概要・あらすじ
小学校の同級生で還暦を迎えた元教師の坂本時世と、元芸者の菅ミハルは、同窓会で再会したことをきっかけに共同生活を始める。そこに、やはり同級生だった潮田待子が長年連れ添った夫に愛想を尽かして転がり込んできた。熟年女性トリオの共同生活の中で起こる友情とささやかな対立、そして彼女たちの家族、知人などの周辺の人々が遭遇する平凡だが、それだけに深い問題を浮き彫りにしていく。
登場人物・キャラクター
坂本 時世 (さかもと ときよ)
『ルームメイツ』に登場する3人の主人公の1人。元小学校教諭。独身。同窓会で再会した、やはり独身の菅ミハルと資金を出し合って、新興住宅地けやき台のマンションを購入。共同生活を始める。近所の塾で子供たちを教えているが、教師時代の同僚で、結婚まで考えた安藤と再会。恋愛感情が再燃し、同棲することなる。
菅 ミハル (すが みはる)
『ルームメイツ』に登場する3人の主人公の1人。元芸者の小桃。長らく二号をやっていた榊原が死去し、時世とマンションを共同購入して同居することになる。芸事が好きで、現在でも長唄の師匠を続けている。
潮田 待子 (うしおだ まちこ)
『ルームメイツ』に登場する3人の主人公の1人。時世、ミハルとは違い、結婚し、子供も二人産み、平凡な主婦を続けていた。しかし、定年退職した夫に我慢ができなくなり、家出して時世たちのマンションに転がり込み、同居することに。やがて介護の仕事を始め、自立の道を歩む。森川は旧姓。なお、ルビなしのため「潮田」(うしおだ)の読みは仮。
潮田 (うしおだ)
名前は不明。待子の夫。昭和のサラリーマン親父の典型的タイプで仕事第一、家庭は妻まかせ。仕事を頑張ることが家族のためになるという考え方。自分と妻との間の溝が広がっていることも知らず、定年後、突然の離婚話に衝撃を受ける。しかし、徐々に妻の気持ちを理解し、ゆっくりと自立する方向へ向かう。
潮田 聡 (うしおだ さとし)
潮田夫妻の長男。美千代の兄。妻の淳子との間に一人息子の慎太郎がいる。離婚を言い始めた母親の気持ちが理解出来ず、父親に同情する。父ほどではないが、仕事第一で家庭は妻が守るという意識が残っている。しかし、彼も徐々にではあるが、母親や妻の気持ちがわかり始める。
潮田 美千代 (うしおだ みちよ)
潮田夫妻の長女。聡の妹。岩崎康と結婚しているが、旧姓を使っている。子供を作らず、互いに経済的にも自立し、仕事を犠牲にせずに新しい夫婦の形を作っていこうとしているが、そう簡単には運ばない。
潮田 淳子 (うしおだ じゅんこ)
聡の妻。4人目の主人公とも言えそうな人物。結婚前は仕入れ担当の社員で評価も高かった。それを見込んだ旧友の加也子から輸入雑貨店の仕事のオファーを受けるが、二人目の子供を懐妊し、社会復帰は先延ばしになる。義父と同居し、義父母のトラブルを反面教師として、夫をコントロールする。
潮田 慎太郎 (うしおだ しんたろう)
聡、淳子の一人息子。
榊原 (さかきばら)
名前は不明。ミハルを二号として囲っていた金持ちの旦那。故人。
榊原夫人 (さかきばらふじん)
名前は不明。榊原の正妻。墓参りでミハルと出会う。
榊原 冴子 (さかきばら さえこ)
ミハルの「旦那」である榊原の正妻、榊原夫人の娘。ミハルを面罵するために会いに来るが、実は自分も不倫中で悩んでいた。
安藤 (あんどう)
名前は不明。時世の元同僚教師。喫茶店ぶどうを経営する息子夫婦と同居中。時世と再会しプロポーズして、同棲を始める。
安藤 和男 (あんどう かずお)
安藤の一人息子。喫茶店ぶどうを経営。子供の頃、父と時世の再婚を邪魔したと思っている。それが負い目になっているが、父の再婚には賛成できない。
安藤 信子 (あんどう のぶこ)
安藤和男の後妻。子連れで結婚したが、和男の子供が産めないことを悩む。
安藤 まりな (あんどう まりな)
安藤の孫娘。和男の妻の連れ子。
内山 佑太 (うちやま ゆうた)
時世が教える塾の生徒。
きよみ
姓は不明。時世が勤める塾の事務員。
松田 (まつだ)
名前は不明。きよみが再会したかつての片想いの彼氏。親の農家を継ぐために地元に戻ってきた。
鈴木 笑子 (すずき えみこ)
ミハルが通う「シルバー世代の健康料理教室」の講師。管理栄養士。杓子定規で肩肘を張っている。ミハルと次第に打ち解け、角が取れていき、長唄の弟子になる。ボーイフレンドの売れない役者の中条と、見合い相手の建築士の宮本との間で心が揺れる。
石井 (いしい)
名前は不明。鈴木笑子の六歳年下の彼氏。農協職員で農家の長男。
中条 (なかじょう)
名前は不明。鈴木笑子と付き合っている売れない役者。笑子に甘えている。
宮本 (みやもと)
名前は不明。鈴木笑子の見合い相手の建築士。
岩崎 康 (いわさき やすし)
美千代の夫。研究職。妻の独立した人格を認める今時の夫だが、完璧ではない。やはり、仕事と家庭の問題で悩む。
加也子 (かやこ)
姓は不明。潮田淳子の学生時代の友人。和食店のオーナーで、輸入雑貨の店を始めるにあたり、淳子に手伝わないかともちかける。
久本 なを (ひさもと なを)
待子が介護している老女。気むずかしいところがあり、名前ではなく「おばあちゃん」と呼ばれるのが不愉快。
山下 勉 (やました つとむ)
ひょんなことからミハルと知り合って、母親のように慕う青年。優秀な家族の仲で劣等感が強く、高校を中退して一人暮らしだった。
中島 (なかじま)
名前は不明。子供会の会長。メガネの老婦人。
藤枝 元次 (ふじえだ もとつぐ)
潮田と一緒に子供会の役員を引き受けた元・帝都ホテルのコック長。
杉山 明 (すぎやま あきら)
潮田淳子の初恋の人。同窓会幹事の打ち合わせで再会する。バツイチで十歳年下の彼女がいる。
遠山 (とおやま)
名前は不明。待子が指導する後輩女性ヘルパー。熟年離婚者で待子と似た立場。財産分与など離婚について助言する。
都築 (つづき)
名前は不明。待子が指導する後輩男性ヘルパー。退職後の社会参加である。待子のボーイフレンドになる。
石上 (いしがみ)
名前は不明。ミハルが長唄教室を始めたコミュニティセンターで出会った短大教授。自分史の講座を担当していて、ミハルを個人指導することに。ミハルは、石上が亡くなった旦那の榊原に似ていることもあって惹かれていく。
書誌情報
ルームメイツ 3巻 小学館〈コミック文庫(青年)〉
第1巻
(1999-04-16発行、 978-4091923615)
第2巻
(1999-04-16発行、 978-4091923622)
第3巻
(1999-04-16発行、 978-4091923639)