今日のユイコさん

今日のユイコさん

彼氏にベタ惚れだが、生真面目でちょっと融通がきかない女の子と、真面目だけが取り柄の平凡な男の子。そんな2人の高校生の日常をほのぼのと描いたラブ・コメディ。「アフタヌーン」2011年11月号から2015年6月号にかけて掲載された作品。

正式名称
今日のユイコさん
ふりがな
きょうのゆいこさん
作者
ジャンル
ラブコメ
関連商品
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あらすじ

第1巻

高校1年生の黒木ユイコは、同じクラスの多田野トモヤと付き合っていた。ユイコは生まじめで杓子定規な女の子だったが、トモヤにベタ惚れ。彼がお菓子を学校に持って来た事をルール違反だと怒る一方で、教室でお菓子を食べないか見張ると言って、昼休みにずっといっしょにいたり、購買にお茶を買いにいくという名目でトモヤを教室から連れ出したりと、何かと口実をつけては二人きりになろうとする。そして放課後、二人はお茶のペットボトルを捨てに行くという理由で、手をつないでいっしょに帰ったのであった。(エピソード「ペットボトルは分別しなさい!!」)

携帯電話を手に入れたユイコは、トモヤの幼なじみの赤崎明美から恋人との通話が無料になるサービス「恋割」を勧められる。ところが、彼女と付き合っている事をはぐらかすトモヤにショックを受け、ユイコは思わずトモヤとはアドレス交換をしないと言ってしまう。驚くトモヤはユイコとメールや電話をしたいと食い下がるが、意固地になってしまったユイコは引くに引けず断固拒否する。しかし、トモヤは教室内でユイコと恋割したいと堂々宣言。嬉しさと照れから、ついにユイコは折れたのであった。(エピソード「アドレス交換しなさい!!」)

トモヤは幼なじみの青松といっしょに登校しているのだが、よく遅刻していた。トモヤといっしょに学校に行きたいユイコは、遅刻しないよう自分と二人で登校しようと言うが、その際、青松の事を悪く言ってしまい、トモヤに強い口調でたしなめられる。ショックを受けたユイコはその場を立ち去るが、翌日あやまろうと、雨の中を傘もささず、通学路の途中でトモヤを待っていた。ユイコがいる事に気づいた青松は、やはり傘を持って来ていなかったトモヤに自分の傘を渡し、先に行けと言って家に戻る。かくしてトモヤとユイコは相合傘で学校に向かったのであった。(エピソード「遅刻は厳禁よ!!」) 

トモヤとユイコは、翌日の土曜日に映画を観に行く約束をしていた。ところが、担任の森本から土曜日の午後、クラス全員で旧校舎内の机を別の教室に分配するようにといわれてしまう。明美がフォローしてくれるから、サボって映画に行こうとトモヤは提案するが、生まじめなユイコはサボるなんて駄目だと承知しない。どうしてもユイコと映画に行きたいトモヤは放課後、一人で旧校舎の机を運ぶ。そんな彼の姿を見て、ユイコはルールとトモヤのどちらかしか選べないなら、ルールを破るとトモヤに告げる。トモヤはユイコにルールを破らせないため、二人でやれば今日中に終わると言っていっしょに作業をするのであった。(エピソード「映画を観に行くわ!!」)

第2巻

 多田野トモヤ黒木ユイコを放課後デートに誘うが、未提出だった数学の宿題を終わらせるのに手間取り、ようやく片づいた時にはもう夕暮れ時だった。これからどこかに遊びに行く時間はなく、トモヤは仕方なく帰ろうとするが、ずっと待っていたユイコは教室で放課後デートをしようと提案する。夕方の教室にはほかに生徒は誰もおらず、トモヤとユイコは手をつないで、二人だけの時間をゆっくりと過ごしたのであった。(エピソード「放課後デートをするわ!」)

トモヤ達のクラスで調理実習が行われる事になった。トモヤ、赤崎明美青松茶山と同じ班になったユイコは、トモヤの目を意識するあまり、料理の初歩は知っていると少し見得を張ってしまう。料理ができる人は素敵というトモヤの言葉に触発され、ユイコは頑張るが、料理経験がほとんどないため味つけに失敗。青松にショッパイと酷評されてしまう。しかし、ユイコの一生懸命なところを見ていたトモヤは、努力している過程を知っているから、すごくおいしいとほめるのだった。(エピソード「嫁入り修行……なんかじゃないわ!」)

勉強を教えるという名目で、ユイコがトモヤの家にやって来た。自分の部屋でユイコと二人きりになったトモヤは、彼女との関係を次のステップに進めるチャンスと意気込むが、いいところで家族に邪魔をされて、なかなかうまくいかない。結局、恋人らしい事は何もできないまま彼女が帰る時間になり、トモヤは落ち込む。そんなトモヤを見て、自分もスキンシップをしたいと密かに思っていたユイコは、帰り際に思い切って彼の頬にキスをする。(エピソード「つ……ついにトモヤの家へ!」)

学校の行事で動物園に遠足に来たトモヤ達だったが、動物が苦手なユイコは憂鬱そうな顔をしていた。そんなユイコをなんとか楽しませようと、トモヤは触れ合いゾーンの子犬を連れて彼女のもとにいく。おっかなびっくりながらも、ユイコはトモヤに助けられて子犬を抱く事に成功。喜ぶ二人はいい雰囲気になるが、いっしょに来たクラスメイトの明美や青松、引率の黒木姉達にずっと見られていた事に気づき、赤面してしまうのだった。(エピソード「遠足へ行くわ!!」)

第3巻

夏休みが終わり、新学期がスタートした。朝礼で制服チェックが行われるが、いつも制服をきっちり着ている黒木ユイコは、青松にそんな着方はダサいと言われてしまう。恋人の多田野トモヤにダサいと思われたくないユイコは、茶山に胸元を少し露出した着こなしを教えてもらうが、恥ずかしくてトモヤに見せる事ができない。それでも下校時に頑張って着くずそうとするが、きっちり制服を着ているユイコが魅力的だとトモヤに言われ、うれしさのあまり言葉を失ってしまうのだった。(エピソード「制服は正しく着なさい!!)

ユイコとトモヤのクラスは、文化祭でお化け屋敷をやる事になった。クラスの実行委員になったトモヤは張り切るが、暗幕の調達や音響のチェックなど、クラスメイト達からの頼み事を安請け合いして手が回らなくなってしまう。今さらできませんでしたとは言えず、精神的に追い込まれるトモヤを見かねて、ユイコは協力を申し出る。夜、黒木姉が差し入れを持って、見回りを兼ねて様子を見に行くと、そこには作業を終えて教室で寝込んでいる二人の姿があった。(エピソード「準備は計画的に行いなさい!!」)

文化祭当日になり、トモヤとユイコは文化祭デートをする事になった。トモヤは文化祭の思い出作りに、ユイコにもう一度頬にキスしてもらおうとするが、彼女が人目を気にするため、なかなかうまくいかず、結局何もできずに落ち込む。やがて夕暮れとなり、文化祭も終わりを迎える。実行委員として頑張ってくれたトモヤにお礼をしようと、クラスメイト達は赤崎明美の提案で、クラスの出し物であるお化け屋敷にトモヤとユイコを二人きりにしてあげる。(エピソード「ついに文化祭当日よ!」)

文化祭の打ち上げで、トモヤとユイコはクラスメイト達とボーリング場にやって来た。茶山は同じクラスの真田を異性として意識するようになるが、いざ二人きりになると何も話せなくなってしまう。どうしたらいいか茶山に相談され、張り切るユイコはメールアドレスの交換を提案するが、紙に書いて渡すのが誠実だと、とんちんかんなアドバイスをして茶山を混乱させてしまう。しかし、真田のデリカシーに欠ける一言をきっかけに、彼もまた茶山を意識していた事がわかり、気が楽になった茶山は自然な形で真田にメールアドレスを渡せたのであった。(エピソード「こういうのは誠意が大事よっ!」)

第4巻

ある秋の日、黒木ユイコはクライメイトの茶山と買い物に行く約束をするが、待ち合わせ場所に先輩の竹内もやって来て、二人に同行する事になった。ユイコは竹内のようにおしゃれになりたいと密かに思っており、彼女に勧められるまま洋服や靴、小物などを買いまくる。大満足のユイコだったが、もうすぐ期末試験のため、しばらく多田野トモヤとデートできない事を思い出す。さらに、試験が明けたらもう真冬で、今回買った服をトモヤに着て見せる機会がない事に気づき、ユイコは脱力してしまうのであった。(エピソード「それが女の子ってやつなのよ!」)

ユイコとキスして以来、トモヤは彼女とのエロい夢ばかり見るようになっていた。モヤモヤ続きのトモヤは、ユイコともっと触れ合いたいという思いを募らせ、つい学校の校舎裏で彼女にキスしようとしてしまう。だが、ユイコが震えているのに気づいて、土壇場で思いとどまり、手を握るだけですませたのだった。そんなトモヤを見て、ユイコはトモヤとの事は大事な思い出で大切にしたいから、こんなところではしたくないときちんと伝えるのだった。(エピソード「夢を見るのは眠りが浅いからよ!」)

黒木姉が帰宅すると、ユイコが炒飯を作る練習をしていた。翌日、自作のお弁当を持って来たユイコは、昼休みにトモヤと教室を抜け出して二人きりになった。そこで昨晩作った炒飯をトモヤにほめられたユイコは、調理のコツをうれしそうに話す。トモヤはユイコが料理好きなのだと思うが、ユイコは大好きなわけではないと意外な反応。実は、ユイコは調理実習での料理ができる人は素敵というトモヤの言葉を覚えていて、ちゃんと料理ができるようになろうと決心したのである。その事を知り、トモヤは嬉しさを噛みしめるのだった。(エピソード「手順がわかれば作れるわ!!」)

体育の時間、クラスの女子達は男子のバスケットボールを見ながら好みのタイプで盛り上がっていた。茶山や白附ミキからタイプを聞かれた柴田がトモヤの名前を挙げると、ほかの女子達が同調。トモヤの思わぬ人気にユイコはモヤモヤするが、運動が苦手なトモヤは足をひねって、女子達の前でかっこ悪いところを見せてしまう。ユイコに見られていた事を知ったトモヤは、次はいいところを見せるため、マラソン大会の練習をしようと意気込む。だが、彼にモテてほしくないユイコは、練習しては駄目だと言い張るのだった。(エピソード「チェックされてるわよ!!」)

第5巻

多田野トモヤ黒木ユイコは、水族館にデートに行く事になった。トモヤは完璧にユイコをエスコートしようと張り切るが、目玉イベントのペンギンのエサやりは大混雑でほとんど見る事ができず、ユイコの服をほめようとした際にも噛んでうまく言えないなど、なかなか思うようにいかない。しかし、そんなトモヤをよそにデートを存分に楽しんだユイコは、大学生になったら泊りがけでどこかに行ってみたいというトモヤに、楽しみにしている、と別れ際に答える。その時のユイコの笑顔を見て、トモヤはメロメロになってしまうのであった。(エピソード「水族館へ行くわ!!」)

文系、理系を選択する進路面談が始まるが、将来についてあまり考えた事のなかったトモヤは、どちらを選ぶべきか悩む。じっくり考えていいと担任の森本に言われたトモヤは、ユイコから何か将来の夢はないのかと聞かれ、彼女との家庭を妄想してしまう。その時、夕焼けを見るユイコの横顔を目の当たりにして、これからも二人でいたいと思ったトモヤは理系に進む事を決める。理由は理系の方が就職に強いと考えたからで、トモヤは家族を支える男になるのだと決意していた。(エピソード「じっくり考えるべきね!!」)

ユイコはトモヤの妹の多田野ミオと駅で偶然出会い、同じ電車で帰る事になった。なぜ、兄はユイコの彼氏になれたのかとミオに聞かれ、ユイコはトモヤとの出会いを思い出す。その時、電車にミオと同じ塾の女の子が乗って来るが、彼女はミオを見て会釈だけして別の車両に移動してしまう。それを見ていたユイコは、彼女はミオと友達になりたいと思っているが、どうやってなかよくなったらいいかわからないのではないかと話す。自分も彼女と同じで、トモヤが声を掛けてくれたから友達になれたという、ユイコの話を聞いたミオは、同じ駅で降りたその女の子にいっしょに帰ろうと言うのだった。(エピソード「私は素敵だと思うわ!!」)

トモヤとユイコは、昼休みにクラスの仲間達とテニスをする事になった。男女混合での3対3の試合は大いに盛り上がり、ユイコもめずらしく底抜けの笑顔を見せる。放課後、トモヤは春になったら、またみんなで遊べたらと言うが、それは無理だとユイコは答える。もうすぐ3月で終業式、そしてクラス替えとなり、それぞれ新しいクラスで新しい友達を作るだろう。それでも、この1年は本当に楽しかった、クラスが替わっても思い出は変わらないとユイコは呟く。ところが、自分の言葉に照れてしまい、絶対に今の言葉をクラスメイト達に言うなと、トモヤに釘を刺すのであった。(エピソード「大事なのは気持ちよ!!」) 

登場人物・キャラクター

黒木 ユイコ (くろき ゆいこ)

多田野トモヤと付き合っている女子高校生。自分が通う高校で、体育教師をしている姉がいる。ルールを破ることを嫌う典型的な優等生で、真面目で頑固なため周囲にはキツく見られがち。だが、実はトモヤにぞっこんで、彼に優しくされるとすぐにメロメロになってしまう典型的なツンデレ娘。意外とネガティブ思考に陥りやすく、人付き合いが苦手だったため、当初はトモヤ以外のクラスメイトと打ち解けられずにいたが、トモヤとの交際をきっかけに少しずつ変わっていく。

多田野 トモヤ (ただの ともや)

黒木ユイコと付き合っている男子高校生。赤崎明美、青松とは幼なじみで、多田野ミオという妹がいる。おとなしく真面目で頼まれると嫌とは言えないお人好しだが、気配り上手で誰にでも優しく、女子人気は高い。ユイコに惚れ込んでいて少し気が弱いところもあるため、普段は彼女に言われるがままだが、芯は強く、いざという時には言うべきことは言う。 また、ユイコに膝枕をしてほしいと頼んだり、水着姿が見られなくてちょっと落ち込んだりするなど、年頃の男の子らしい一面もある。

赤崎 明美 (あかざき あけみ)

黒木ユイコ、多田野トモヤと同じクラスの女子高校生。青松とは幼稚園、トモヤとは小学生の頃からの幼なじみで、2人きりの時は青松のことを「ケン」と呼ぶ。テニス部に所属している明るく社交的な女の子で、コミュニケーションの苦手なユイコのことを何かと気にかけるなど面倒見もいい。また、写真投稿という意外な趣味を持っている。 青松のことを異性として意識している。

青松 (あおまつ)

黒木ユイコ、多田野トモヤと同じクラスの男子高校生。赤崎明美とは幼稚園、トモヤとは小学生の頃からの幼なじみ。明美からは「ケン」、クラスの男友達からは「松」と呼ばれている。不良っぽくガサツで口が悪いが、登校時にユイコとトモヤを2人きりにしてあげるため、わざと家に戻るなど意外と気が利く。明美を異性として意識しているが、なかなか素直になれずにいる。

茶山 (さやま)

黒木ユイコ、多田野トモヤと同じクラスの女子高校生で、あだ名は「チャマ」。赤崎明美と同じくテニス部に所属している。女友達にトモヤとの仲立ちを頼まれて、トモヤと付き合っているのかと尋ねたことをきっかけにユイコと仲良くなった。異性慣れしているように見えるが、耳年増なだけで本当は奥手。同じクラスの真田のことを意識している。

柴田 (しばた)

黒木ユイコ、多田野トモヤと同じクラスの女子高校生で、あだ名は「シバ」。長身のスレンダーな女の子で、バレーボール部に所属している。赤崎明美、茶山、白附ミキらと仲が良く、彼女たちを通してユイコと友人同士になる。性格はおとなしく控え目で、トモヤのような優しくて気配りのできる男子が好み。

白附 ミキ (しらつき みき)

黒木ユイコ、多田野トモヤと同じクラスの女子高校生。赤崎明美、茶山、柴田と仲が良く、彼女たちを通してユイコと友人同士になる。恋愛話が好きな典型的な女子高校生だが、「クラスの男子はレベルが低い」と口にするなど異性の好みは少しシビア。部活には所属していない。

黒木姉 (くろきあね)

黒木ユイコの姉で、ユイコたちの通っている高校の体育教師をしている。無愛想で口は悪いが、ユイコが多田野トモヤと付き合っていることを知った際には、トモヤの担任の森本にどんな生徒なのか尋ねるなど、意外と妹想い。高校生時代は不良だったが、そんな自分に優しく接してくれた森本のことを密かに想っている。

森本 (もりもと)

黒木ユイコや多田野トモヤらのクラスの担任を務める男性教師で、担当科目は体育。ぶっきらぼうなオヤジに見えるが面倒見が良く、不良だった高校時代の黒木姉にも優しく接するなど、懐の深い人物。黒木姉から想われているが、彼女の気持ちには気づいていない。

竹内 (たけうち)

テニス部に所属している高校3年生の女子。おしゃれで美人と評判で、性格も人懐こくて明るく、赤崎明美や茶山らテニス部の後輩女子たちの憧れの存在となっている。文化祭では実行委員長を務め、実行委員の多田野トモヤのことを「トモちゃん」と呼んで親しくしていた。また、赤崎や茶山から黒木ユイコのことを聞いていて、ユイコのことも「黒ちゃん」と呼んでかわいがる。

おばあちゃん

赤崎明美の祖母。学校指定の制服などを扱っている小さな衣料店「赤崎衣服」を営んでいる。多田野トモヤと青松のことを小さい頃から知っており、トモヤには「赤ばあちゃん」、青松には「赤ばあ」と呼ばれている。明美、トモヤ、青松の3人が悪さをした時には容赦なく引っぱたいていた、男勝りのしっかり者。

多田野 ミオ (ただの みお)

多田野トモヤの妹。まだ小学生だが、礼儀正しくしっかりしている。トモヤや黒木ユイコと同じ塾の小学生コースに通っている。ユイコのアドバイスのおかげで以前から気になっていた塾の女の子と友達になれたこともあり、ユイコを姉のように慕っている。

真田 (さなだ)

黒木ユイコ、多田野トモヤと同じクラスの男子高校生。バレーボール部に所属していて体格が良い。あまり異性慣れしておらず、文化祭の打ち上げでボーリングに行った際、女子のことを意識するあまり茶山に無神経なことを言ってしまう。

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