概要・あらすじ
百地俊太は平凡なサラリーマン。混雑した満員電車で、か弱そうでな女子高生に痴漢だと腕をつかまれてしまう。もちろん冤罪なのだが、否定しても誰にも信じてもらえない。人生終わったと思ったその時、車内の少し離れたところにいた、仁科てすらという少し風変わりな女子高生が、自分が証言すると言い出した。彼女は痴漢の現場を目撃していないものの、3つの仮説を立て、次の駅に着くまでのたった3分間で事件を解決してしまう。
礼などいらんとその場を足早に立ち去るてすら。数日後、百地はもう一度、てすらに会ってみたいと思いながら、河川敷の芝生に腰を掛けていた。その時、橋から川へ飛び込もうとしているてすらを発見。必死になって止める百地だが、てすらは自殺をしようとしていたわけではなく、机上空論に基づく思考実験をしていたと言う。
さらに彼女は見た目は女子高生だが、中身はアラフィフのおっさんだと言い出す。美少女なのに残念な女子高生に出会ってしまったと思う百地。てすらは百地にさまざまな問題を出し、仮説をたてた思考実験を繰り返す。こうして知り合いとなった二人は、てすらがたてた推測や仮説を百地が実証し、さまざまな謎を解き明かしていく。
登場人物・キャラクター
仁科 てすら (にしな てすら)
清楚な雰囲気を持つ美少女。女子高生で、黒髪で、腰までの長さのストレート。話し方は「~かね」、「なのだよ」といったおじさん言葉を話す。本人曰く、外見は女子高生だが、中身は還暦近いおじさん。考えることが大好きで、思考実験をしている時は目を輝かせ、生き生きとしている。仮説が真実かどうか、本人はそれほど興味はない。しかし高い確率で彼女のたてた仮説は正しい。 ヘッドホンでブラームスなどのクラッシック音楽を聞いている。ヒロタのシュークリームが好物で、足が遅い。
百地 俊太 (ももち しゅんた)
中年のサラリーマンの男性。顔は童顔で短髪。たにやまフーズで営業をしている。妻は海外赴任中のため、一人暮らしをしている。電車で痴漢に間違われたことがきっかけで、仁科てすらと知り合う。桃太郎は仁科てすらがつけたあだ名。素直な性格で、てすらがたてた仮説で困った人がいると思うと行動に移してしまう。てすらと付き合ううちに、仮説をたてて考えることが面白くなってきた。
バスター嬢 (ばすたーじょう)
西和女子に通う女子高生。痴漢バスターで、女性の敵である痴漢が許せず、自分が囮となって痴漢退治をしていた。髪型は軽くウェーブのかかったボブスタイル。儚げでか弱そうに見えるが、勝気で性悪。確信もないまま、百地俊太を痴漢と訴え、警察に突き出そうとした。
樺澤 (かばさわ)
児童相談所の職員。真ん中で分けた髪を後ろでまとめており、スーツを着たアラサー女性。セルフネグレストの父親がいるマンションで、百地俊太と偶然居合わせた。清楚で優しい雰囲気を持っている美人だが、独身。ストーカー被害に遭い、マンションを転々としている。右手の甲に特徴的なホクロがある。