ラストマン

地球を守るため、人間を滅ぼそうと目論む「新人類」の秘密結社「LOVE&PEACE」と、「新人類」ながら人間を守るため戦う少年の姿を描いたバトルアクション。各エピソードタイトルの話数は「LAST○○」とつけられており、第1話の「LAST100」からスタートし、話数が進むにつれてカウントダウン方式で数字が減っていく、というのが大きな特徴となっている。第9巻~第11巻では、街にあふれるさまざまな怪人との対決がメインに描かれており、「怪人シリーズ」というサブタイトルが付けられている。講談社「週刊ヤングマガジン」1998年18号から2001年13号にかけて連載された作品。

正式名称
ラストマン
ふりがな
らすとまん
作者
ジャンル
アクション
レーベル
ヤングマガジンコミックス(講談社)
巻数
全12巻完結
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あらすじ

マコトとの出会い(第1巻)

両親のいない中学生の大森愛と小学生の大森正義の姉弟は、ある朝、自宅の前で全裸で倒れている少年、マコトと出会う。愛と同じような中学生ほどの風貌でありながら、マコトの知能は低く、まるで生まれたばかりの赤ん坊のようだった。愛は、そんなマコトを自分達の家で面倒を見ようと決意する。そんなある日、マコトは愛が通う麻布ヶ丘中学校を訪れる。そこでマコトは人間一人を2階まで投げ飛ばしたり、高いところから飛び降りても無傷だったりと、超人的な姿を見せ、麻布ヶ丘中学校の中でも目立つ存在となっていく。

マコト、中学へ行く(第2巻)

麻布ヶ丘中学校で、友人達との交流を経て少しずつマコトが成長していく中、学校では密かに問題が起き始めていた。秘密結社「LOVE&PEACE」から送り込まれた「新人類」のクモ女が、教師達をその毒牙にかけ始めていたのである。彼女と「LOVE&PEACE」の真の目的は、マコトを探して捕獲する事であった。

そんな中、マコトの持つ超人的な身体能力に惹かれていた竹之内由紀子は、親友の高橋良美宮本律子と共に、マコトといっしょに暮らしているという大森愛大森正義の自宅を訪れる。マコトの秘密を知りたい由紀子は彼らを食事に誘うが、そこでマコト達はほかの客とのトラブルに巻き込まれ、人気のない公園へと連れ出されてしまう。これらはすべて、クモ女が仕組んだ罠であった。

怪奇クモ女(第3巻~第4巻)

公園で襲撃して来たクモ女に応じるように、マコトは自分の体を変身させる。その姿を見たクモ女は、マコトがラストマンとして覚醒を始めた事を、その場にいた大森愛達に告げるのだった。その後、マコトはクモ女との戦いに勝利をおさめるが、体力を消耗して深い眠りについてしまう。その後、愛はどうにかマコトを連れて家に帰りつくものの、そこに倒したはずのクモ女が再び出現。眠りから覚めたマコトによりクモ女は撃退されるが、クモ女は、今後もマコトを倒すために秘密結社「LOVE&PEACE」が次々と「新人類」を送り込むと予告するのだった。

一方、麻布ヶ丘中学校では、クモ女の襲撃からからくも逃げ延びた宮本律子が、竹之内由紀子高橋良美と今後を話し合っていた。律子達は、これからもクモ女のような「新人類」が襲って来るのを恐れ、彼らに対抗できるマコトに守ってもらおうと考える。

恐怖ワシ男(第4巻~第6巻)

麻布ヶ丘中学校でバスケットボール部のキャプテンを務める佐々木は、マコトの持つ身体能力の高さに目をつけて、バスケットボールでの勝負を挑むが、あっさりと敗れてしまう。その後もマコトに勝負を挑み続ける佐々木に対し、マコトは友情に近いものを感じるようになっていく。そんな折、麻布ヶ丘中学校に外国語の教師としてアレックス・パパリオスが新たに赴任する。アレックスに、自分がいつクモ女のような「新人類」に襲われるか不安だと相談した高橋良美は、アレックスに連れられて秘密結社「LOVE&PEACE」の本社ビルへと案内される。そこで良美は、「LOVE&PEACE」という組織が、地球の神の意志を受けて世界を平和に導くための愛の秘密結社であると知らされる。アレックスはその証拠として、自分の背中から翼を見せて良美を誘惑し、マコトが危険な存在だと教えるのだった。

アレックスは、佐々木の彼女である岬智子をも誘惑するが、その現場を見て激高した佐々木を殺害し、次いで智子もまたその手にかける。その事実を知ったマコトの前でワシ男としての本性を現したアレックスは、マコトとの死闘を展開。そのさなか、マコトはラストマンとしての新たな覚醒を迎える。

本社ビルでの死闘(第7巻~第8巻)

マコトは、死闘の末にアレックス・パパリオスを倒すが、アレックスを愛していた高橋良美はマコトに対して憎悪の感情を抱き、「新人類」のサソリ女に変貌する。そんな彼女に誘われ、竹之内由紀子大森愛は、秘密結社「LOVE&PEACE」の本社ビルへと連れ去られてしまう。彼女達を追って本社ビルに侵入したマコトと宮本律子は、そこで「LOVE&PEACE」の幹部の女性、プロメテウスと出会う。プロメテウスは、「LOVE&PEACE」が1969年に首領のピースラブによって設立され、世界に真の平和を実現する事を目的としていると説明する。そしてプロメテウスは「母なる海」という名の液体で満たされたプールに律子を突き落とし、その中で彼女が思い描いた姿になれると話したうえで、マコトもまたこの「母なる海」によって、以前とは違う人間に生まれ変わったと告げる。マコトはかつてはステファン・ルーブルという女性であり、さらにステファンになる以前には逆田翔史雄という男性だったと語る。自分の知らない自分の事を語るプロメテウスに対し、マコトも恭順しようと考え始めるが、それを「母なる海」から戻った律子が制止する。あくまでも人間のまま強くなりたいと願う律子の願いに応えたマコトは、ついに真のラストマンへと覚醒するのだった。

街にあふれる怪人たち(第9巻~第11巻)

プロメテウスを倒したマコトは、宮本律子と共に囚われていた大森愛竹之内由紀子高橋良美を救出し、秘密結社「LOVE&PEACE」の本社ビルを爆破して脱出する。しかし、このビルの爆破によって、「LOVE&PEACE」の開発した「母なる海」の液体が街中に飛び散ってしまう。そしてこの液体を浴びた人々は、次々に自分の欲望に忠実な「新人類」へと変貌を遂げるのだった。ラストマンとして覚醒を遂げたマコトは、人間を襲撃する「新人類」達を撃退していく。一方でマコトを追う律子は、彼と行動を共にしながら「新人類」を殺し続けるマコトに対して漠然とした不安を抱いていた。そんな中、新たな「新人類」の気配を察知したマコトは現場へと急行するが、そこにいたのは逆田翔史雄だった。プロメテウスから、現在の自分になる以前は、自分が翔史雄だったと説明されていたマコトは困惑するが、それでもカブトムシ男に変身した翔史雄を倒すために戦おうと決意する。

新たな人類の社会へ(第12巻)

カブトムシ男となった逆田翔史雄との戦いに敗れたマコトは、断片的な記憶の中に、かつての自身の姿であるステファン・ルーブルがいるのに気づく。そんな矢先、再びマコトの前に現れた翔史雄は「母なる海」の雨を降らせて、日本中を「新人類」の社会へと作り変えると宣言する。それに対し、マコトは秘密結社「LOVE&PEACE」の本拠地「LOVE&PEACE LAND」がある南極大陸へと乗り込む。そこでマコトを待っていたステファンは、彼を「LOVE&PEACE」の首領、ピースラブのもとへと案内するのだった。ピースラブは、地球の意志に基づいて人間の持つ役割を解明した結果、人間が地球のバランスを崩していると気づいていた。そのため、人間を滅ぼして「新人類」による新たな社会を構築しようと考えていたのである。それでもマコトは人間の愛とエネルギーを信じ、戦い続けようと決意する。

登場人物・キャラクター

マコト

大森愛と大森正義の姉弟が出会った正体不明の少年。見た目は中学生程度だが、言葉もまともに話せないほど知性も低かった。のちに愛を追って麻布ヶ丘中学校に通うようになり、宮本律子や竹内由紀子らとの交流を経て知性レベルが急速に成長。さらにラストマンとして覚醒し、クワガタを模した姿へと変身できるようになる。 その正体は秘密結社「LOVE&PEACE」の首領、ピースラブが作り出した「新人類」の一人で、地球のバランスを崩そうとしている人間に成り代わり、「新人類」として新たな社会を作り出す使命を帯びていた。だが、愛達と触れ合って人間の持つ可能性を信じ、「LOVE&PEACE」に敵対するようになる。

大森 愛 (おおもり あい)

マコトの面倒を見ている中学生の少女。自身の通う麻布ヶ丘中学校では宮本律子らにいじめられていた。体は大きいものの知性が低いマコトの母親代わりとして、いっしょに暮らそうと決意し、その後はマコトと行動を共にする。マコトとの非日常的な生活の中でも自分を見失わず、多少の事では動じない大らかな性格の持ち主。マコトがラストマンとして覚醒するために大きな影響を与えた一人。

大森 正義 (おおもり せいぎ)

大森愛の小学生の弟。小学生ながらしっかりとした性格で、両親のいない大森家では大黒柱ともいえる存在。いきなり現れたマコトという奇妙な存在に対しては、当初はかかわりにならないように愛に勧めた。しかし、共同生活を送るうちに少しずつ打ち解けていき、やがて「家族の一員」としてかけがえのない存在と認めるようになる。姉である愛に対しては乱暴な言葉づかいで接するが、心の中では深い愛情で結びついている。

宮本 律子 (みやもと りつこ)

麻布ヶ丘中学校に通う女子中学生。自分より立場の弱い大森愛をいじめていたが、マコトと出会って以降、少しずつ自身の認識を改めていく。マコトがラストマンとして覚醒したあとは、秘密結社「LOVE&PEACE」の「新人類」と戦うマコトをパートナーとしてサポートするようになる。当初はやや凶暴な性格が前面に出ていたが、マコトのサポートをするうちに温和な性格へと変わっていき、マコトにとっても共に戦う大切な存在となった。

竹之内 由紀子 (たけのうち ゆきこ)

麻布ヶ丘中学校に通う女子中学生。麻布ヶ丘中学校の中ではトップクラスの美少女であり、男子生徒からの人気も高い。マコトと出会い、彼の持つ純粋さに惹かれていく。性的な対象としてマコトを見ており、ラストマンとしてマコトが覚醒したあとも、彼に好かれようとだけ考えて行動していた。根が純粋なため、秘密結社「LOVE&PEACE」の話もすぐに信じてしまい、一時はマコトとも敵対した。

高橋 良美 (たかはし よしみ)

麻布ヶ丘中学校に通う女子中学生。竹之内由紀子の親友で、学力テストでも全国屈指の成績を誇る優秀な生徒。外国語教師として赴任して来たアレックス・パパリオスに惹かれ、彼の子供を宿す。秘密結社「LOVE&PEACE」の「母なる海」に入り、サソリ女へと変身する能力を手に入れたあとは、アレックスを倒したマコトへの復讐を企てるようになる。

佐々木 (ささき)

麻布ヶ丘中学校に通う男子中学生。スポーツ万能で、バスケットボール部ではキャプテンを務めている。突如として現れた身体能力抜群のマコトにコンプレックスを抱き、幾度となくバスケットボールなどで勝負を挑む。だが、実際にはマコトを友達と考えており、勝負を挑んだのもマコトと仲よくなりたいという気持ちからだった。アレックス・パパリオスに襲われて命を落とす。

岬 智子 (みさき ともこ)

麻布ヶ丘中学校に通う女子中学生。佐々木の後輩で、バスケットボール部のマネージャーを務めている。佐々木と交際していたが、アレックス・パパリオスに誘惑されてアレックスのもとへと走る。佐々木を殺害したアレックスに対して、佐々木への思いが戻って復讐しようとするが、「新人類」のワシ男としての本性を現したアレックスに殺害される。

アレックス・パパリオス (あれっくすぱぱりおす)

麻布ヶ丘中学校に赴任して来た男性教師。外国語を担当している。教師になる前はアメリカ海兵隊に所属し、世界各地を旅してきたという経歴の持ち主。秘密結社「LOVE&PEACE」の「新人類」の一人であり、ラストマンとして覚醒しつつあるマコトを狙って麻布ヶ丘中学校へとやって来た。女性を誘惑する能力に長け、その能力で高橋良美や岬智子を虜にした。 ワシ男に変身してマコトと戦うが、ラストマンに覚醒した彼に敗れる。

クモ女 (くもおんな)

秘密結社「LOVE&PEACE」の「新人類」の一人。普段は女子高校生の姿をして活動しており、男性に近づいて精気を吸い取り、自身のエネルギーに変えている。マコトの前に初めて現れた「新人類」であり、マコトを追って麻布ヶ丘中学校の教師に近づいた。当初は戦いにおいてマコトを圧倒していたが、ラストマンとして覚醒を始めたマコトに敗れる。

プロメテウス

秘密結社「LOVE&PEACE」の女性幹部で、「新人類」の一人。「LOVE&PEACE」本社ビルに乗り込んで来たマコトと宮本律子に、「LOVE&PEACE」が設立された沿革と活動理念を伝えた。マコトを懐柔しようと目論んでいたが、マコトが反抗したため戦うようになった。巨大化し、マコト達を自分の体内に取り込んで吸収しようとしたものの、マコトの持つエネルギーに耐えきれず、本社ビルごと爆発して果てる。

ステファン・ルーブル (すてふぁんるーぶる)

秘密結社「LOVE&PEACE」の創設メンバーの一人。科学者の女性。ピースラブや逆田翔史雄らと共に、人間の持つエネルギーの源と地球の意志を研究している。プロメテウスはマコトに対して、「母なる海」の力で翔史雄がステファン・ルーブルの姿となり、そこからさらにステファンがマコトの姿となったと、説明していた。 しかし、実際にはマコトや翔史雄とはまったくの別人。マコトをピースラブのもとへ導くためにLOVE&PEACE LANDで待っていた。

逆田 翔史雄 (さかた としお)

秘密結社「LOVE&PEACE」の創設メンバーの一人。生物学の権威ともいわれる科学者の男性。プロメテウスはマコトに対して、「母なる海」の力で逆田翔史雄がステファン・ルーブルの姿となり、そこからさらにマコトの姿となったと、説明していた。しかし、実際にはマコトやステファンとはまったくの別人。 「新人類」カブトムシ男としてマコトと戦う。

ピースラブ

秘密結社「LOVE&PEACE」の創設メンバーの一人。首領として「LOVE&PEACE」を統率する男性。少年時代に人間の遺伝子ゲノムの解析に成功したほどの超天才であり、その頭脳により、人間という存在が地球の意志のバランスを崩す可能性があると突き止めた。新たな人類の社会を築くためのラストマンとするため、ピースラブ自身の姿を模してマコトを作り上げた。

集団・組織

LOVE&PEACE (らぶあんどぴーす)

世界征服を企む愛の秘密結社。南極大陸にある「LOVE&PEACE LAND」を本拠地とし、世界各国に支社を持つ国際規模の組織。表向きは世界平和を実現するために活動しているが、実態は現在の人間の社会を終わらせ、「新人類」による新たな秩序と社会を形成する事を目的としている。日本では東京都内に本社ビルがあり、内部には多くの構成員を抱えると共に、「母なる海」で満たされたプールが存在している。

場所

麻布ヶ丘中学校 (あざぶがおかちゅうがっこう)

東京都港区にある公立中学校。大森愛や宮本律子達が通う中学校であり、のちにマコトも愛を追いかける形で入学した。マコトがこの学校に入学したため、アレックス・パパリオスなど、秘密結社「LOVE&PEACE」の「新人類」が送り込まれてきた。よくマコトと「新人類」との戦場となるため、校舎が破壊されてしまう事も多い。

LOVE&PEACE LAND (らぶあんどぴーすらんど)

秘密結社「LOVE&PEACE」の本拠地。どの国家にも属さず、どの国家の領土でもないため、国家間の紛争などとは無縁の地とされている。南極大陸の地底にある広大な世界を発見したピースラブが、その地で地球の意志の研究をスタートしたため「LOVE&PEACE」の本拠地となった。

その他キーワード

ラストマン

現在の人間の社会を終わらせ、地球で最後の存在になるという意味を込めた計画。秘密結社「LOVE&PEACE」が提唱しているものだが、同時に、覚醒したマコトの姿でもある。「LOVE&PEACE」の首領、ピースラブは、仲間であるステファン・ルーブルや逆田翔史雄と共に、人間という存在が地球の意志に反するものであると気づき、この計画をスタートさせた。

新人類 (ねおさぴえんす)

秘密結社「LOVE&PEACE」が作り出した新たな人類。「母なる海」の液体を浴びた人間が、自身の欲望に忠実な姿へと変身したもの。人間の社会を終わらせるために暗躍する。主に動物や昆虫の能力を持った姿になる者が多いが、中には人間の姿のままで潜在能力を引き出すケースもある。

母なる海 (ははなるうみ)

秘密結社「LOVE&PEACE」の本社ビル内にあるプールのような装置に満たされている液体。この液体を浴びた者は、自分の想像した姿の通りに肉体を作り変えられる。この「母なる海」によって「新人類」が誕生した。本社ビルが爆破して街中に「母なる海」の液体が散乱し、さらに雨となって広範囲に降り注いだので、多くの人間が「新人類」となった。

書誌情報

ラストマン 全12巻 〈ヤングマガジンコミックス〉 完結

第1巻

(1998年9月発行、 978-4063367591)

第2巻

(1998年12月発行、 978-4063367737)

第3巻

(1999年3月発行、 978-4063367898)

第4巻

(1999年6月発行、 978-4063368079)

第5巻

(1999年9月発行、 978-4063368277)

第6巻

(1999年12月発行、 978-4063368413)

第7巻

(2000年3月発行、 978-4063368550)

第8巻

(2000年6月発行、 978-4063368741)

第9巻

(2000年9月発行、 978-4063368932)

第10巻

(2000年12月発行、 978-4063369144)

第11巻

(2001年3月発行、 978-4063369311)

第12巻

(2001年4月発行、 978-4063369403)

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