あらすじ
第1巻
20XX年、突如南極点に、接近物を分子レベルで崩壊させるプラズマ雲で外縁部が形成された空間、シュバルツバースが出現。シュバルツバースは周辺の観測基地や調査隊員を飲み込みながら拡大していき、このまま拡大し続ければ遠くない未来に人類は滅亡すると予測された。人類はさまざまな調査や試みを行ったが、事態の打開には至らず、最後の策としてプラズマ雲内でも飛行可能な次世代揚陸艦4艦による、有人のシュバルツバース内部の調査が決行される。4艦はまとまってシュバルツバースに突入するが、途中で謎の攻撃によりジンが搭乗したギガンティック号は他艦と交信不能となり、シュバルツバースで孤立無援の遭難状態となってしまう。ギガンティック号の動力が復旧するまでシュバルツバースの調査を命じられたジンは、調査中に異形の生物・悪魔に襲撃されるのだった。
第2巻
悪魔襲撃からジンらギガンティック号のメンバーを助けたヴィーヴルは、ギガンティック号が不時着した場所「嘆きの胎」から脱出するためにジン達に協力を要請する。悪魔に多くの仲間を殺されたため、要請を受け入れられないと主張するメンバーもいたが、ギガンティック号の艦長であるゼナの判断でヴィーヴルとの共同作戦を行う事となった。ヴィーヴルの情報から、巨大悪魔、ウェンディゴの体内に嘆きの胎から脱出するのに必要な「カギ」がある事を知ったジン達は、カギの正確な位置を調べるためにウェンディゴを生体スキャンするミッションに挑む。
登場人物・キャラクター
ジン
シュバルツバース調査隊でギガンティック号に搭乗する日本人の男性。機動班第1部隊に所属し、隊長のアーロンが死亡したあとは第1部隊の隊長に任命される。冷静沈着な性格ながらユーモラスな一面もある。ヴィーヴルからの協力要請に対しても、ほかのメンバーが懐疑的な中、自分達が置かれた状況を判断して、いち早く協力的な態度を取る。助けを求めている者に対しては損得関係なく救助する事を信念とし、それは悪魔相手でも変わらない。ウェンディゴを生体スキャンするミッションの最中、アクシデントにより崖から落下して一人はぐれてしまう。
アーロン
シュバルツバース調査隊でギガンティック号に搭乗する経験豊富な軍人の男性。機動班第1部隊に所属し、隊長を務める。不時着したシュバルツバースの調査中に、悪魔、グルルに襲われて死亡する。
アッシュ
シュバルツバース調査隊でギガンティック号に搭乗するアメリカ人の男性。機動班第1部隊に所属し、明るくよくしゃべるため、部隊のムードーメーカー的な存在。悪魔に多くの仲間を殺されたため、協力要請して来たヴィーヴルの事も全面的には信用しなかったり、崖下に落下して生存が絶望視されたジンの探索をゼナに直訴するなど、仲間に対する思いが非常に強い。
ダリア
シュバルツバース調査隊でギガンティック号に搭乗する女性。機動班第1部隊に所属し、部隊では唯一の女性隊員でもある。勝気な性格をしており、「これだから男どもは」が口癖。ギガンティック号を襲撃した悪魔、レギオンの攻撃で意識不明の重体となってしまう。
デビッド
シュバルツバース調査隊でギガンティック号に搭乗する男性。機動班第1部隊に所属している。寡黙で淡々と任務をこなす一方で、鳥型の悪魔と戦いながら「夕食はチキン」とジョークを飛ばして鼓舞するなど、仲間思いの一面もある。
オルハン
シュバルツバース調査隊でギガンティック号に搭乗する男性。機動班第2部隊に所属していたが、シュバルツバース調査時に悪魔、ヌエの攻撃で自分以外の第2部隊メンバーが全員死亡したため、第1部隊に編入する。好戦的な性格をしており、悪魔に多くの仲間を殺されたため、協力要請して来たヴィーヴルの事も全面的には信用していない。
ゼナ
シュバルツバース調査隊でギガンティック号に搭乗する女性。決断力に優れており、ギガンティック号の艦長を務める。艦が危険な時は自ら前線に立つ事もあり、悪魔に襲撃された時も、ギガンティック号の中枢を守るために部下を鼓舞して立ち向かったものの、謎の悪魔によって重体となってしまう。その後、予想を大きく上回る早さで回復し、現状を考慮してヴィーヴルの協力要請を受け入れる。回復後は秘かにヴィーヴルと親しく会話するなど謎の行動をする事が多くなる。
アイザック
シュバルツバース調査隊のギガンティック号に搭載された人工知能。疑似人格プログラムにより会話が可能で、さまざまな情報を分析して、メンバーに「ミッション」という形で作戦を提案する指令コマンドの役目を担う。
ブライアン
シュバルツバース調査隊でギガンティック号に搭乗する男性。機動班第3部隊に所属し、隊長を務める。腕は確かだが、喧嘩っ早く野獣のような人物で、悪魔に対して容赦がない。
ヴィーヴル
雷を自在にあやつる悪魔。シュバルツバース内の「嘆きの胎」というエリアから脱出したいために、偶然現れたシュバルツバース調査隊のギガンティック号に協力要請をする。ギガンティック号の危機を救った事、ジンが話を聞いてくれた事でひとまず共闘し、ゼナの決断により正式に協力を得られる。ほかの人間とは違うなにかを感じるジンに興味を持つ。
ウェンディゴ
シュバルツバース内の「嘆きの胎」というエリアで圧倒的な存在感を見せる悪魔。通常の悪魔の10倍以上の大きさを誇り、多くの悪魔を捕食している。エリア間を行き来できる能力を持つ大悪魔さえも捕食した事があるため、体内には嘆きの胎から脱出するための「カギ」を持つ。
集団・組織
シュバルツバース調査隊
シュバルツバースに突入して調査するために、世界各国集められた多国籍の精鋭集団。「レッドスプライト号」「ブルージェット号」「エルブス号」「ギガンティック号」の4艦の次世代揚陸艦を母艦にして活動している。各艦には疑似人格プログラムの人工知能が搭載されて、メンバーは「作戦班」「機動班」「通信班」「インフラ班」「動力班」「資材班」「観測班」「医療班」のいずれかに所属する。武力支援の役割が大きいギガンティック号のみ「特殊工作班」がある。
場所
シュバルツバース
20XX年に突如南極点に出現した空間。「シュバルツバース」という名称は、ドイツのハンマーシュミット博士が提唱した理論から取られている。外縁部は、接近物を分子レベルで崩壊させるプラズマ雲で形成されており、出現当初は直径1メートルほどだったが、周囲の観測基地や調査員を飲み込みながら拡大していき、今では大規模な空間となっている。拡大範囲は広がり続けており、このままではシュバルツバースによって人類は滅亡させられるとされている。
その他キーワード
デモニカ
アメリカが開発した地上最強を謳われる着脱拡張型・次期能力統合兵器。正式名称は「DEMOuntable Next Integrated Capability Armor」。人類の生存が困難な極限環境にも耐えうる事から、シュバルツバースの調査に採用されている。
クレジット
- 原作
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アトラス
- 監修
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石田 栄司(アトラス)