ヴイナス戦記

ヴイナス戦記

人類が植民した金星(ヴイナス)に発足した二大勢力による戦争とその後の世界を描いたSF作品。立場の違う二人の主人公の活躍を中心に未来の人類の姿が描かれている。

正式名称
ヴイナス戦記
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
アクション
レーベル
中公文庫コミック版(中央公論新社)
巻数
全4巻
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概要・あらすじ

21世紀、金星(ヴイナス)は巨大氷塊が激突したことで自然環境が激変、人類の生活可能な惑星となっていた。金星への植民が開始されて半世紀余り、強大な軍事力を誇るイシュタルと肥沃な国土に恵まれたアフロディアの二大自治州は鉱物資源の領有を巡り対立、戦争へと発展する。第一部ヒロ編ではアフロディア軍の戦闘バイク乗りのヒロを主人公とした二大勢力による戦争が描かれ、第二部マティウ編ではイシュタル軍の士官候補生のマティウを主人公とした戦後の世界が描かれる。

登場人物・キャラクター

ヒロキ・セノオ

通称ヒロ。17歳。大人に無目的だと云わるヴイナス(金星)移民の第四世代。モンゴロイドとヨロピアンのハーフ。数ヶ月前、素行不良でアフロディアの首都・イオのハイスクールを除籍処分となっている。バイクボウルチームキラーコマンダーのフルバックとして活躍していたが抜群の腕を持っていたためアフロディア軍の戦闘バイク部隊・特殊要撃隊HOUND隊に誘われる。 まだ見ぬ地球(テラ)に対し強い憧れを持っている。心の中では常に安泰ではなく何か熱いものを欲している。

マティウ・シム・ラドム

イシュタル軍親衛隊予科の若き准尉。兵科も教練も上級でパスした優秀な士官候補生であったが、想いを寄せる年上の女性・ルイザがラドー少佐の傀儡であることを知らずに近付いてしまう。それを快く思わないラドーの罠に陥り、国境警備隊への転属を命じられる。 ラドーの権力奪取の野望に気付き軍を除隊、ラドーと闘うことを決意する。それら全てを掌握するテラ宇宙軍のヘレン・マクルーシ大尉から接触を受ける。

マーゴット・ナカモト

通称マギー。女性。ヒロのガールフレンド。ヒロに好意を寄せ、世話を焼くが一方通行状態が続いている。ヒロが戦争で闘うことを快く思っておらず、常に一緒にいたいと願っている。

マクマード・シムス

アフロディア軍戦闘バイク部隊・特殊要撃隊HOUND総指揮官。技術将校で武装バイクを開発しHOUND隊を創設。ヒロの腕を見込みHOUND隊にスカウトし戦士として鍛え上げる。階級は少佐。HOUND隊による実戦指揮で実績を挙げ、部隊に対する自信と誇りを持つ。 クーデターによって実権を握ったエイラート・アカバ元帥の鶴の一声で2階級特進し大佐となる。

ジェフリー・カーツ

アフロディア軍戦闘バイク部隊・特殊要撃隊HOUND現場指揮官。ヒロの所属する部隊のキャップ。初陣の第1次攻撃でHOUND隊が標的とするイシュタル陸軍主力兵器戦車アドミラルA-1型・通称・タコを2台撃破する。階級は中尉。

ヘレン・マクルーシ

女性。テラ宇宙軍 アフロディア監察官。階級は中尉。アフロディアの国防部よりイシュタルの侵略についての提訴がありヴイナスに赴く。(第一部)地球(テラ)からアフロディア支局にやってきた理想主義者。ヒロと関わりを持つ。 (第二部)イシュタル支局に転属となり、ラドーの企みを暴くためマティウに近づく。

マイケル・ジョブス

通称マイク。アフロディア国軍戦闘バイク部隊・特殊要撃隊HOUNDのメンバー。ヒロの同僚。入営2年目。階級は上等兵。一見、世の中を斜めに見ているようだが物事の見方や指摘は実は的確で正しい。当初、素人のヒロをやや小馬鹿にしていたがヒロの資質を見抜き心の奥で尊敬し始める。

ミランダ・コッカー

ヒロの所属するバイクボウルチーム キラーコマンダーの指揮を執るチームクイーン。女性。バイクボウル のゲームではバイクを操ることはないがバイク乗りとしての腕は半端ではなく、軍にバイク乗りの腕を見込まれてスカウトされたヒロに勝るとも劣らない。 実はヒロに対して微かな恋心を抱いており、ヒロが救ったテラ宇宙軍監察官ヘレン・マクルーシの存在が気になりヘレンが入院する病院に侵入しヘレンを連れ出す。向こうっ気が強く、その心の内は他人には見せないがヘレンにだけは見抜かれている。

ダンクバルト・ラドー

第一部ではイシュタル軍上陸部隊司令部付副官。階級は大尉。頭が切れる将校。第二部ではイシュタル軍参謀部少佐。イシュタル軍のみならずヴイナス全土掌握に野望を燃やす。地球(テラ)代表部の不当な諜報活動がイシュタルへの挑戦だと宣言しイシュタルの民衆の心をコントロールする。 イシュタル執政カール・レーベンドルフの妻グートルーネ・レーベンドルフの愛人となり野望達成の駒に使うが、実は自らが彼女に利用されていることには気付いていない。

スジャック・ギュナン

テラ宇宙軍 代表部付治安4課 アフロディア巡視隊隊長。階級は中尉。ヘレンの同僚。戦後、イシュタル支局へ転属となる。支局代表部の上級幹部によるトップ会談でヘレン中尉の任務が潔癖であるか否かに問われた際は、ヘレンに対する想いが爆発し、思いあまってヘレン中尉を将来の伴侶にすることになっていると言ってしまうが、それが代表部にヘレンの潔白を証明した形になってしまい、結果、ヘレンを救うことになる。 トルコ出身でアッラーを崇拝している。

エイラート・アカバ

ヴイナス移民第一世代。アフロディア軍の創設者であり、退役陸軍大将。また、宗教的結社 メサダの主催者。メサダ原理主義者達の先導でクーデターを起こし、アフロディアの実権を握る。

クラウス・ワルデマル

イシュタル上陸軍総司令官。階級は上級大将。副官であるダンクバルト・ラドー大尉を見下しながらも心から信頼している。72年戦争に勝利し、戦後、次期執政官(コンスル)の座を狙うが、対立する現執政のレーベンドルフの策略で過去の作戦の当否を審査されることになり、その裁判の席で突然死する。

ワット・E・B・シュティフター

ヴイナス開発局(VDB)管理局主任。父親はアフロディア支局長。ヘレン・マクルーシ中尉のアフロディアの病院からの逃亡劇に巻き込まれヘレンと出会う。親の七光りにより現在の立場を確立してはいるものの、元々、先見の明を持ち合わせる人物。闘いに勝つことを優先させ、政体あってこそのヴイナス開発だと主張し見下した態度と発言をするアフロディア軍のカーツ中尉に対し、ヴイナスが今後再び人間の住めない環境に戻りつつあることを知り尽くしている立場として、国も政体もあるものかと訴える。

ルイザ・フェレオラ

イシュタル軍主計局少尉の女性。マティウの想い人。ラドーに利用されているが性的に支配され言いなりとなっている。理性的な感情ではマティウに対し好意を抱きつつあるものの、ラドーから逃れられないでいる。

ルピカ・ラチニア

マティウの幼友達の女性。マティウと再会したことをきっかけに共に行動し事件に関わってゆく。かつてウルク地区の67幼年学校でマティウと2年間同級生だったがマティウが飛び級で上級学校へ進学して以来、エリートのマティウとは全く違う下層の世界で生きてきた。 だが、幼年学校当時からマティウのことが気になって忘れることが出来ていない。

カール・レーベンドルフ

イシュタル執政官(コンスル)。72年、自治州拡大評議会のアフロディア制裁の決議を受け自治州の東南部に戦争状態を宣言し、イシュタル・アフロディア間の戦争は本格的な戦闘に展開してゆく。戦後、戦争の英雄である政敵クラウス・ワルデマル上級大将を罠に陥れ命を奪うが、茶番であったはずのワルデマル追悼の特別演説の席で何者かによって暗殺される。

グートルーネ・レーベンドルフ

愛人 ラドー大佐と結託し、イシュタル執政官である夫カール・レーベンドルフと政敵ワルデマル上級大将を暗殺し、次期執政(コンスル)の座を得る。愛人であり腹心の協力者ラドー少佐すら、ただの手駒に使う冷淡な女性。

Dr.コーリー (どくたー・こーりー)

イシュタル首都郊外の屎尿処理場所長。3年前、超極秘機密研究事業に参加し、対地球戦争に備えた細菌兵器の開発に関わっていたが、口が軽かったために汚水処理場に終身勤務という形で左遷された。細菌学と分子生物学の科学者。だが、科学者魂は押さえつけることが出来ず、この3年間に研究資材をコツコツ整備し、処理場内に大腸菌を使って食物を生産するバイオ研究所を作り上げる。

書誌情報

ヴイナス戦記 全4巻 中央公論新社〈中公文庫コミック版〉 完結

第1巻

(1999年4月発行、 978-4122034105)

第2巻

(1999年4月発行、 978-4122034112)

第3巻

(1999年5月発行、 978-4122034327)

第4巻

(1999年5月発行、 978-4122034334)

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