概要・あらすじ
とあることから知り合いになったサラリーマンの百地俊太と女子高生の二科てすら。てすらの中身は58歳の論理学者、二科恭哉で、高校生の娘と体が入れ替わってしまったのだという。その話に半信半疑ながらも、彼女の思考実験に付き合い、実証を担当する百地。いくつかの事件を解決した二人には、不思議な友情が芽生えていた。このところ高校生の飛び降り怪死事件が頻発しており、てすらの身を案じる百地。
そんな中、百地にてすらから電話が入る。彼女は何者かに拉致監禁されていると言う。周りは暗くて密室、人の気配はない。監禁された時の記憶はなく、どこにいるのかもわからない。てすらのスマホには電話→1回、ハサミ→〇、鍵→〇という謎のメモが残されていた。てすらの手は縛られているものの、身動きはとれる。
どうやらこれは「脱出ゲーム」で、ひとつ判断を誤れば死が待っていると推測したてすら。てすらの友人、恵めるるの協力もあり、てすらの居場所を特定することができた百地達。彼らはすんでのところでてすらの救出に成功。間に合わなければ、てすらは建設中のビルから落ちてしまうところだった。
彼女を監禁した目的は何だったのか。その日の夜、4件目の女子高生飛び降り事件が起きてしまう。
登場人物・キャラクター
二科 てすら (にしな てすら)
外見は艶のある黒髪の美少女で、清純な雰囲気の女子高生。中身は58歳の論理学者、二科恭哉。学校で事故に遭い、昏睡状態に陥っていた女子高生の娘、てすらの見舞いに行き、病院で体が入れ替わってしまった。代わりに二科恭哉の体は昏睡状態に陥り、娘てすらの意識は彼の体の中にあると考えられる。恭哉は妻と離婚しているため、娘の名字は三森。 娘のてすらの意識が戻ったときに、これまで通りの人生を送れるよう、彼女の体と生活を守っている。外見は女子高生でも中身がおじさんなので、話し方はおじさんくさい。机上論理学者のため、思考実験が好きで、彼の仮説は良く当たる。いつも冷静で、よくヘッドホンでブラームスを聞いている。ヒロタのシュークリームが大好き。
百地 俊太 (ももち しゅんた)
中年のサラリーマン男性。食品会社の営業で、妻は海外赴任中のため一人暮らし。顔は童顔で、黒髪の短髪。電車で痴漢に間違われたことがきっかけで二科てすらと知り合う。二科てすらの中身が二科恭哉だという事を知っている人物。素直な性格で人が良く、周りに振り回されてしまうタイプ。てすらが立てた仮説の実証実験を担当。桃太郎はてすらがつけたあだ名。
恵 めるる (めぐみ めるる)
二科てすらの同級生で友達。ショートカットでかわいい雰囲気の女子高生。娘のてすらの唯一の友人で、てすらが死んだら自分も死ぬと言うほど、てすらの事が好き。一人称はボク。舞浜に住んでいることを夢の国に住んでいると言う。頭の軽い女子高生のように見せているが、勘は鋭い。大人の男性に色目を使うなど謎も多い。
集団・組織
あめや
高校生の秘密のサークル名。スクールカースト上位の者が多く所属している。メンバーの紹介がないと入れず、上納金を納め、秘密を守らないといけない。入ったものは新たに人を紹介する事で、恩恵が受けられる。恩恵はキャンディと呼ばれるもので、集中力が上がって勉強ができ、寝なくても平気でダイエットにもなる、というタブレットのようなもの。 このあめやを追った事で二科てすらが襲われた。主要メンバーは浅田、米良、山本。