今どきの若いモンは

今どきの若いモンは

吉谷光平の代表作の一つ。大手商社「三ツ橋商事」を舞台に、「今どきの若いモンは」が口癖の石沢一が、部下たちの悩みに向き合う姿を描いたオフィスコメディ。強面ながら情に厚い一の気遣いや懐の広さ、そして彼に触発された部下たちの成長が大きな見どころとなっている。また、今時の若者に見られる過剰な努力や、精神的な重圧などにも焦点が当てられている。Cygames「サイコミ」で2018年4月7日から配信の作品。2022年4月にWOWOWでテレビドラマ化。主人公の一を反町隆史、麦田歩を福原遥が演じている。

正式名称
今どきの若いモンは
ふりがな
いまどきのわかいもんは
作者
ジャンル
サラリーマン
レーベル
REXコミックス(一迅社)
巻数
既刊6巻
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「ったく、今どきの若いモンは」に続く言葉

三ツ橋商事で働く麦田歩は、まじめな性格ながらまだ新人ということもあり、仕事における悩みが尽きない。そんな歩が困っていると、そこに上司の課長・石沢一がいつの間にやら姿を現し、「ったく、今どきの若いモンは」とため息混じりに口にする。当然、自分を否定する言葉が投げかけられると歩は身構えるが、実際はそうではなく、一はその後に「まじめに働きすぎだ」などとねぎらいや慰めの言葉をかけ、麦田にアドバイスを送る。この一連の流れがハイテンポで行われ、現実の「今どきの若いモン」が大きくうなずける、カタルシスあふれる展開が楽しめる。

デキる課長が生み出す好循環

部下の悩みを受け入れ、寄り添い、有形無形の手助けをすることから、石沢一は周囲の人たちから非常に慕われている。しかもそれは彼の部下たちにも波及しており、一の周りの人々は誰もが悩みを抱えつつも、自分より目下の者に対して理解ある姿勢で寄り添う。そんな温かい労働環境の中、彼らの姿に触発されて、新人の麦田歩もビジネスへの心構えを身につけ、社会人として少しずつ成長していく。

次第に姿を現す敵

麦田歩が入社して1年が経ち、新入社員を部下として迎える頃、石沢一らの三ツ橋商事の仕事を、ヨツバ商事に横からさらわれることが増え始める。ヨツバ商事は商売敵である三ツ橋商事を潰そうと画策しており、その陣頭指揮を執っているのは、かつて犯罪まがいのなりふり構わない卑劣な手を使いながらも社内抗争で一に敗れ、結果的に三ツ橋商事を追われた鬼戸誠一郎だった。誠一郎の一に対する復讐心はすさまじく、こうして物語は当初のほのぼのとした人情ストーリーから、三ツ橋商事vsヨツバ商事のビジネスウォーズへと様相を変えていく。

登場人物・キャラクター

石沢 一 (いしざわ はじめ)

三ツ橋商事で課長を務めている男性。年齢は50歳。身長は182センチで、体重は71キロ。誕生日は1月1日で、血液型はB型。「ハイライト」を愛煙している。現在は離婚しており、大学生の一人娘・石沢みどりと二人暮らしをしている。辛い食べ物やコーヒーが好物で、みどりに自作のカレーを振る舞い、その腕前を絶賛されている。一方で、SNSのような若者文化にはついていけないでいる。若い世代の部下たちが無理をしていることを憂いており、たびたび「今どきの若いモンは」の常套句とともに、部下たちのスタイルに合った仕事を行えるように激励やサポートをしている。決断の早さと危機管理能力に優れており、部下たちがミスをしても叱責するのではなく、共に改善するための方法を考えたり、取引先にいっしょに頭を下げに行ったりと、面倒見が非常にいい。また、かつての同僚で、現在は上司となった風間宏からは、過去に危機を救ってくれた恩人として感謝されている。

麦田 歩 (むぎた あゆみ)

三ツ橋商事に務めている女性。年齢は23歳。石沢一の部下にあたる。身長は153センチ、誕生日は6月3日で、血液型はO型。体を動かすこととお酒が大好き。私生活はずぼらなところがあり、化粧や掃除を苦手としている。生真面目かつ負けず嫌いな性格で、同僚を信頼する気持ちが強く、同僚からも愛されている。また、一の愛人とカンちがいした彼の娘・石沢みどりともすぐに意気投合していた。新卒一年目のため、未熟な面は否めないが、日々努力を重ねている。当初は強面の一に苦手意識を抱いていたが、彼の面倒見のよさに触れてからは強く慕うようになる。先輩の舟木瞬から期待されており、それゆえに厳しく指導されている。

書誌情報

今どきの若いモンは 6巻 一迅社〈REXコミックス〉

第1巻

(2020-05-27発行、 978-4758068642)

第6巻

(2022-04-27発行、 978-4758069762)

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