隣の黒木さんは飲むとヤバイ

隣の黒木さんは飲むとヤバイ

田舎から上京した男子大学生・後藤一は、マンションの隣室に住むクールなエリートOL・黒木あさみと知り合うが、実はあさみには極端な酒乱の気があった。純朴な男子大学生と実はポンコツな酒乱OL、さらに個性的な女性たちとの触れ合いを描く、セクシーラブコメディ。「マガジンポケット」で2021年7月から配信の作品。

正式名称
隣の黒木さんは飲むとヤバイ
ふりがな
となりのくろきさんはのむとやばい
作者
ジャンル
ラブコメ
レーベル
KCデラックス(講談社)
巻数
既刊3巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

田舎の農家で育った後藤一は、大学進学に伴って東京へとやって来た。新しく住むことになったマンションであいさつ回りをしていた一が大家と話をしていると、そこに颯爽とした美人が姿を現す。彼女は大家の姪の黒木あさみで、一が手土産に携えていた超人気洋菓子店「エトワール」で主任を務めるエリートOLだった。しかも大家によれば、あさみは一のとなりの部屋で暮らしているという。あさみのオーラに圧倒された一は緊張しながらあいさつするが、あさみは特に興味もなさそうにその場を立ち去るのだった。それから数日後、大学から帰ってきた一は、部屋の前であさみが行き倒れている姿を目撃。驚いて声をかけた一は、あさみが泥酔して倒れていることに気づく。一がどうにかあさみを彼女の部屋へと連れていって事情を問いただすと、あさみは、憎からず思っていた男性が30歳にもなって母親といっしょにお風呂に入っていることを知り、ショックで酒に溺れたのだと打ち明ける。そして一に絡んだ末に嘔吐し、意識を失ってしまう。そんなあさみのことを介抱しながら、一はクールで完璧に見える彼女の本当の姿を知るのだった。だが、翌日にゴミ捨て場の前で再会したあさみは、いつもどおりにクールで取り付く島もなく、一はそのギャップに愕然とする。(第1話「隣人はエリートOL」)

大家に誘われて、あさみや安里姫奈らといっしょに一がバーべキューを楽しんでから2週間が経過した。そのあいだ、あさみをまったく見かけずにいた一は、仕事が忙しいのだろうかと彼女のことを心配していた。そんなある朝、一はあさみがだらしない格好で慌てて出社するところを目撃し、素面ではしっかりしているはずの彼女のそんな姿に大いに戸惑うこととなる。しかもその日の午後、大雨の中、大学からの帰途に就いていた一は、道端で傘も差さずずぶ濡れになりながら、四つん這いになって植え込みに手を突っ込んでいるあさみに遭遇する。聞けば、家の鍵をなくして捜しているのだという。その姿は素面でありながら、まるで酒に酔った時のようなポンコツそのものだった。一はひとまずあさみを連れ帰るが、マンションに着いたところ、あさみの部屋の鍵が開いており、しかも問題の鍵は下駄箱の上に置きざりになっていたことが発覚。そして一は、部屋の奥に、彼女の部屋にあったあらゆる酒が縛られ、お札を張られて封印されている禍々しい物体を発見する。実はあさみは、姫奈がSNSにアップしたバーベキューの時の写真を見て、酒に酔った自分がいかに非常識で一に迷惑をかけているかを知り、二度と醜態をさらすまいと酒を断っていたのである。だが、酒を飲めないことでストレスを発散できず、日常生活でも集中力を欠き、失敗を繰り返していたのだという。そう語って泣き崩れるあさみに一は、自分にとってあさみを介抱することは迷惑などではないと告げる。(第14話「ポンコツOL黒木さん」)

登場人物・キャラクター

後藤 一 (ごとう はじめ)

大学進学に伴い、地方から東京に出てきた男子。年齢は18歳。黒木あさみと同じマンションの隣室・502号室に住んでいる。眼鏡をかけ、純朴な性格で女性経験に乏しいこともあって貞操観念が強い。また、押しに弱くつい流されてしまう割に責任感は強く、困っている人を放っておけないところがある。そんな性格を一目で見抜いた大家に気に入られ、酔うと正体をなくしてしまうあさみの世話係として白羽の矢が立った。当初、後藤一自身は気づいていなかったが、家賃が3万円と破格なことや、あさみの隣室があてがわれたのも、そのためである。実家は「ごとう農園」を営んでおり、農家の一人息子として一自身も放課後や休日は畑仕事に明け暮れ、ハウストマトなどの農作物を育てていた。そのような経緯もあって、実家からは規格外野菜が頻繁に送られてくるため、基本的に食事に困ることはない。酔ったあさみからは「メガネ」と呼ばれている。

黒木 あさみ (くろき あさみ)

超人気洋菓子店「エトワール」で主任を務める女性。年齢は27歳。大家の姪で、後藤一と同じマンションの隣室・503号室に住んでいる。金髪のセミロングヘアを首の後ろで一つに縛り、切れ長の目をした美人。また、服の上からでもわかるほど胸が大きく、スタイルも抜群。ふだんは口数が少なく、取り付く島もないほどにクールで落ち着いており、会社でもバリバリのキャリアウーマンとして上司からは頼られ、部下からは尊敬されている。だが、内心では年齢のことや独り身であることなど、さまざまな葛藤を抱えており、プライベートでは酒に逃避することが多い。ひとたび酔うとその葛藤が表出して泣き上戸になり、さらにとてつもなくドジでポンコツになってしまう。ただし、ふだんのバリバリのキャリアウーマン姿は、酒で適度にストレスを解消しているおかげで維持できているものであり、酒を飲まなければ飲まないでストレスを溜め込んで、日常生活においてポンコツになってしまうという難儀な問題を抱えている。なお、黒木あさみ自身は、酔っているあいだのことはいっさい覚えていない。また、酔っているあいだは関西弁で話すようになるため、素面かどうかは簡単に判別できる。

安里 姫奈 (あざと ひな)

超人気洋菓子店「エトワール」で働く女性で、黒木あさみの後輩。後藤一と同じマンションの501号室に引っ越してきて、隣人となった。黒髪セミロングヘアのかわいらしいタイプで何かと距離感が近く、誰とでもすぐに仲よくなれる。しかし「かわいければすべてが許される」が持論で、外ヅラはいいものの実際は腹黒く、これらはすべて計算ずくのものである。また、人に媚びて味方に引き入れる技術を身につけるための努力は惜しまない。これらの事実を知った者に対しては本性を隠さず、人を見下したような素の姿で接するようになる。基本的に、気に入らない者に対してはさまざまな面からマウントを取る言動を繰り返すが、根はそこまで悪人というわけではなく、ある程度付き合いを深めて情が湧いた相手に対しては、人知れず仲間意識を抱き、時に救いの手を差し伸べることもある。

小山内 はるか (おさない はるか)

後藤一の従妹。ポニーテールの髪型にしており、年齢は17歳。道行く人が振り返るほどの豊満な胸を持つ、スタイル抜群の明るく元気な少女。田舎にいた頃の一にあこがれ、思いを寄せていた。東京観光に来た際に一のもとを訪れるが、そこで黒木あさみや安里姫奈とただれた異性交友をしていると思い込み、一を田舎に連れ帰ろうと奮闘する。

大家

後藤一が暮らすマンションの大家の中年女性で、黒木あさみの叔母。セミロングのボブヘアで、穏やかでマイペースな性格をしている。酒に逃避しては正体をなくしてしまうあさみのことを心配しており、これまでは自分が介抱していたものの、さすがにキツくなってきたために代わりの介抱役として、一に白羽の矢を立てた。家賃を破格の3万円にする代わりにあさみが酒に酔ったら世話をするように命じ、時にバーベキューに誘ったり家賃の値上げをほのめかしたりと、硬軟織り交ぜた手法で一を巧みにあやつるやり手。ちなみに大家本人は、東京で庭付きの大きな平屋の日本家屋に住んでおり、親族である姪のあさみすら大家の持つ資産を把握できていなかったりと、その素性には謎が多い。

書誌情報

隣の黒木さんは飲むとヤバイ 3巻 講談社〈KCデラックス〉

第1巻

(2021-12-09発行、 978-4065262948)

第2巻

(2022-02-09発行、 978-4065268841)

第3巻

(2022-07-08発行、 978-4065283776)

SHARE
EC
Amazon
logo