ロクショウ!

ロクショウ!

17歳となったばかりの神社の跡取り息子である鹿鳴奏太は、「禍ツ者」と呼ばれる化け物との戦いに巻き込まれてしまう。禍ツ者に対抗するため、祖母より奏太に課せられたのは五人の嫁を探す「鹿鳴の嫁取り」だった。少年と少女が織り成すラブコメ倭製ファンタジー。「月刊少年ガンガン」2018年12月号から連載の作品。

正式名称
ロクショウ!
ふりがな
ろくしょう
作者
ジャンル
アクション
 
和風ファンタジー
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あらすじ

第1巻

神社の跡取り息子である鹿鳴奏太は、誕生日を迎えて17歳となった。神社のしきたりで、数えで18となった跡取りは、御神体を引き継ぐかどうか決めることが義務づけられており、奏太は学校から帰ったら、祖母の鹿鳴美音にその答えを告げなければならない。思い悩み、悶々とした気持ちで一日を過ごす中、奏太は同じく将来に悩みを抱える、学校一の美少女と名高い葛城と話をする機会を得る。しかし二人が交友を育んでいたところに、不審者が現れて二人に襲い掛かる。不審者から逃げるため、奏太は葛城と共に家の神社に逃げ込むが、神社に入った途端、葛城は異形の化け物、禍ツ者としての正体をあらわにする。鹿鳴神社の御神体を狙うため、禍ツ者は葛城を利用して、奏太に近づいたのだった。絶体絶命の危機に陥る奏太だったが、先ほどの不審者に助けられて九死に一生を得る。そして奏太は、真神音梅と名乗った不審者から導かれるままに神社に伝わる鹿鳴唱歌を歌い、葛城を助けることに成功するのだった。しかし、これにより御神体のアメノオハバリに選ばれた奏太は、禍ツ者に注目されることとなってしまう。そのため奏太は祖母に、禍ツ者に対抗できる祀器使いであると同時に奏太の嫁となる、五人の女性を集める「鹿鳴の嫁取り」を課せられる。

登場人物・キャラクター

鹿鳴 奏太 (ろくめい そうた)

鹿鳴神社の跡取り息子の男子高校生。両親は10年前に亡くなり、祖父母に育てられた。BLOSSOM88の歌を聞くのが好き。彼女の歌を歌うのも好きだが、とんでもない音痴であるため、歌うと自分のあまりの歌の下手さに落ち込む。年齢は17歳で、数え年で18歳となったため、実家のしきたりで神社の正式な跡取りになるかどうか問われている。跡を継ぎたいと考えているが、跡取りとしては前例のない男子であり、さらに音痴なためにご神体に捧げる祝詞も歌えず、自分の進路に悩んでいる。そんなある日、アメノオハバリを狙う禍ツ者に襲われ、真神音梅に助けられる。その際、禍ツ者にとらわれたクラスメートの葛城を助けるべく、鹿鳴唱歌を歌おうとするが、巫女でないために歌の持つ力に拒絶されて殺されかけてしまう。しかし音梅が器となることで、鹿鳴唱歌を発動させることに成功。鹿鳴唱歌発動時には、音梅と融合し、髪の長い女神の姿となり、アメノオハバリを振るうことで禍ツ者を払う力を行使できる。神機であるアメノオハバリを継承したことで、それを察知した禍ツ者に対抗すべく、祖母より「鹿鳴の嫁取り」を課せられて東京に向かう。

真神 音梅 (まかみ おとめ)

黒髪のショートカットの少女で、潑剌とした雰囲気の祀器使い。「鹿鳴の嫁取り」に応じて鹿鳴神社にやって来た鹿鳴奏太の嫁で、彼に対して強い好意を持っている。天涯孤独な身の上で、かなりの世間知らず。そのため「見せパン」を見せるパンツだと誤解して奏太に見せびらかしたり、奏太に裸を見られてもまったく動じなかったりと、何かと行動がズレている。持っている祀器は刀の「十拳無銘(とっかむめい)」で、人間に取り憑いた禍ツ者のみを切り裂く力を持ち、また祀器の名を呼べば、離れた場所からでも手元に手繰り寄せることができる。奏太が鹿鳴唱歌を使用した際には、彼の器となって融合し、女神の姿になる。

アメノオハバリ

鹿鳴神社に代々伝わる女神、アメノカクがまとっていたとされる神機。大きな耳と尻尾の生えた小動物のような姿をしている。愛らしい見た目に反して下世話な性格をしており、真神音梅にセクハラまがいの言葉を投げかけたり、音梅をダシにして鹿鳴奏太をよくからかったりする。鹿鳴美音は怖いらしく、彼女の前ではおとなしく猫をかぶり、無邪気な小動物のフリをする。鹿鳴唱歌発動時は、女神と化した奏太と融合して大太刀と衣装へと姿を変える。

猪篠 さつき (いざさ さつき)

鹿鳴神社の東京分祀の管理をしている女性。少し癖毛のある黒い髪を長く伸ばした若い美人で、おっとりとした雰囲気を漂わせている。「鹿鳴の嫁取り」のために東京にやって来た鹿鳴奏太らの保護者役を務め、彼らの東京での世話を見ている。ふだんは社務所で仕事をしており、東京分祀オリジナルの萌えイラスト付きのお守りなどを作ったりしている。

鹿鳴 美音 (ろくめい みおん)

鹿鳴奏太の祖母で、鹿鳴の妻。小柄な老婆だが厳格な性格で、下世話で下品なアメノオハバリも彼女の前では借りてきた猫のようにおとなしくなる。現在の鹿鳴神社を実質的に取り仕切っている宗主だが、寄る年波には勝てず、最近は腰を痛めて難儀している。アメノオハバリが奏太を選んだことで、その身を守るため「鹿鳴の嫁取り」を奏太に課した。神社のしきたりは大切と考えているが、同時に奏太には平凡に暮らしてほしいとも考えており、彼の将来を真剣に心配していた。若かりし頃はかなりの美少女で、50年ほど前に行われた「鹿鳴の入り婿」では五人の花婿候補の中から祖父を選んだ。

鹿鳴 (ろくめい)

鹿鳴奏太の祖父で、鹿鳴美音の夫。年齢は66歳だが、60代には見えないほど若々しい男性。やさしい性格の美形で、奏太は彼のイケメンスマイルが鹿鳴神社の経営を成り立たせていると思っている。奏太からは「おじい」と呼ばれている。年相応の落ち着きがあるが、最近は物忘れが激しく、ちょっとした小物の場所がわからなくなったりしている。入り婿で、50年ほど前に行われた「鹿鳴の入り婿」で美音に選ばれた。

葛城 (かつらぎ)

鹿鳴奏太のクラスメートの女子高校生。学校一と評判の美少女で、スカウトされて芸能事務所に所属している。ずっとあこがれていたアイドルグループの新規メンバーのオーディションに参加したが、音痴なためにプレッシャーに耐えきれず逃げ出してしまった。それが心の中に澱みとなって残っており、禍ツ者に取り憑かれ、奏太に近しい存在であるという立場を利用される。禍ツ者によって体をあやつられ、アメノオハバリを手に入れるため、奏太に近づいて鹿鳴神社に侵入。しかしそこで、真神音梅に取り憑いた禍ツ者の正体を見破られる。正体を現した禍ツ者に取り込まれ、巨大な土偶の姿をした化け物へと姿を変え、魂までも食らわれそうになるが、奏太の鹿鳴唱歌によって救われた。

その他キーワード

禍ツ者 (まがつもの)

人間の心の闇に取り憑き、身も魂も食らい尽くす異形の存在。ふだんは取り憑いた人間を使い、人間の魂を食らったり、己の目的を果たすために暗躍していたりする。ある程度上位の禍ツ者は、「ヤソツチ」と呼ばれる土くれから造り出した低位の禍ツ者を使役する。ヤソツチは雑兵として使うことができるほか、これを定位置に配置することで内部と外部を隔絶し、獲物を逃がさないようにする結界を張ることが可能。ヤソツチも結界も常人には認識することが不可能なため、禍ツ者はこれを使い、人知れず悪事を行っている。上位の禍ツ者はふだんは取り憑いた人間の姿をしているが、本性を現すと、取り憑いた人間の魂を糧に、土くれを血肉として本性の大きな体を実体化することができる。ただし実体化できるのは魂を食らっているあいだだけで、魂を食い終わると本性の実体化を禍ツ者は維持できず、消滅するリスクが存在する。

鹿鳴唱歌 (ろくめいしょうか)

女神であるアメノカクの祝詞(うた)。「禍払う神の祝詞」「女神の祝歌」とも呼ばれ、アメノカクを祀る鹿鳴神社の巫女に先祖代々伝わっている。本来はアメノオハバリに選ばれた巫女のみが歌えるもので、資格がない者が歌おうとすると、歌の持つ力に灼かれて死んでしまう。鹿鳴唱歌には禍ツ者を払い清める力が存在して、女神と代々の巫女は鹿鳴唱歌を歌い、禍ツ者と戦ってきた。禍ツ者にとらわれた葛城を救うため、鹿鳴奏太は鹿鳴唱歌を歌おうとするが、男児であるため歌に拒絶される。その後、アメノオハバリが奏太を選び、真神音梅と融合することで鹿鳴唱歌を発動させる。鹿鳴唱歌発動時、奏太は音梅と融合することで光り輝く女神の姿となり、禍ツ者を打ち払う強大な力を振るうことができる。

BLOSSOM88 (ぶろっさむはちはち)

若者のあいだで人気沸騰中の謎のV・I(バーチャルアイドル)。CGも合成音声も非常に高い技術で作られており、その歌声は肉声と変わらないと評判で、全国的に人気を博している。BLOSSOM88のCGと楽曲の製作者は不明だが、東京の秋葉原に住んでいる噂があり、熱狂的なファンが秋葉原に集っている。また東京の秋葉原ではいくつものBLOSSOM88のグッズが売られており、こちらも人気を博している。

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