概要・あらすじ
漁師のズクは、松の枝に見たこともない美しい布を見つける。それは、空の上の国やら来たという美しい女のものであった。3年を一緒に暮らせば布を返すという約束をして、夫婦となり子どもまで設けた二人の幸せな日々は、侍たちの争いによって終わりを告げる。そして、ズクから天女と思われたおときは、その不思議な運命を幼い我が子に語る。
羽衣伝説を下敷きに、浄瑠璃の舞台を見るように描かれるタイムトラベル譚。
登場人物・キャラクター
ズク
まずしい漁師。羽衣をみつけて、天女を妻とする。侍たちに奪われた羽衣を取り戻しに向かい、羽衣を取り返すも、矢を受けて息絶える。
おとき
みな殺しとなる戦争がつづく世界から逃れたいと願い、火の鳥によって、1500年前の世界に連れてきてもらう。身につけてきた未来の布をズクに奪われ、3年を一緒に暮らせば布を返してもらう約束をする。
火の鳥 (ひのとり)
おときの願いをかなえて、みな殺し戦争が続く未来世界から、1500年前の世界へおときを連れてくる。
その他キーワード
羽衣 (はごろも)
『火の鳥 羽衣編』に登場する布。おときが脱いで松の枝にかけた未来の布。未来世界の物であるため、過去の世界の人間に与えることは許されない。
関連
火の鳥 (ひのとり)
火の鳥と呼ばれる超生命体が見守る古代から超未来にわたる人類の叙事詩。 関連ページ:火の鳥