概要・あらすじ
クローン技術が実用化されている未来。テレビ局のプロデューサー青居邦彦は、クローン人間をハンティングする番組を企画し、クローン製法の秘密を握ると言われるまじない師、鳥に会うためアンデスの奥地へと向かう。だが、戻ってきたとき、彼は自分のクローンたち数十体と一緒だった。生命をもてあそぶ社会で、自らのあやまちをただそうと彼はクローン製造工場へ向かうのだった。
登場人物・キャラクター
青居 邦彦 (あおい くにひこ)
視聴率のためなら手段を選ばない立体テレビのプロデューサー。視聴率アップの切り札として、人間のクローンを狩りの対象にするクローンマンハントを企画する。鳥によって自分のクローンが数十体が作られ、自らが企画したハンティング番組でハンターに追われる。
猿田 (さるた)
ペルーに帰化した日本人。悪性のできもので鼻は肥大化している。クローンでもとの姿の自分の作り、日本に残してきた恋人に引き合わせたいと考えていたが、鳥から与えられた試練で死んでしまう。
鳥 (とり)
鳥と呼ばれるまじない師。空から降りてきた精霊(おそらく火の鳥)とケチュア族の青年との間に生まれた女。生まれながらにクローンを生み出す薬の製法を体得している。テレパシーで心を読む。
ジュネ
青居邦彦のクローンが逃げ込んだ老人ホームで出会った少女。サイボーグ手術でロボット化した祖母と暮らしていたが、祖母が死んで天涯孤独となり、青居邦彦とともに逃走し、北海道の原野で育つ。
院長 (いんちょう)
撃たれたジュネを青居邦彦がかつぎ込んだ病院の院長。青居邦彦がクローンマンハントの獲物だということに気づき撃とうとするが、ハンターでなければ賞金がもらえないとわかって断念した。
所長 (しょちょう)
クローン生物研究所の所長。クローン動物の製造は食糧危機をなくすためであり、人間のクローンを作ることは害あって益なしと青居邦彦の頼みを突っぱねる。
クローンライフ社社長 (くろーんらいふしゃしゃちょう)
クローンマンハントのスポンサー。クローン技術を開発し、アンデスのクローン生物研究所の助けなしに人間のクローンを製造できるようになったことから、大量に青居邦彦のクローンを作り、クローン同士を戦わせる戦争番組を考える。
集団・組織
クローンライフ株式会社
『火の鳥 生命編』に登場する会社。クローン技術で作られるクローン食品のメーカー。青居邦彦が企画したクローン生物をハンティングする番組のスポンサー。
クローン生物研究所
『火の鳥 生命編』に登場する研究所。アンデスの山奥にある研究所。所員は猿田以外すべてインディオ。世界で唯一ほ乳類のクローンを作る技術を持つ。アンデスの奥地に逃げ込んだインカ人が、食うや食わずの生活から生み出したクローン技術がその基盤にになっているが、さらにそのもとになったのは鳥がもたらした薬である。
チャンネル9
『火の鳥 生命編』に登場する放送局。クローンマンハントを放送する。
その他キーワード
クローンマンハント
『火の鳥 生命編』に登場するテレビ番組。鳥に生み出された青居邦彦のクローンを使い、賞金をかけて人間狩りをする番組。賞金とヨーロッパ・アメリカ食べ放題ツアーが賞品となる。後には国産のクローン技術で青居邦彦のクローンを作れるようになった。
サイボーグ手術
『火の鳥 生命編』に登場する医療技術。使えなくなった体の部位をロボットに交換していく。ジュネの祖母は脳髄だけが残り、それ以外は生命維持装置という状態で寝たきりになっている。
関連
火の鳥 (ひのとり)
火の鳥と呼ばれる超生命体が見守る古代から超未来にわたる人類の叙事詩。 関連ページ:火の鳥