概要・あらすじ
氷と火山の惑星・火星の巨大火山オリンポスは噴火の兆候を見せていた。その調査にやってきた火山学者の降八木夏子は、ヴァイキング基地の所長に、厚さ数百メートルに及ぶ氷の層の下に数10億年前の凍結した巨大樹を見せられる。大発見を喜ぶ一方で、火星を温暖化させるためオリンポスを人工的に噴火させようというソ連の陰謀があった。
原爆を投下されたオリンポスは大噴火して地軸が狂ってしまう。そして惑星フォボスが落下するという事態に氷が溶け、巨大樹は浮上し急速に開花するのだった。
登場人物・キャラクター
降八木 夏子 (ふりやぎ なつこ)
火山学者。父親もまた火山学者でアイスランドでの学会発表の時に噴火が起きて父親は亡くなる。火星の火山活動の活発化に危惧を感じ、単身ヴァイキング基地に調査にやってくる。基地は男性ばかりで、セミロングのとびきりの美人が来たと騒ぎになる。
オーズ・ビヨルン
火星に駐在するヴァイキング基地の所長。アイスランドの生まれで、髭だらけの風貌の逞しい体型で専門は生物学。その包容力と一途に研究熱心な姿に夏子は魅かれる。
ノブゴロド
火星の北半球に建設したソ連のロキ基地の所長。火山に原爆を投下する計画に加担するが、実はロキ基地の60名の所員を人質にとったソ連の強制的な命令だった。最後には命をかけて抵抗する。
その他キーワード
世界樹 (せかいじゅ)
『世界樹』に登場する、アイスランドを拠点とするヴァイキングの人々が信じていた巨大な木。天を支え地上くまなく根をはりすべての生命の源となる大樹という伝説をもっていて、火星の氷の層の中で発見された巨大樹にこのニックネームがつけられた。北半球の大噴火で氷が溶けて復活し、急激な速度で開花して焼け落ちてしまう。