ラブ・バレット

本作の世界では、恋を実らせる前に命を落とした少女たちが、女神の慈悲によってキューピッドとして生まれ変わっている。彼女たちに課せられた使命は、人々の恋を成就させてカルマを積むことで、それによって再び人間として生き返ることができる。なお、彼女たちが手にするのは、一般的なキューピッドのイメージである弓矢ではなく、現代的な銃器や爆弾といった武器。主人公のコハルをはじめとする個性豊かなキューピッドたちは、それぞれの過去と向き合いながら、恋を成就させるためにハイスピードなガンアクションを繰り広げる。

事故で命を落とした桜田心陽は、愛の女神によって新人キューピッド「コハル」として生まれ変わった。背中には真っ白な翼が生え、手には拳銃を携えている。こうしてコハルは、先輩キューピッドのカンナ、エナ、チヨと共に、人々の心を射抜き、恋を成就させるという地道な任務に取り組むことになる。ある日、ファーストフード店に立ち寄ったコハルたちは、二人の幼なじみに思いを寄せられ、三角関係の渦中にいる少女を見つける。人間には見えない姿で彼女たちに近づき、三人の恋の事情を探り始めるのだった。

平凡な高校生の心陽は、友人たちの恋愛相談に的確なアドバイスを送り、多くの恋を成就させてきたことから、いつしか「恋のキューピッド」として頼りにされる存在となっていた。しかし、人の恋には敏感な心陽自身は、まだ本当の恋を知らずにいた。そんな心陽の親友である珠城秋は、次々と寄せられる恋愛相談のせいで、心陽と二人で過ごす時間が減っていることに不満を募らせていた。ある日の下校中、秋の不満を察した心陽に対し、秋は友情以上の思いを抱いていたことを告白する。突然の告白に戸惑う心陽だったが、その直後、頭上から鉄骨が落下。咄嗟（とっさ）に秋をかばった心陽は重傷を負い、告白の返事を伝えることも叶わぬまま、秋の目の前で命を落としてしまう。