概要・あらすじ
幼い頃から金持ち・成績優秀・スポーツ万能・容姿端麗の柳尚人。しかし、小学校5年生の時に転校してきた九条美琴は、さらにその上を行く成績と運動能力を持っていた。彼女に勝つため中学、高校と同じ学校に進学する。高校では思わぬことから、彼女の母、九条美和と親しくなるものの、ついに一度も勝てなかった柳尚人は、彼女と同じ大学に進学する。
一方、九条美琴は、女手一つで育ててくれた母の役に立ちたいためと思って頑張っていただけで、柳尚人をライバルだとは思った事もなかった。ある日、九条美琴は同じゼミの藤本しおりから、柳尚人を紹介してほしいと頼まれる。柳尚人と藤本しおりが一緒にいるところを見て、すっきりしない感情が湧き始めた。
九条美琴は柳尚人に対しての気持ちを、「友情」と認識する。それを聞いた柳尚人は、九条美琴に、彼女に自分の気持ちを自覚させたら勝ち、という「最後の勝負(ラストゲーム)」を持ちかける。
登場人物・キャラクター
柳 尚人 (やなぎ なおと)
『ラストゲーム』の主人公の1人。容姿端麗な男性。大学2年生。父親は大手リゾート柳リゾートの社長。小学生時代は成績優秀、運動会でもヒーローだったが、5年生の時に転校してきた九条美琴にことごとくトップの座を奪われる。彼女に勝つため中学、高校と同じ学校に進学する。高校では思わぬことから、彼女の母、九条美和と親しくなるものの、ついに一度も勝てなかった。 そして彼女と同じ大学に進学。この間、女性の人気は絶えなかったが、九条美琴を10年間ライバル視している。大学2年生になり、藤本しおりと自分が一緒にいたところを見た九条美琴の様子から、彼女に自分の気持ちを自覚させたら勝ちという「最後の勝負(ラストゲーム)」を持ちかける。 その後、九条美琴と共に天文サークルに入部。彼女へのライバル心が恋心に変っていくことを感じている。
九条 美琴 (くじょう みこと)
『ラストゲーム』の主人公の1人。黒髪のロングヘアの女性。無表情でいることが多い。大学2年生。小学校5年生の時に転校して柳尚人と同じクラスになる。父は幼い頃事故で亡くなり、母の九条美和と2人暮らしで、女手一つで育ててくれた母に楽をさせる事が唯一の目標。小学校で柳尚人に代わって成績トップの座に就く。中学でも3年間成績トップ、短距離走の県内記録を更新するが帰宅部を貫き、超然とした姿で「鉄の女」とあだ名された。 高校でも成績トップを維持し続け、大学に入学する。恋愛や人間関係には疎いが、特売日やタイムセールに敏感。柳尚人からライバル視されていることを認識せず、一方的にケンカを売られていたと思っている。また彼と小学校から大学まで一緒なのは、「偶然」という認識。 しかし、大学で藤本しおりと一緒に居る柳尚人を見て、すっきりしない感情が湧き始める。その感情を柳尚人への「友情」と認識した。藤本しおりから勧誘され、柳尚人と共に天文サークルに入部。柳尚人への気持ちの変化に戸惑う日々を送っている。
九条 美和 (くじょう みわ)
ボブヘアーの女性。九条美琴の母。夫を事故で亡くしている。看護師をしながら女手一つで九条美琴を育てた。九条美琴が高校生の頃、事故で怪我をして入院した病室で柳尚人で出会い、以来、彼からは「美和さん」と呼ばれ、仲良くなった。娘の九条美琴が自分のために努力してくれていることを嬉しく思いつつも、自身の幸せを考えてほしいと願っている。
藤本 しおり (ふじもと しおり)
大学で九条美琴と同じゼミの女子。九条美琴にポケットティッシュをもらってから、彼女によく話しかけるようになった。明るく物怖じしない性格で、陸上部出身のせいか度々体育会系の顔をのぞかせる。柳尚人を九条美琴に紹介してもらったことが縁で2人と知り合い、天文サークルに誘った。 柳尚人と九条美琴の双方の気持ちに気づき、じれったく思いながらも楽しんでいる節がある。九条美琴を「みこっちゃん」と呼ぶ。
相馬 蛍 (そうま けい)
大学1年生の男子で、柳尚人、九条美琴、藤本しおりの1年後輩。天文サークルに入部する。等身大で親しみやすく、女子の間では柳尚人と並び称される「人気物件」だった。しかし実はド田舎の出身で、大学デビューを狙っていた。入部早々、九条美琴にアプローチするが、それは完璧なモテ男の柳尚人に対する強烈なライバル心のためだった。 だが、次第に九条美琴に本当の恋をするようになる。興奮すると故郷の訛りが出たり、築40年のアパートに住んでいたりと隙が多い。いつも欲しいものをあと一歩で手に入れられなかった経験から、「負け組」を自認している。橘桃香とはお互いの暗い過去と、本音の恋心を知る仲で、彼女からは「方言男」と呼ばれている。
宮部 (みやべ)
眼鏡をかけた男性。天文サークルの部員。藤本しおりの彼氏。普段は温厚な草食系だが、天体望遠鏡の事になると人が変わる。高校時代の彼との別れ話ですさんでいた藤本しおりのグチを聞いたことをきっかけに付き合い出した。
柳 涼子 (やなぎ りょうこ)
柳尚人の姉。奔放、傲慢、気ままな女性。「成金は成金らしく」、「金を持っている者は金を使う義務がある」など、父親譲りの信念の持ち主。九条美琴とは、彼女が柳尚人を看病に来た時に初めて出会った。
早乙女 千鶴 (さおとめ ちづる)
黒髪のロングヘアの女性。柳尚人の姉、柳涼子のライバルで、明治から続く由緒ある家柄の超お嬢様。口調は丁寧で表情も穏やかだが、相手の心に突き刺さるようなトゲのある話をする。
寺山 雅人 (てらやま まさと)
眼鏡をかけたエリート然とした男性。早乙女千鶴の婚約者。ハーバード・ビジネススクールに留学経験を持つ。ややマゾ気質。
吉田 (よしだ)
短髪の男性。天文サークルの先輩。いつも金欠でヘタレな性格。柳尚人、藤本しおり、相馬蛍など後輩たちからは全く敬われていない。橘桃香を気に入って「ももちゃん」と呼んでいるが、相手にされない。
橘 桃香 (たちばな ももか)
聖苑女子学院大学1年生で、柳尚人の姉、柳涼子の後輩。早乙女千鶴の婚約パーティーで柳尚人と出会い目をつける。酔っ払いに絡まれているところを九条美琴に助けられ、柳尚人と再会し天文サークルに入部。一見弱々しげな女性を装っているが、実は虎視眈々と柳尚人を狙っている。 両親に溺愛され自己愛の強い性格だったが、中学時代のある経験から自己改造した。相馬蛍とはお互いの暗い過去と、本音の恋心を知る仲。
遠藤 カナ (えんどう かな)
九条美琴がアルバイトしている家庭教師先の教え子。小学校4年生の女子。妙に成熟した恋愛観を持っている。
坂本 (さかもと)
中学時代の橘桃香の同級生。サッカー部で女子の人気が高かった。橘桃香の勘違いを粉々に打ち砕いた。
荻原 真 (おぎわら)
柳尚人の小・中学校の同級生。小学校の同窓会の幹事を務め、柳尚人を誘う。現れた柳尚人と九条美琴の意外な姿に驚愕する。
書誌情報
ラストゲーム 11巻 白泉社〈花とゆめコミックス〉
第1巻
(2012-01-04発行、 978-4592193432)
第2巻
(2012-07-05発行、 978-4592193449)
第3巻
(2013-01-04発行、 978-4592193456)
第4巻
(2013-07-05発行、 978-4592195115)
第5巻
(2014-01-04発行、 978-4592195122)
第6巻
(2014-07-04発行、 978-4592195139)
第7巻
(2015-01-05発行、 978-4592195146)
第8巻
(2015-06-05発行、 978-4592195153)
第9巻
(2015-12-04発行、 978-4592210580)
第10巻
(2016-06-03発行、 978-4592210597)
第11巻
(2016-10-05発行、 978-4592210603)