分を掲げながら、森に侵攻するための戦力を集めていた。聖騎士、アン・デューク・マクバーレンは戦いを忌避しつつも、少女を助けるために剣を取り、王国の魔術師たちと共に夜の森に攻め込む。彼らの手によってフクロウの館は燃え落ち、ミミズクはフクロウの絵が燃えるのを見て狂乱する。フクロウはそんなミミズクに呪いを掛けて記憶を奪い、ミミズクをアン・デュークに託して彼女を人の世に戻すのだった。そして、フクロウ自身も魔術師たちの捕らわれの身となってしまう。すべてを忘れ去ったミミズクはアン・デュークの妻、オリエッタ・マクバーレンに世話をされながら、平和な街でふつうの少女として過ごし始める。優しい人々に囲まれ、温かな日々を過ごす中、ミミズクはとある一人の人物と出会う。
やさしい忘却
ミミズクは、レッドアークの王子であるクローディアス・ヴァイン・ヨールデルタ・レッドアークと出会う。クローディアスは生まれついて手足が変色し、まともに動くこともできない状態だった。部屋から出ることもできず、鬱屈した思いを抱えるクローディアスであったが、天真爛漫で無邪気なミミズクに毒気を抜かれ、彼女となかよくなる。人々と絆を育み、ミミズクは心から笑い、平和な日々を過ごしていたが、心のどこかに違和感を覚えていた。そんな中、アン・デューク・マクバーレンたちは、ミミズクが記憶を失ったのは額の紋様のせいだと気づく。アン・デュークたちは記憶を取り戻すのがミミズクにとっていいことか悪いことか葛藤するが、ミミズクの意思を尊重して、記憶を取り戻すことを決める。魔術師たちの手によって解呪されていく中、ミミズクはかつて会った狩人であるシーラと再会。彼の言葉をきっかけにして、ミミズクは記憶を取り戻してしまう。からっぽだった奴隷の少女は、人として過ごしたことで涙と怒りを知ったがゆえに、ミミズクは大いに取り乱すこととなる。ミミズクは優しくしてくれたアン・デュークたち王国の人々を大好きだと思いつつも、フクロウの絵を燃やし、彼を捕らえたアン・デュークたちに強い怒りの感情を覚える。さらに記憶を取り戻したのをきっかけに、ミミズクのもとにクロが現れ、ミミズクはクロの語る真実を聞くことで、フクロウの不器用な優しさを知る。そしてミミズクは、真実を前に苦悩しつつも涙をぬぐい、己のすべきことを見定める。
関連作品
小説
本作『ミミズクと夜の王』は紅玉いづきの小説『ミミズクと夜の王』を原作としている。原作小説版は紅玉いづきのデビュー作で、第13回電撃小説大賞で大賞を受賞し、2007年2月にKADOKAWA「電撃文庫」から刊行された。ライトノベルを主に刊行する電撃文庫レーベルからは異例ともいえる、挿絵がない作品で、磯野宏夫による表紙も一般書籍を思わせる絵柄だったこともあって話題となった。漫画版も、原作小説に惚れこんだ入社1年目の編集者が尽力し、出版社の垣根を越えてコミカライズにこぎつけたという経緯がある。また本作と併せて「紅玉いづきデビュー15周年記念企画」が始動し、原作小説の完全版である『ミミズクと夜の王 完全版』が2022年3月25日にKADOKAWA「メディアワークス文庫」より刊行されている。
登場人物・キャラクター
ミミズク
奴隷の少女。みすぼらしい古びたボロの服をまとい、手足に枷(かせ)をはめている。瘦せ細った幼い少女で、濃い茶色の髪を短く切りそろえ、額には「332」の焼き印を刻まれている。自らを「ミミズク」と名乗り、魔物に食べてもらおうと夜の森に訪れる。生まれてからずっと奴隷としてこき使われており、つらい目にしか遭ってこなかったために情緒が育っておらず、心の中は空っぽ。突飛な言動が多いのも、人の醜い負の側面をずっと見てきたからで、自分は人と混じることができない存在と思い、人ではない「ミミズク」と名乗るようになった。奴隷生活の中でも、臓器売買のための遺体処理が最も嫌で、人の死体が腐り落ちるさまを見て、同じようになりたくないと強く願うようになる。そして自分のいた場所が山賊に襲われた際に、相手の山賊を刺し、生きた人間も殺してしまったと感じたことで、深い絶望に包まれてしまう。人を刺したことでナイフを使うのがトラウマとなっている。生への執着を完全に失ったことと、醜く死ぬことへの恐れから、魔物に食べてもらうことを決意。賊に襲われた状況を抜け出し、着の身着のまま夜の森にたどり着く。夜の王を「フクロウ」と呼び、魔物の賢者を「クロ」と名づけ、彼らと森で暮らす。フクロウによって数字の焼き印に上書きされる形で、雲のような紋様を刻印されたが、新しい紋様をきれいと思って気に入っている。夜の森で暮らすうちに、徐々に今まで知らなかった感情を知り、考え方にも変化が訪れていたが、狩人の噂から魔物に捕らわれた少女とカンちがいされる。レッドアークの聖騎士であるアン・デューク・マクバーレンに助けられるものの、フクロウとは離れ離れとなってしまう。また、その際にフクロウから人の世に戻れるように、今までの記憶を忘れる「記憶封じの刻印」を施され、すべての記憶を失う。記憶を失って以降は年ごろの少女のような性格となり、明るく素直な性格からアン・デュークたちと打ち解け、クローディアス・ヴァイン・ヨールデルタ・レッドアークともなかよくなる。しかし平和な日常に違和感を覚え、封じていた記憶を取り戻す。
フクロウ
夜の森の魔物たちの王。魔物たちからは「夜の王」「夜光の君」と呼ばれ、人間たちからは「魔王」とも呼ばれている。黒い翼を持つ美しい男性で、月のような瞳を持つ。人間嫌いで、ふだんは夜の森の奥にある館で絵を描いて過ごしている。森を訪れたミミズクに森から立ち去るように告げる。魔物たちの王であるが、人間であるミミズクにはそう呼ばれることは好まず、代わりにミミズクからは「フクロウ」の名で呼ばれるようになる。夜の森の絶対的な支配者であるため、フクロウの決定にほかの魔物たちは絶対服従している。フクロウがミミズクを殺さなかったことで、ほかの魔物も彼女には手を出さなくなっている。実は元人間で、かつて存在した北の小さな王国の王子だったが、国は特産物であった希少な鉱物の枯渇とともに衰退。王子は鉱物の枯渇の時期に生まれたため、不吉な存在として家族からも迫害された。崩壊する王家の中、せめてもの手向けとして美しい故郷の光景を絵に遺そうとするものの、その絵すら燃やされて幽閉される。絶望と狂気に陥った王子はそれでも絵を描くことをやめず、己の血を使って絵を描き続け、その行為が魔物を呼び寄せる。魔物から夜の森に行けば、王の代替わりによって王となり、人間を止めることができると聞かされた王子はその誘いに乗り、新たな夜の王となった。人の醜さを知るゆえに人を遠ざけていたが、ミミズクに対しては人知れず気づかっており、不器用な優しさを見せる。誤解からアン・デューク・マクバーレンたちに、人をさらって、奴隷にする魔王として捕らわれてしまうが、その際にミミズクが人の世に戻れるように彼女の記憶を消している。また満月の際には強大な力を振るうことができるが、その力を使わずに捕らわれの身を選び、ミミズクの生活を壊さないようにしている。
クロ
夜の森の魔物(イエリ)。青みを帯びた黒い肌を持ち、二対四本の腕を生やした大男のような姿をしている。姿を自在に変えることができ、ミミズクに対しては小人のような姿で接する。恐ろしい見た目に反して理知的で好奇心旺盛な性格で、人間に興味を覚え、ミミズクを観察することで人間を知ろうとしている。名前はあるが人間には聞き取れないため、ミミズクからは「クロ」と呼ばれている。奇妙な魔術を使えるほか、羽を生やして空を飛べる。博識で思慮深い賢者のような存在で、ミミズクに食料を与えたり、話し相手になったりしている。夜の王には絶対服従で、王の幸福を願っているが、王の幸福がどこにあるのか疑問に思っており、王と対面しつつも生きて帰ってきたミミズクにその可能性を見いだす。そのため、あえて王の怒りに触れかねない館のことをミミズクに教えた。夜の王の命で、一時期森を離れることとなり、ミミズクに別れを告げて旅立つ。その後、ミミズクがレッドアークで記憶を取り戻したあと、その姿を現す。実は王の命令で、ミミズクが刺した盗賊を捜し、その安否を確かめていた。盗賊は今も生き残っており、ミミズクは誰も殺していないことを伝える。王が人間に捕らえられたことを憤慨するが、王の力であれば逃げ去ることもたやすいため、王は自ら捕まったのだと看破し、その意思を尊重して手出しはしていない。王にどこまでも絶対服従で、たとえ王が死んでも新たな夜の王が生まれ、それに従うだけと淡泊な態度を取っている。しかし一方で、フクロウの絵を美しいとも思っており、ミミズクにその思いを伝えた。
ダンテス
王国「レッドアーク」の国王。灰色の髪に険しい顔つきをした壮年の男性で、本心を見せず威厳のある立ち居振る舞いをしている。たった一代で侵略されかかっていたレッドアーク王国を立て直した傑物。聖騎士のアン・デューク・マクバーレンとは長年の付き合いで、お互いを年の離れた親友のように思い、気安く接する。亡き王妃を未だに愛しており、息子のクローディアス・ヴァイン・ヨールデルタ・レッドアークを、その体の不自由さから表に出すのをよしとしないものの、子として慈しんでいる。一方で、国のために新たな王妃を迎えることはせず、王としての立場から体の不自由なクローディアスとは距離を取ったりと、人知れず公人と私人の狭間で苦悩している。狩人が神殿で話した夜の森の少女の話を聞き、夜の王の力を手にして国を富ませ、クローディアスにその力で自由を与えることを画策する。表向きは夜の森の少女救出のためだが、長年の付き合いのアン・デュークからその内心を見透かされている。
クローディアス・ヴァイン・ヨールデルタ・レッドアーク
王国「レッドアーク」の幼い王子。生まれつき両手両足が変色して動かない障害をがあり、王城の西の塔に押し込められて不自由な生活を送っている。大切に育てられているが、半ば幽閉された形となっており、クローディアス・ヴァイン・ヨールデルタ・レッドアーク自身が聡明なだけに、自分は不要な存在として父親にも疎まれていると思っている。夜の森から助けられたミミズクに興味を覚え、彼女と会う。いっさい哀れみもせず、我が身の不幸を嘆くこともしないミミズクの天真爛漫さに強い衝撃を受け、彼女と友情を育むようになる。そしてミミズクから自分が見て、触れることもできない世界の話を聞くことで、初めて自分の不幸以外のものへ目を向け、己の視野を広くしていく。ミミズクを本当に大切な友達と思っており、彼女には自分の愛称である「ディア」の名を呼ぶことを許している。
アン・デューク・マクバーレン
王国「レッドアーク」で聖騎士の役目を負う青年。線の細い優しげな風貌をしている。卓越した剣の腕を持つ聖剣に選ばれし者だが、自由を愛し、人死にを嫌う慈愛の心を持っており、争い事を嫌い、自分の活躍する場が回ってこないことを祈っている。人目のつかない場所では堂々とサボったりするため、その立ち居振る舞いは「出不精」ともいわれている。しかし一度戦場に出ると、民と仲間を守るため、率先して切り込む勇敢さを持ち、己の役目を最大限果たそうとする。ダンテスとは親子ほど年が離れているが、聖剣に選ばれて以降、十年来の付き合いで、お互いを家族のように思って気安く接する。ダンテスが王としての役目を果たそうとしていることを知っているため、最大限彼に力を貸す。ただし自分はともかく、妻であるオリエッタ・マクバーレンを利用するのは許さないと釘を刺している。夜の森の件についても思うところはあれど、無辜(むこ)の民と少女を救うために旗印として夜の王討伐に力を尽くした。夜の森から助け出したミミズクを保護し、妻と共に彼女の世話をする。ミミズクのことを気に入っており、ミミズクが許せば自分の娘にしようと思っている。
オリエッタ・マクバーレン
アン・デューク・マクバーレンの妻。優しげながら芯の強さを感じる美女で、長く伸ばした藍色の髪を二つに分けて三つ編みにしている。「聖剣の聖女」「剣の処女」とも呼ばれる神殿の重鎮で、聖剣に選ばれた聖騎士を助ける役目を担っている。しかし、当代の聖騎士であるアン・デュークに自由にしていいと言われ、自分の意思でアン・デュークと行動を共にすることを決めた。助けられたミミズクの世話をし、彼女と絆を育む。神殿で才を見いだされ、一流の教育を受けた魔術師だが、その代償として子を宿せない体となってしまう。そのため、接するうちにミミズクを実の娘のように思うようになり、真摯に彼女の幸せを願っている。
シーラ
狩人の中年男性。小太りで質素な服を身につけている。狩りをしていた際に、危険な夜の森に迷い込み、魔物に怯えて立ち往生してしまう。そこにミミズクが通りかかり、魔除けとなる煉花の花びらをもらい、森を出る道も教えてもらった。ミミズクも共に脱出しようと誘うが、ミミズクはそれを拒否して立ち去った。その場ではミミズクを見送ることしかできなかったが、彼女を助けたい一心で街に帰ったあとに神殿に駆け込み、そのことを伝える。この出来事がのちに国王・ダンテスの耳に留まり、夜の王討伐へとつながっていく。のちに記憶喪失のミミズクと再会し、彼女が記憶を取り戻す最後の一押しとなってしまう。
場所
夜の森 (よるのもり)
草木が生い茂る深い魔性の森。大地より湧き上がる芳醇な魔力によって「魔物(イエリ)」が跋扈(ばっこ)するため、地元の人間でも浅い場所で薪を取るだけで、決して森の深い場所には足を踏み入れようとはしない。森に迷い込んだ人間は跡形もなく消え去るため、人食いの魔物に食われると噂されている。ただしクロによると、夜の森の魔物は人食いを好まない者が多いという。夜の森には大地の魔力が集まって「王」が生まれる仕組みがあり、王は絶対的な支配者として森に君臨している。魔物たちは王に絶対服従で、王の決めたことには決して逆らわない。また王は代替わりをする際に、次の王を指名することができる。王が死んでも大地の魔力が再び集まって、新たな「夜の王」が誕生する仕組みとなっている。
レッドアーク
夜の森に隣接する王国。古くから聖なる剣を伝えてきたため「聖剣を戴く王国」とも呼ばれる国だが、近年までは他国に侵略されかけ、疲弊していた。現国王・ダンテスがその手腕で王国を立て直し、魔力が芳醇な土地柄を生かして魔術師団を結成した。聖剣に選ばれた今代の聖騎士であるアン・デューク・マクバーレンを旗印に精強な国へと生まれ変わっている。
その他キーワード
煉花 (れんか)
夜の森の奥深くに群生する紅い花。「煉獄の花」とも呼ばれる血のように紅い花で、その花粉には魔物を殺す毒があり、人間の町では強力な魔物除けとして重宝されている。そして、その根は何よりすばらしい赤の染料の材料となる。ただし煉花は色あせやすく、枯れやすいため、正しい手順で採取しなければすぐ枯れてしまう。煉花の採集方法はまず根を掘り起こし、その根に血を吸わせ続けるというもので、血が続く限りは枯れることはない。そのため「血の花」とも呼ばれる。
クレジット
- 原作
-
紅玉 いづき