ロザリオとバンパイア

ロザリオとバンパイア

ひょんなことから妖怪たちの通う学園に入学してしまった主人公青野月音が、そこで巻き起こるバトルを通して成長していくという長編ファンタジー。人間と妖怪の境界線を超えて、本物の恋と友情を見つけていくというのがテーマになっている。2008年アニメ化、ゲーム化。

正式名称
ロザリオとバンパイア
ふりがな
ろざりおとばんぱいあ
作者
ジャンル
ファンタジー
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あらすじ

第1巻

中学校を卒業したものの、高校受験にことごとく失敗した青野月音は、私立陽海学園という、聞いた事もない高校へと進学する事となった。そして初登校の日、月音は私立陽海学園へと向かうバスの運転手から不穏な事を言われ、不安を抱く。月音がバスを降りたところ、バンパイアの美少女、赤夜萌香が乗る自転車に轢かれるが、萌香も私立陽海学園の新入生である事もあり、二人は意気投合。偶然にも同じクラスになって月音は喜ぶが、萌香からこの学校は妖怪のための学校であり、万が一人間である事が知られると殺されてしまうと告げられる。月音は人間だとばれる前に自主退学を試みるが、終始親しくして来る萌香の存在もあり、なかなか実行に移せない。そんな中、月音と萌香の親密さに嫉妬した男子生徒が凶悪なモンスターと化し、月音に襲いかかる。絶体絶命の月音だったが、月音の力で萌香が首に付けているロザリオが外れ、萌香のもう一つの人格、裏モカが現われる。(エピソード「学園のバンパイア」)

月音と萌香の距離は縮まる一方だが、月音は萌香が自分を食糧と考えているのではないかと疑念を抱く。そんな中、月音にサキュバスの黒乃胡夢が接近。胡夢は己の美貌と巨乳を武器に、私立陽海学園中の男子生徒を思うがままにあやつろうとしていたが、自分を上回る美少女の萌香のせいで計画を達成できずにいた。そこで胡夢は萌香を貶めるため、萌香と一番仲のいい月音をターゲットにし、自身の下僕にするため強引にキスを迫る。胡夢の計画を知った萌香は月音のもとへと向かい、月音を救出すべく胡夢に勝負を挑む。(エピソード「黒い夢のくるむ」)

担任の猫目静から部活動に入るようにいわれた月音は、「萌香の水着姿をみたい」といった下心もあり、一之瀬珠魚が部長を務める水泳部の見学へ行く。しかし萌香は水着姿にはならず、月音は内心がっかりしていた。そんな中、プールに入っていた男子生徒が、まるでミイラのように干上がってしまう事件が発生。それはマーメイドの珠魚達の仕業で、自分達の水着姿と甘い言葉でプールへと誘い込み、男子生徒の精気を吸い取っていたのだ。人間の月音は特にいい匂いがすると、珠魚からターゲットにされ、精気を吸い取られそうになる。月音を助けるべく、実は水が苦手な萌香がプールに飛び込み、懸命に珠魚と戦う。(エピソード「部活に入ろう!」)

猫目から新聞部に誘われて入部した月音、萌香、胡夢の前にテンションの高い新聞部部長の森丘銀影が現われる。銀影は美少女の萌香を自分の彼女にしたいと狙いを定め、萌香と仲のいい月音を排除しようと目論む。そこで銀影は言葉巧みに月音を誘い出し、月音が女子更衣室を覗いていたと騒ぎ出す。女子生徒達は月音に対して、変態だと怒りをあらわにするものの、萌香だけは月音がそんな事をするはずがないと信じない。その姿に苛立ちを覚えた銀影は萌香を呼び出し、本来の姿である人狼(ウェアウルフ)に変身し、力ずくで自分のものにしようと萌香に襲いかかる。(エピソード「先輩とは仲良くね」)

第2巻

11歳ながらも飛び級で私立陽海学園に入学した魔女の仙童紫は、学年トップの成績を収めているものの、いたずらばかりしていて周囲と馴染もうとしていなかった。しかし赤夜萌香にだけは懐き、独り占めしようと青野月音に嫌がらせを開始。酷い目に遭わされた月音は、紫とはかかわらない方がいいと、萌香にアドバイスをするものの、萌香はかわいそうだからと紫を突き放そうとしない。そんな中、紫は魔女に対して差別的な思想を抱いているリザードマンの生徒達に捕まり、魔法のステッキを壊され、暴行を受けそうになる。そこに萌香が現われ、紫を守るべく奮闘する。(エピソード「いたずらな恋?」)

月音の16歳の誕生日が迫る中、萌香から1週間美術モデルをするため、放課後はいっしょに帰れないと告げられる。誕生日を伝えていたつもりの月音はショックを受けるものの、やはりいっしょに過ごしてほしいと言うために萌香へ接近するが、黒乃胡夢に邪魔をされてうまくいかない。そんな中、新聞部では私立陽海学園で最近多発している、女子生徒が行方不明になる事件を取り上げる事となる。一方、やはり誕生日当日に萌香と会いたいと、彼女がいるはずの美術室へと向かった月音は、そこで涙を流す女性の石像を目撃する。これが行方不明者リストにあった女子生徒の一人だと気づいた月夜は、萌香も何らかのトラブルに巻き込まれようとしているのではないかと疑念を抱く。(エピソード「アートなバースディ」)

新聞部では次の新聞の発行に向けて、タイトなスケジュールをこなしていた。月音、萌香、森丘銀影、紫が疲れ切っている中、胡夢だけは用事をすませて来ると部室をあとにする。いつになっても戻ってこない胡夢に対し、新聞部一同は責任感がないと不満を募らせていく。実は胡夢は下着姿の写真を男子生徒に盗撮されており、周囲にばら撒かれたくなければ被写体になれと脅され、体操着を着てモデルをさせられていたのだ。事情を知らない萌香はついに胡夢に対して怒りをあらわにし、二人のあいだに険悪なムードが漂う。そんな中、最終段階になっていた新聞データが何者かに盗まれる事件が発生。新聞部のメンバーが最初からやり直しだと絶望する中、胡夢は再び用事だと言って部室を抜け出し、反感を買う。だがそこで紫は胡夢が隠していた盗撮写真を発見し、胡夢が男子生徒に脅されている事実に気づく。(エピソード「締切を守ろう!」)

登校時間、新聞部のメンバーは自分達の制作した新聞を配布していた。美少女の萌香と胡夢、ロリコン趣味のある男子生徒に大人気の紫もいるため、新聞は順調になくなっていった。しかし、九曜率いる「陽海学園公安委員会」は月音らに対し、検閲していないものを勝手に配るなと言い放ち、新聞はすべて焼いて処理するようにと指示をする。銀影は九曜に立てついても仕方がないとあきらめるが、月音らは納得がいかず、秘密裏に配ろうと計画。しかし、その場面を「陽海学園公安委員会」に監視されており、学園の反逆者は始末をすると、月音達に襲いかかって来る。(エピソード「月に願いを」)

第3巻

新聞部に所属している青野月音赤夜萌香森丘銀影仙童紫黒乃胡夢九曜率いる「陽海学園公安委員会」に何かと目をつけられていた。そんな中、九曜からただの人間である可能性が高いと疑われた月音は、「陽海学園公安委員会」に連行されてしまう。また、萌香らほかの部員達も月音が人間だと知っていたうえで、交流をもっていたのならば処分に値すると脅され、銀影は月音にはもうかかわらない方がいいとあきらめる。しかし萌香、紫、胡夢は月音を奪還するために圧倒的な強さを誇る九曜に戦いを挑む。そんな中、月音は九曜に致命傷を負わされ、瀕死の状態に陥る。そこでロザリオを外して裏モカの姿になった萌香は、月夜の首元に嚙みつく。(エピソード「秘密」「文句はないだろ?」)

九曜に勝利した月音は、一躍「私立陽海学園」の有名人となり、腕に自信のある男子生徒から戦いを挑まれ、逃げ回る日々を過ごしていた。月音には九曜と戦った記憶はまったくないために、なぜ自分が倒した事になっているのか、と不思議に感じていると、銀影から「裏モカが体内に自分の血液を送り、一時的にバンパイア化した」と真実を聞かされる。自分は人間ではない何者かになってしまったのではないか、と不安になる月音の前に、いつもの明るい調子の萌香が現われ、月音は思わず萌香に対して冷たく当たってしまう。そんな中、月音を倒すべく好戦的な巨人のトロールが現われ、突然月音と萌香に襲いかかる。(エピソード「ブラッド」)

新聞部の活動や九曜との戦いによって、最近の月音は勉強が手につかなかった。そこで月音は萌香に勉強を教えてもらおうとするものの、数学教師の籠目季々子の介入により阻止され、月音は籠目から補習授業を受ける事となる。その日から月音の顔からは笑顔が消えて独り言が多くなり、明らかにおかしな状態が続いていた。心配になった萌香が月音と籠目が補習授業をしている教室へと向かうと、籠目は人を洗脳し下僕にする妖術使いの妖怪ラミアだった事実が判明。月音の洗脳を解くべく、萌香は籠目に戦いを挑む。(エピソード「勉強を教えて!」)

第4巻

私立陽海学園は夏休みに入り、猫目静の思いつきによって、赤点を取った森丘銀影以外の新聞部部員、青野月音赤夜萌香仙童紫黒乃胡夢は人間界に取材旅行に行く事となった。バスの運転手により送り届けられたのは、最近人間の失踪事件が多発しているひまわり畑で、月音達は何かあるのではないかと警戒していると、興味本位で訪れた人間達が植物の妖怪に襲われる場面に遭遇。紫の活躍もあって植物の妖怪を倒し、月音達は人間達が集う街に出る。そこで美少女の萌香や胡夢に群がる下心剥き出しの男性、さらに自分の魔女姿を幼女コスプレだと邪念を抱いて接近して来るロリコン達に対し、紫は人間と仲よくなるのは無理だと拒絶。そのまま紫は月音達と別れて行動していると、同じく魔女の橙条瑠妃に出会い、魔女の仲間と暮らさないかと持ちかけられる。その時、紫を探しに来た月音達が到着し、瑠妃は人間の月音と魔女の紫、妖怪の萌香や胡夢が友情を築いている姿を目の当たりにし、人間と魔女は本当に分かり合えない存在なのかと迷いが生じる。そして瑠妃は自分を育ててくれた絶大な力を持つ魔女のお館様が、自分達の住む土地、ひまわり畑を守るため、人間達を襲撃する計画を企てていると打ち明ける。月音達は人間を守るべく、ひまわり畑へと向かう。(エピソード「ひまわり色の夏休み」「人間のまち」「友達になれたら」「魔女の丘」)

第5巻

赤夜萌香裏モカの姿になり、絶大な力を持つ魔女のお館様と戦うが、あっという間に追い詰められてしまう。しかし橙条瑠妃が、自分の命をも削って裏モカに加勢したため、形勢逆転。さらにお館様は周囲から集めた妖の力を体内で抑え込めなくなり、爆発してしまう。そして瑠妃もお館様と運命を共にしようと、あえて爆発に巻き込まれる。(エピソード「回帰」)

私立陽海学園は2学期になり、青野月音らが夏休みに人間界で体験した出来事をまとめた新聞記事も好評だった事もあり、萌香は新聞部で楽しく打ち上げパーティーをしようと提案。しかし、2学期から学級委員に推薦されてしまった月音はパーティーどころではなく、萌香とのあいだにすれ違いが生じる。そんな中、1学期は登校拒否をしていた白雪みぞれが姿を見せ、弱い者の気持ちがわかる月音に猛アプローチを仕掛ける。萌香の存在を邪魔に感じたみぞれは萌香に戦いを挑む。しかしみぞれは完敗し、再び不登校になってしまった。さらにみぞれは不登校になる前日には、男子生徒を氷漬けにする事件を起こしており、もう少しで男子生徒は命を落とすところだった、と体育教師の小壺奥人から報告を受け、月音はみぞれの様子を見に行く事となる。みぞれの部屋で話し合いをしようとしたところ、みぞれは男子生徒を殺そうとしていないと主張し、殺そうとしていたという話を月音が信じていた事にショックを受け、その場から立ち去ってしまう。失意のみぞれの前に現われたのは、今度こそはみぞれを自分のものにしようと目論む小壺だった。(エピソード「新学期」「雪解けの少女」)

九曜を倒したうえ、私立陽海学園内でも有名人の萌香、仙童紫黒乃胡夢と行動を共にしている月音は目立つ存在になっており、素行の悪い妖怪集団「はぐれ妖」からは反感を買っていた。そんな中、月音は萌香の血液を体内に送り込まれた副作用で突然倒れてしまう。運悪くその場面に月音を狙うはぐれ妖が現われ、月音と萌香を襲う。しかし月音は倒れて意識がなく、萌香はロザリオを外して裏モカに変身する事もできず、ピンチに陥る。(エピソード「浸食」)

第6巻

素行の悪い妖怪集団「はぐれ妖」の一員を倒した青野月音赤夜萌香だったが、逆に残りのはぐれ妖達を煽る結果となってしまった。さらに自分の血を注入しすぎたせいで、月音の身体に異変が生じていると知った萌香はショックを受け、自分の罪を悔いていた。気落ちしていた萌香は、はぐれ妖に簡単に捕まってしまい、助けに来た月音もはぐれ妖に敵わず、絶体絶命の状況に陥ってしまう。萌香は何とか裏モカに変身するが、はぐれ妖の強大な力によって萌香も瀕死の状態になり、さらに萌香を守ろうとした月音も重傷を負う。萌香は月音を生かすためにも最後の力を振り絞り、自分の血を月音の体内に送り込む。すると月音は、人間の屍に邪悪な精霊が乗り移った屍鬼(グール)と同じ状態になり、血を求めてはぐれ妖達に襲いかかり、圧倒的な力で勝利。しかし、未だ暴走状態の月音はさらなる標的を求めて周囲に襲いかかる。(エピソード「コンプレックス」「くちづけ」「屍鬼(グール)」)

屍鬼(グール)化した月音は橙条瑠妃の協力もあり、バンパイアの力を封印された状態になり、いつもの月音に戻る事ができた。しかし、肉体的には重傷を負っている月音は入院をするが、萌香は自分のせいで月音の身体を壊してしまったと責任を感じ、合わせる顔がないと見舞いにもいけない。そして今回はなんとか危機を乗り越えられたものの、萌香はこれ以上月音を巻き込む訳にはいかないと、別れを告げる。(エピソード「ナイトメア」)

第7巻

青野月音と離れる決意をした赤夜萌香だが、失意の中に油断が生じ、素行の悪い妖怪集団「はぐれ妖」に属する薬丸麻子によって身体を乗っ取られてしまう。そして月音に襲いかかるが、黒乃胡夢の介入により自身を取り戻す。その後、一旦は月音の前から姿を消すと決意した萌香だったが、月音からはこれからもいっしょにいたいと言われ、とりあえず学校にはいかずに療養をするなど、中途半端な行動を取っていた。苛立ちを覚えた胡夢が、萌香に対して結局はどうしたいのかと話し合いに行くと、そこに再びはぐれ妖の吉井霧亜が現われ、本調子ではない萌香に襲いかかる。(エピソード「傷跡」「素直なきもち」)

はぐれ妖との戦いも落ち着き、平和な日常が戻っていたものの、月音は自分の中に「萌香の血を吸いたい」という強い衝動がある事に気づく。そんな中、月音は巨大な百足の妖怪、百式に突如襲われてしまう。百式から「お前は女を喰らいたい妖怪だ」と言い放たれ、月音は違うと否定しつつも、萌香に対する強い衝動を思い出す。(エピソード「約束するよ」)

月音ら新聞部が発行している新聞が、私立陽海学園に対して反抗的な文章を掲載していると指摘を受け、なぜか月音だけが理事長の御子神典明のもとに連行されてしまう。そこで御子神は月音に対し退学を命じる。その理由は月音の中に潜むバンパイアの力を今は封印できているものの、限界に近いために人間界に帰った方がいいというもので、新聞部の記事は退学のカモフラージュとして使えと言い渡される。月音は萌香らと離れるのが嫌だと抵抗し、事情を知った萌香は、月音といっしょに退学して人間界に行くと宣言する。(エピソード「選択」)

第8巻

私立陽海学園を退学処分になってしまった青野月音だが、理事長の御子神典明から学園に留まりたければ学園祭実行委員に入り、学園祭を成功させろと指令を受ける。学園祭実行委員の中に、学園体制に反発を抱く者達「反学派(アンチテーゼ)」が潜んでおり、その者達をあぶり出すために、御子神は異質な存在の月音を送り込んだのだ。月音は不安を抱きつつも、学園祭実行委員長の金城北都の人柄と思想に惚れこみ、北都の力になるべく働く。しかし、赤夜萌香は北都と吉井霧亜が密会している場面に遭遇し、北都は危険人物で、おそらく反学派のメンバーなのではないかと月音に告げる。だが月音は、萌香や黒乃胡夢が心配する言葉も聞かず、逆に人のいい北都が霧亜に騙されているのではないかと心配をする。しかしやはり北都は反学派のリーダーだと判明し、真実が明るみに出た北都は月音、胡夢、仙童紫白雪みぞれ橙条瑠妃に襲いかかり、月音らは勝利。すぐに霧亜に捕われている萌香を助けにいこうとするが、実は北都はわざと負けた演技をしており、北都は御子神を刺殺。北都と、バンパイアの力を解放した月音との熾烈な戦いが始まる。一方、霧亜に絞殺されそうになった萌香は、初めて自分だけの力で裏モカに変身する。(エピソード「学園の闇」「計画」「素顔」「鍵」)

第9巻

裏モカに変身し、吉井霧亜を倒した赤夜萌香金城北都と戦う青野月音らの応援に入る。しかし北都は転送魔法を使い、萌香と月音を連れて私立陽海学園の心臓部へと入り込む。そこには黒い祭壇があり、北都は、御子神の持っていたロザリオを使うと結界が解除され、人間界に邪悪な気や血の気の多い妖怪達が自由に行き来できる状況になると語る。実は北都も元人間で、私立陽海学園で生き残るために妖怪化し、人間としての人生を歩めなくなってしまった事で学園を恨んでいたのだ。月音と萌香は力を合わせ、北都に立ち向かう。(エピソード「理由」「重なる願い」)

北都が不在ながらも、私立陽海学園では学園祭が開催され、妖怪達で大賑わいになった。月音と萌香は夜に会う約束を交わすが、月音は白雪みぞれの母親と黒乃胡夢の母親から、それぞれ夜に食事をしよう、と半ば強引に約束を取り付けられてしまう。三つの約束が重なって月音がパニックになる一方、誰も家族がこない萌香は孤独を感じていた。そして萌香は一人屋上で佇んでいると、素行の悪い妖怪に突然襲われ、萌香の抵抗も敵わずピンチに陥る。(エピソード「学園祭」)

私立陽海学園に、月音の幼なじみで姉貴分の青野響子がやって来る。人間だとばれたら殺されてしまう事もあり、月音は響子を必死に隠しながら、響子に対してもごく普通の学校だと誤魔化す。その甲斐もあって響子は「いやらしい勉強をする風俗の専門学校」だと最悪の勘違いをしたものの、何とかやり過ごす。そんな中、以前萌香を襲おうとして失敗した妖怪が再び現われ、萌香だけでなく月音らにも襲いかかる。(エピソード「来訪者」)

第10巻

妖怪の姿を目撃した青野響子はすべてCGで、ドッキリ企画か何かに巻き込まれたのだと思い込み、私立陽海学園から立ち去る。その途中、響子は、写したものの真実の姿を暴く「リリスの鏡」を何者かに持たされ、憑りついていた九十九神(つくもがみ)によって、周囲にいた人間の姿をした妖怪達の真実の姿を見せつけられる。怯える響子に対し九十九神は、リリスの鏡を使ったからには命をよこせと響子に迫る。また、リリスの鏡は黒乃胡夢仙童紫白雪みぞれ橙条瑠妃の姿を写し、もとからほぼ人間の容姿をしている彼女達は隠していた本能があらわになり、青野月音に対して色仕掛けで迫る。リリスの鏡のせいで学園中は大パニックになった時、今回の事件の黒幕、石神瞳赤夜萌香の前に現われる。(エピソード「リリスの鏡」「未来のカタチ」)

リリスの鏡のせいで私立陽海学園は壊滅状態になったため休校となり、生徒達はしばらくのあいだ、自宅で生活するように告知された。人間の月音だけは人間界へと戻る事になったが、月音と離れたくない萌香、胡夢、紫、みぞれは各自こっそり跡をつけていた。そして自宅でくつろぐ月音の前に萌香らが次々と現われ、最終的に月音をめぐる大喧嘩が勃発する。(エピソード「再会の約束」)

月音が私立陽海学園に入学して間もない頃、萌香は同じバンパイアの先輩、乾潤也に彼女にならないかと口説かれていた。バンパイアはバンパイアの男女同士で結ばれるのが掟であり、乾は掟を破るつもりかと脅し、拒否する萌香に対して無理矢理迫る。(エピソード「幸せの予感(番外編)」)

登場人物・キャラクター

青野 月音 (あおの つくね)

ありきたりで平凡な人間の少年。ひょんなことから妖怪の通う陽海学園に入学してしまう。人間とバレれれば殺されてしまうという恐ろしい環境に一度は退学を決意するも、学園一の美少女でバンパイアの素顔を持つ赤夜萌香と親しくなり思い留まる。萌香の胸元の十字架(ロザリオ)を外し、最強バンパイアへと変化させることができる唯一の人物である。 成績、容姿ともにかなり普通だが、真面目で優しく、妖怪と人間を区別しない仲間想いな性格のため、萌香をはじめとする学園の美女たちからモテている。正体を疑う公安の九曜から襲われ命を落としかけるが、裏モカに血を注入され蘇生する。それ以降、一時的にバンパイアの能力を使えるようになった。

赤夜 萌香 (あかしや もか)

物語のヒロイン。陽海学園に通うバンパイアの少女。学園一の美少女で、スタイルもモデル並み。サラサラの長髪に大きな瞳が特徴。本来凶悪なバンパイアであるが、もともと争いを好まない優しく穏やかな性格なため、自らロザリオ(十字架)を身に着けその妖力を封印している。主人公青野月音だけがその十字架を外し封印を解くことができ、その際は全く別人の人格を持ったバンパイアに変貌する。 その時の記憶は多少残る。中学までを人間界で孤独に育ってきており、月音に会うまでは人間を嫌っていた。妖怪である自分にコンプレックスを抱いて生きていたが、月音にはじめて存在を受け入れられ、恋に落ちる。

裏モカ

赤夜萌香のもうひとつの人格。普段は表の萌香が胸元に下げている十字架(ロザリオ)に封印されているが、主人公青野月音がそれを引きちぎると覚醒することができる。変化後は、銀色の髪に赤い瞳に変わる。妖怪界最強といわれるバンパイア本来の、冷酷で好戦的な性格だが、その中にも優しさをもっている。 はじめは月音に冷たく接していたが、その勇敢さや優しさに触れるうちに存在を認め、心を開いていく。ロザリオを通して表モカと通信でき、危険を知らせたり助言したりする。敵味方関係なく、「身の程を知れ」「バカめ」などの言葉を使う一匹オオカミだったが、次第に月音や胡夢たちにも強い仲間意識を抱くようになっていく。

黒乃 胡夢 (くろの くるむ)

主人公青野月音に恋する夢魔(サキュバス)。自らの美貌と巨乳で学園中の男を魅了し支配する計画だったが、自分を上回る美少女赤夜萌香の存在で策略は失敗。萌香が好意を抱く月音を、その妖力で下僕にしようと試みる。しかし、覚醒した裏モカに惨敗。とどめを刺されようとしたが、月音が身を挺して庇ってくれたことから本気で好きになり、それ以降猛アタックしている。 同じく月音を想萌香や仙童紫、白雪みぞれにはライバル心をむき出しにしているが、かなり情に厚く仲間想い。萌香に並ぶ人気を誇っていながら、本人は恋愛に対して一途で純粋。色気しかないバカだと思われがちだが、他人の本質を見抜くことに優れていたり、戦闘能力もかなり高い。 戦う時は大きな翼や尖った耳が生える。

仙童 紫 (せんどう ゆかり)

主人公青野月音に恋する魔女の少女。若干11歳ながら飛び級で学園に入学してきた天才魔女。学年トップで嫌味な性格、しかもクラスで悪戯ばかり繰り返しているため周囲から嫌われていた。もともと魔女は人間でも妖怪でもない半端ものとして嫌われる種族であり、自身も友達がいないことには慣れていたが、月音や赤夜萌香と出会った事で素直になり、初めて友人を作りたいと思うようになった。 学園でも差別されていたが、自分から心を開くことで次第に周囲と馴染んでいく。魔法のステッキやタロットカードを使いこなす。

森丘 銀影 (もりおか ぎんえい)

主人公青野月音の先輩。月音が所属する新聞部の部長で2年生。長髪にヘアバンドをしており、関西弁を話す。美形だが女好きで赤夜萌香や黒乃胡夢にセクハラまがいの行為ばかり働く。本来の正体はバンパイアに並ぶ強さを持つ人狼で、その素早い動きが特徴。萌香を自分のもにしようと思い、ライバルの月音に覗き魔の容疑をかけるも、裏モカによって倒されてしまう。 普段はやる気のないお調子者の先輩だが、なんだかんだ月音たち後輩を気にかけ、いざという時はかなり頼りになる存在。月音が人間であることがバレ公安九曜に処刑されそうになった時も、学園に背く覚悟でその危機を救っている。

橙条 瑠妃 (とうじょう るび)

主人公・青野月音に恋する魔女。両親が人間の運転する車に跳ねられ亡くなったあと、魔女のお館様に引き取られ育った。両親を殺されたことやお館の教育もあり、いつの世も魔女を差別してきた人間や妖怪に対して強い恨みを持っていた。しかし、人間界に合宿に来ていた月音や赤夜萌香たち新聞部に出会い、人間や妖怪たちと争わずに共存したいという想いが芽生えてくる。 その考えはお館様の逆鱗に触れ一度は殺されかけるが、最後には理解を得る事ができた。後に学園の理事長の下で働くようになり、月音たちの本当の仲間になっていく。黒い翼を刃物のように扱い、変身の魔法を得意とする。

白雪みぞれ (しらゆきみぞれ)

主人公青野月音に恋する雪女の少女。入学当初、好きになった体育教師に強姦されそうになり、防衛のため氷漬けにしたところ逆恨みで停学処分になってしまう。そのまま不登校となってしまったが、担任の猫目静が届ける学校新聞で月音の書いた記事の大ファンになり、登校を決意する。月音に対して独占欲が働き氷漬けにしようとするが、赤夜萌香や黒乃胡夢によって邪魔されてしまう。 、その直後、例の体育教師に殺されそうになっていたところを月音や裏モカに救われ仲間になった。感情を出さないいクールな性格だが、月音の事をストカーのように影から見つめていたりとかなりの変わり者。仲間が揉めていたり誰かが自分を見失っていると、核心をついた言葉で相手の心を動かし、その後の展開に重要な役割を果たすことが多い。

猫目 静 (ねこのめ しずか)

主人公青野月音の担任で新聞部の顧問。本来の姿は化け猫。学園では自分の正体を隠してし生活しなければいけないが、教師である本人がしっぽや耳を隠しきれていない事が多く、生徒からよく指摘されている。かなりマイペースで生徒のことも放任気味。月音たちが所属する新聞部の顧問でもあり、夏休みに人間界の合宿に連れていった際は、神隠しの起こる危険な魔女の丘に平気で置き去りにしてしまった。

金城 北都 (かねしろ ほくと)

主人公青野月音の先輩。表向きは学業優秀な好青年で、生徒や教師たちからの信頼も厚い。学園祭実行委員会の会長として反学派や争いを好む者たちの対策も任されている。しかし裏の顔は反学派のボスであり、学園を覆う大結界を破壊し、妖怪と人間の間に大規模な戦を起こそうと策略している。 もとは人間の少年だったが、吉井霧亜から妖怪の血を少しずつ分け与えられ、半妖化した。裕福な家庭に生まれながらも、愛人の子という理由で家族から執拗な虐待を受け続る。家からの逃亡のために偶然知った陽海学園に入学するも、人間である以上そこでも命を狙われ続けることとなり、人生に失望した末とうとう残虐な心を持つ鬼と化してしまった。

九曜 (くよう)

陽海学園「公安委員会」のトップ。学園の風紀を正すとは名ばかりで、武闘派の妖怪たちを集め、暴力にものをいわせて生徒からお金や貢物を集めるヤクザまがいの行為を行っている。主人公青野月音が入学する前、新聞部によってそれらの悪事を批判する記事を書かれてしまい、新聞部に対して執拗な復讐心を抱いている。 新聞部員である主人公青野月音が人間であるという噂をききつけ、「学園に紛れ込んだ人間は殺す」という校則を利用し、それをかくまったという理由で部員ともども処刑しようとする。本来の姿は日本の大妖怪といわれる妖狐で、炎を操る。

御堂 楔 (みどう くさび)

祖先を特定できない混種のはぐれ妖。純種の妖怪を嫌い、とくに最強エリートと呼ばれるバンパイアに対して執拗なライバル心を抱いている。主人公青野月音をバンパイアだと思い殺害を試みるも、失敗に終わる。はぐれ妖で構成される反学派のメンバーだが、組織の計画に邪魔だとされる月音を殺害し損ねた事から、後始末屋である薬丸麻子に殺されかけた。

御子神 典明 (みこがみ てんめい)

謎の退魔師。主人公青野月音が戦いの最中バンパイアとして自分を見失った際、突然現れその能力を封印した。赤夜萌香が胸にしている十字架(ロザリオ)と同様、月音にもバンパイアとしての妖力を封印する「魔封じの鍵」を与える。実は陽海学園の理事長であり、学園を守る大結界を張った三大冥王と呼ばれる大妖怪の一人。 以前から問題になっていた反学派鎮圧のため、月音をおとりにボスの金城北都を罠にはめようとする。

薬丸 麻子 (やくまる まこ)

混種のはぐれ妖怪。反学派のメンバーで、組織の中では後始末屋を担当。注射針のように鋭い指先を持っており、そこから自分の体液を注入することで他人を操れる能力を持つ。御堂楔が殺害できなかった主人公青野月音や赤夜萌香に近づくため、月音が入院中の病院で看護婦になりすまして近づく。 赤夜萌香を操るのに成功するが、月音や裏モカによって倒された。

バスの運転手 (ばすのうんてんしゅ)

妖の世界と人間界を行き来するバスの運転手。主人公青野月音を学園入学の日から見守っており、この世界まで運んできた自分にも責任があると主張する。月音たちの前に現れては、不吉な事を事前に予言する謎多き人物。素顔と本性はベールに包まれており、いつも口元に怪しげな笑みを浮かべながら葉巻を吸っている。 陽海学園理事長とは古い付き合い。何の妖怪かは謎。

吉井 霧亜 (よしい きりあ)

混種のはぐれ妖怪で構成された反学派のメンバー。ボスである金城北都の右腕的存在でありながら、目的達成よりも自分が楽しむことを重視する変わり者。その気まぐれな性格から、金城からは組織の計画を左右する人物とも言われている。学園を覆う大結界の破壊という計画の実行に当たり、最強バンパイアの素顔を持つ赤夜萌香を拉致した。 かつてまだ人間だった金城の孤高さに興味を抱き、自らの妖怪の血を分け与えた張本人でもある。

石神 瞳 (いしがみ ひとみ)

陽海学園美術教師。女子生徒から人気のさわやかな印象とは裏腹に、本来の姿は蛇の髪を持った恐ろしい妖怪メデューサ。その蛇にかまれた人物は石に変えられてしまう。学園で起きた女生徒連続失踪事件の犯人であり、美しい女生徒を石化してはコレクションにしていた。学園一の美少女である赤夜萌香もそのターゲットになってしまうが、危機一髪のところで主人公青野月音に助けられる。 この事を機に、月音やモカに対して執拗なに復習を繰り返すようになる。

籠目 季々子 (かごめ りりこ)

陽海学園の数学教師。巨乳でフェロモン全開、おまけに教育熱心なことから男子生徒に人気がある。本来の姿は下半身が爬虫類の妖怪ラミア。気に入った男子生徒を個人的に補修に呼んでは、脳を洗脳し下僕にしてしまう。主人公青野月音の事も同じくターゲットにするが、赤夜萌香によって阻止されてしまう。 すぐにその事は学園にバレてしまい、一週間の謹慎処分を受ける事になった。

小壺 奥人 (こつぼ おくと)

私立陽海学園に勤務する男子教師。担当は体育。一見優しく生徒思いの教師だが、実は女子生徒に手を出すなど素行が悪い。私立陽海学園に入学して来た際に孤立していた白雪みぞれに目をつけ、強姦をしようと目論む。この時はみぞれに返り討ちに遭って失敗したが、それからもみぞれに近づく機会をうかがっていた。正体は蛸の妖怪のクラーケン。

乾 潤也 (いぬい じゅんや)

私立陽海学園に通う高校2年生の男子。正体は赤夜萌香と同じくバンパイア。容姿端麗で紳士的な振る舞いで、自身がバンパイアである事を誇りに思っており、プライドも高い。バンパイアは同じバンパイア同士で繁栄する掟があるため、萌香を自分のものにしようと強引に迫るが、裏モカによって倒される。

青野 響子 (あおの きょうこ)

青野月音の年上のいとこの少女。月音とはまるで姉妹のように育ったが、月音が高校に進学した途端に連絡がつかなくなったため非常に心配しており、彼女を訪ねて私立陽海学園にやって来た。正義感が強くまっすぐな性格の持ち主だが、時々天然ボケな一面をのぞかせる。

場所

私立陽海学園 (しりつようかいがくえん)

主人公青野月音が間違って入学してしまった妖怪の高校。人間界とは遮断された大結界の奥底に存在する。妖怪が生き延びていくには人間と共存するしかないという考えをベースに、人間界で生きていく術を学ぶ。学園の掟として、普段から人間の姿に化けて生活しなければいけず、他人に正体を知られてはいけない。

アニメ

ロザリオとバンパイア

妖怪だけが通う学校ということを知らずに陽海学園に合格した人間の青野月音は、存在を知った人間には死んでもらうという学園の掟を知り後悔する。だが美少女バンパイア・赤夜萌香に好意を持ったことで、身分を隠し留... 関連ページ:ロザリオとバンパイア

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