本編の作画担当・Boichiによる外伝
本編となる『Dr.STONE』は、集英社「週刊少年ジャンプ」にて2017年14号から2022年14号まで連載。単行本全27巻の長期連載となり、「次にくるマンガ大賞2018」コミックス部門2位入賞、第64回(2018年度)「小学館漫画賞」少年向け部門を受賞した他、テレビアニメ化も果たした大ヒット作品である。本作は、本編の主人公、千空の父、白夜ら、人類最後の宇宙飛行士六人と1体のロボットにスポットをあてた外伝。本編の作画担当、Boichiが、ストーリーと漫画の両方を担当しており、本編原作者の稲垣理一郎は、キャラクターのセリフなどの監修だけを行っている。また、「こんなこともあったかも」という、本編とは別世界のオリジナルストーリーである点も大きな特徴である。
本編では描かれなかった「地球帰還ミッション」の詳細
全人類が石化した時、白夜ら六人の宇宙飛行士は、ISS(国際宇宙ステーション)にいて石化を免れた。本編では、その六人が地球に帰還し、人類の始祖となり石神村ができたことが語られた。一方、本作前半で描かれているのは、地球に帰還する前の六人の姿である。帰還用宇宙船ソユーズの着地点を日本の九十九里浜に決めた経緯や、ISSから分離されたソユーズが着水するまでの具体的なシミュレーション、大気圏のせいで生じる着地点の誤差の解消法といった、本編では描かれなかったISS内での「地球帰還ミッション」の詳細が描かれている。
本作オリジナルキャラクターの活躍
本作は「もしも」の世界を描いたオリジナルストーリーであり、本編には登場しない球形のロボット・レイが活躍する。百夜によって作られISSに持ち込まれたレイは、本編前半では、「地球帰還ミッション」における様々な計算を担当する。また、人間たち全員が地球に向かった後の本作後半では、一人でISSに残り、百夜の帰りを信じて待ち続けることになる。人間が戻ってきたときのために、デブリ(宇宙ゴミ)を避ける、水を補給するため彗星に向かう、軌道を修正するといったISSの維持に奮闘する姿が描かれる。
登場人物・キャラクター
石神 百夜 (いしがみ びゃくや)
千空の父親。アホなことが好きなロマンチストで、ムードメーカー的な能力を買われ、ミッションのスペシャリストとしてISS(国際宇宙ステーション)に滞在する。地上にいた全人類が石化したことを知り、ISSにいた人類最後の六人で地球に帰還しようとする。超高性能AIを搭載したロボット、レイの生みの親。
レイ
百夜によって作られた超高性能AIを搭載した球形のロボット。スマートフォンのメインボード60個で組み上げられており、宇宙工学、地球科学、天文学などの専門的な情報が詰め込まれている。その代わり、一般的な常識は入っておらず、人間の寿命といった簡単なことも知らない。百夜たち六人がISSを去った後も、ISSを維持するために頑張る。
クレジット
- 原作
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