ランド

江戸時代末期から大正時代ごろの日本を思わせる、山間にある農村に住まう少女・杏が、禁忌とされる「山の向こう」や、人間を常に見張っているという、四方を囲む神に隠された真実を探ろうとするSFファンタジー作品。2021年、第25回手塚治虫文化賞にて「マンガ大賞」を受賞。

正式名称
ランド
ふりがな
らんど
作者
ジャンル
ファンタジー
レーベル
モーニングKC(講談社)
巻数
既刊5巻
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概要・あらすじ

江戸時代末期から大正時代ごろの日本を思わせる世界観。四方を山と巨大な4体の神々に囲まれた農村に暮らす少女・は、村の掟で禁忌とされる「山の向こう」に想いを馳せる少女だった。彼女はひょんなことから「山の向こう」に行ける人間がいることを知り、その人間を追うことで、村やこの世界に潜む秘密を垣間見てしまう。

登場人物・キャラクター

(あん)

四方を四ツ神様と呼ばれる巨大な神に囲まれた山間の村で育つ少女。捨吉とルツの間に、双子の姉妹として、アンと共に生まれるが、アンが赤ん坊のうちに捨てられたため、そのことを知らずに育つ。出産の際に亡くなった母親のルツに似ている。好奇心旺盛でおてんばなところがあり、平太など、村の少年とチャンバラなどをして遊ぶこともある。 村の掟や環境に対し、純粋な疑問を口にするため、時に変わり者に見られる。鳥が持っていた袋を手に入れたことから、山の向こうの世界に興味を持つようになる。

アン

捨吉とルツの間に生まれた娘。杏の双子の姉妹だが、獣腹(多胎で複数の子供を同時に出産すること)は不吉の予兆であり、凶相を持つ者であるとして、村のしきたりに従い、赤ん坊のうちに捨吉によって山に捨てられたため、姉妹の存在をしらない。捨てられてのちは銀次に拾われ、フキの手によって育てられるが、己の出自もあり、人間を強く憎んでいるため、口を聞こうとせず、暴力を厭わない娘として成長する。 現在は銀次や他の捨てられた子供たちと共に、山深くにある洞穴を住居として、山賊まがいの暮らしをている。父にある捨吉に似ている。

捨吉 (すてきち)

杏とアンの父。村のしきたりにしたがい、凶相、あるいは獣腹(多胎で複数の子供を同時に出産すること)で生まれた子供を山に捨てに行く役目を背負わされているが、アンを捨てたことを悔やみ、両目を潰したため盲目となった。その分、人の気配には敏感で、剣を使い戦うこともできる。先述の役目のほか、「知命」で亡くなる人を看取る、鍼灸や整体を行う、名主の屋敷の警備などの役目も持つ。 杏はのびのびと育てたいと考えている。

真理 (まり)

捨吉の妹、杏のおば。捨吉や杏と共に暮らしており、杏にとって母代わりとも言える女性。村の掟からすれば時に非常識な行動をとる杏をたしなめることも少なくない。時に厳しい物言いをするため、きつい性格に見えるが、それは杏や兄である捨吉がに対して愛情を持っているからである。

平太 (へいた)

杏と同じ村で生まれた幼馴染の少年。杏とはチャンバラで遊ぶこともある。父が「知命」で亡くなったのだが、その儀式の途中で起こったことから、この世界の政治体系や身分差を強く実感し、役人になりたいと願うようになる。

和音 (かずね)

先代の名主・あやめの息子。彼女が生んだわけではなく、もらわれてきた子供。美しい容姿と金色の髪を持つが、この世界の掟では本来異形とされ、山に捧げられる(生贄とされる)はずが、あやめの寵愛を受け、育つ。平太の父の葬列とあやめの葬列がかち合った際おこった事件で、杏と知り合い、深く関わることになる。 銀次とは顔見知り。三味線を弾くことができる。

蓮華 (れんげ)

あやめが死んだ後、名主となった若い女性。あやめの長女。通常、人前に出る際には口元を布で隠している。捨吉のことを高く評価しており、執着を見せる。和音の存在には危機感を持っており、あやめの死を機に亡き者にしたいと考えている。

銀次 (ぎんじ)

本来は立ち入りを禁忌とされる山中で暮らしている男性。山に捨てられたアンが、鳥にさらわれ、落ちてきたところを助け、育てる。同様に、山に捨てられた子供を育てている。言葉遣いは悪く、子供には弱肉強食を叩き込み、強く育てている。和音とは顔見知り。

フキ

誰が父かわからない子供を産み、天主に捧げられた(山に捨てられた)自分の子供を探して山に分け入り、道に迷ったところを銀次に助けられ、共に暮らすようになる。銀次の拾ってきた子供に乳を与える役割を与えられているため、アンの育ての母となる。おおらかで優しい性格だが、知的障害を持つように見られ、吃音があり、感情を抑えることができない。 アンが唯一心を開いた人物。

あやめ

名主と呼ばれる、杏が住む世界では最も高い地位につく人物。蓮華の母であり、和音を息子として保護した。また、屋敷の警護や鍼灸・整体などで捨吉が仕えた人物でもある。故人となり、後を蓮華が継いでいる。

銀次に拾われた子供たち (ぎんじにひろわれたこどもたち)

アンのほか、片目にアイパッチをする子供、発火能力を持つ子供、テレパシーや遠見などの超能力を持つ盲目の子供などがいる。生きるために戦えという銀次の教えにより、子供ではあるが自立しており、山賊や狩りなどをして生活している。銀次を通じて知り合い、和音とは仲が良い。

杏の生まれた村 (あんのうまれたむら)

四方を山と四ツ神と呼ばれる神々に囲まれた農村。江戸後期〜大正時代の日本を思わせる光景で、衣服は簡素な和装、住居は板張り、田植えなどの農作業はすべて手作業で行われている。夜間外に出てはいけない、山を越えようとしてはいけない、狂相の子供は捨て、生贄にしなければなど、様々な掟に縛られている。大辻と呼ばれる場所を左へ進むと、政治や商業を行う町がある。 名主を筆頭に政治に関わる者が上位となる階級社会。また、政治に関わる者は獣の面をつけている、「知命」と呼ばれる、50歳になると必ず訪れる死やその儀式など、なぞが多い。

四ツ神様 (よつがみさま)

『ランド』に登場する神。杏たちが暮らす世界の東西南北に配置された巨大な神。東はフードのついたマントを着た人型、西は龍神、南は裸の上半身に腰巻をつけた豊かな体の女性、北は杖をつき、羽根の抜けた翼を持つ老人のような姿をしている。東西南北の四ツ神様は常にこの世界の住民を見ていると教えられ、掟を破り、夜間に外出した場合、山を越えようとした場合などは殺される場合もある。 また、過去、人間は不老不死を求めたことから四ツ神の怒りを買ったことがあるといわれている。その際、北の神様は杖の一突きで凍てつく風が吹き荒れ、南の神様は雲を払いのけて日照りにし、西の神様は人を食い、東の神様が起こした洪水に人間の半分が飲み込まれたと伝えられている。

その他キーワード

知命 (ちめい)

『ランド』の設定。『ランド』に登場する世界では、50歳になると人は必ず死ぬ。この50になる日のことを知命と呼ぶ。知命まで生きるものは多くなく、知命を迎えることはめでたいとされ、知命様と尊称付きで呼ばれる。また、その葬儀は特殊で、巨大なお面をかぶった者が棺を担ぎ、葬列を組んで北の神様の元まで行き、その麓に埋葬される。 また、知命を迎えた者は神となるとも言われる。

書誌情報

ランド 既刊5巻 講談社〈モーニングKC〉 連載中

第1巻

(2015年4月23日発行、 978-4063884029)

第2巻

(2015年11月20日発行、 978-4063884593)

第3巻

(2016年7月22日発行、 978-4063886245)

第4巻

(2017年1月23日発行、 978-4063886993)

第6巻

(2018年3月23日発行、 978-4065110935)

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