概要・あらすじ
文化祭を明日に控えた森野中学校。文化祭実行委員長であり、クラス長の真嶋めい(まじめ)は、文化祭を成功させるため、気合を入れて準備に勤しんでいた。まじめは文化祭を大成功させた後、クラスメイトの遊佐に告白しようと心に決めていたのだ。森野中学には、「文化祭のラストの花火を見ながら告白すると100%叶う」というジンクスがあった。
しかし、文化祭が始まる前にとんでもないことが起こってしまう。突然、爆発が起こり、その煙を吸った生徒たちは、皆、発情状態になり、お互いに抱擁し、誰彼かまわずキスを始めてしまう。彼らにキスされると、された者も発情状態となり、誰彼かまわずキスをする者が増えていく。まじめと遊佐は襲い来る彼らを避け、逃げ込んだ教室で、科学部部長の葉加瀬と出会う。
実は彼こそ、人間の本能をあばきだす「ラブゾンビウイルス」の生みの親であった。3人は協力して、ラブゾンビウイルスの解毒剤を作ることを決意する。解毒剤を作るためには、4階の科学部部室にたどり着かねばならない。3人は隠れていた教室を飛び出し、4階の科学部部室を目指すが、あっという間にラブゾンビに取り囲まれてしまう。
そんな状況の中、まじめは、解毒剤でラビゾンビを治し、文化祭を成功させた上で遊佐に告白するため、果敢にラブゾンビに立ち向かっていく。
登場人物・キャラクター
真嶋 めい (ましま めい)
森野中学3年1組の女子。文化祭実行委員長兼クラス長。あだ名は「まじめ」。あだ名の通り、何事にも「まじめ」に全力で取り組む女の子。同級生の遊佐を密かに好いているが、強がりな性格ゆえに素直になれない。森野中学には「文化祭のラストの花火を見ながら告白すると100%叶う」というジンクスがある。まじめはそのジンクスを信じて、文化祭を大成功させた後、花火を見ながら告白しようと考えていた。 しかし、葉加瀬の作ったラブゾンビウイルスによって、生徒たちがラブゾンビ化し、その予定は崩れつつある。
遊佐 (ゆさ)
森野中学3年1組の男子。真嶋めい(まじめ)のクラスメイト。何かとテキトーだが、時々妙に鋭いところを見せる。物事にあまり動じることがなく、事態を冷静に見極める洞察力を持つ。そんな彼のことをまじめは好いており、文化祭が成功した後に、花火を見ながら告白しようと考えていた。ラブゾンビが校内に大量に発生した後も冷静にふるまい、何かとまじめのことを気にかけ、フォローした。
葉加瀬 (はかせ)
森野中学3年4組の男子。真嶋めい(まじめ)のクラスメイトで、科学部部長。華奢な体格で眼鏡をかけている。ラブゾンビウイルスを作り出した張本人である。体力がなく、すぐに疲れて座り込む虚弱な体質。校長の息子であり、森野中学の秘密設備に精通している。
野呂 (のろ)
森野中学2年生の女子。真嶋めい(まじめ)の後輩で、保健委員。ラブゾンビウイルスの解毒剤を作るため4階の科学部部室を目指して移動していたまじめたちと合流した。この時、彼女は、文化祭に備えてナースの衣装を身にまとっていた。空手部の1年生・剛力は、彼女のことを「のろ子先パイ」と呼んで慕っている。ドジっ子なところがあり、物につまずいてよく転ぶ。 ほんわかした雰囲気の、誰にでも愛想のよい女の子である。
剛力 (ごうりき)
森野中学1年生の男子。真嶋めい(まじめ)の後輩で、空手部に所属し、小柄だが体力抜群。ラブゾンビに追われた際には、野呂と葉加瀬のふたりを両脇で抱え込んで疾走した。葉加瀬には「脳筋」と呼ばれたこともある。野呂のことを「のろ子先パイ」と呼んで慕い、「命にかえても先パイ守るんで!!」と宣言している。
その他キーワード
ラブゾンビ
ラブゾンビウイルスに感染した人間のこと。ラブゾンビと化した者は、発情期の動物そのものとなり、本能のおもむくままに行動するようになる。森野中学での感染者は、互いに抱きあって戯れ、ひたすらキスをしまくった。また、ラブゾンビにキスされた者はたちどころに感染して、ラブゾンビになってしまう。
ラブゾンビウイルス
人間の裏側を強制的にあばきだすウイルス。科学部部長・葉加瀬によって生み出された。事故によって森野中学にパンデミックを起こし、大量のラブゾンビを発生させた。