仮面ライダーBlack

仮面ライダーBlack

秘密結社ゴルゴムによってバッタ男に改造された南光太郎は、秘密基地から逃げ出し、ゴルゴムと戦う正義のヒーロー仮面ライダーBlackとなる。そんな彼が、同じくゴルゴムにバッタ男に改造された親友・秋月信彦と戦い、生き残った方が人類滅亡後の世界の王になるという近未来SFアクション。同名テレビ特撮ドラマの放映に合わせて発表されたが、物語の展開、結末はまったく違うものとなっている。

正式名称
仮面ライダーBlack
ふりがな
かめんらいだーぶらっく
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
レーベル
コミック文庫(青年)(小学館) / 書籍扱いコミックス単行本(小学館)
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概要・あらすじ

秘密結社ゴルゴムによって変身する怪人へと改造された南光太郎は、記憶を失っていたが、世界の怪奇な事件を追ううちに、自分の記憶を取り戻してゆく。そして、ゴルゴムの野望と戦う仮面ライダーBlackを名乗るようになり、同じくゴルゴムによって光太郎と同様の姿に変身できるように改造された親友の秋月信彦と再会する。

そして、二人には彼らのどちらかが、未来の地球において魔王として君臨するという過酷な運命が課せられるのだった。滅亡に向かう地球を救うことはできるのか、1999年に送り込まれた光太郎の最後の戦いが始まる。

登場人物・キャラクター

南 光太郎 (みなみ こうたろう)

日本人の青年。古都大学空手部所属。親友の秋月信彦とともにゴルゴムの操作による惑星直列の日に誕生。父の南光雲と母の南知子を航空機事故で早くに亡くし、父の親友だった秋月総一郎の家で育った。後に父母の死は、ゴルゴムによる暗殺と判明する。兄妹同然に育った秋月杏子が好き。 記憶を失いニューヨークの地下水道で全裸でいるところを、サム・スピードとケイト・クリスティらCMNのテレビクルーに発見された。ゴルゴムの手でバッタ男に改造され、額に賢者の石が埋め込まれている。賢者の石により超破壊エネルギーを発することが可能。ゴルゴムから逃亡した裏切り者として追われる。 サムとケイトと世界各地の怪現象を追いながら記憶を取り戻していく。古都大学の先輩の大門五郎から、正義の味方仮面ライダーになるべきだと諭され、仮面ライダーBlackを名乗るようになる。親友の秋月信彦と一緒に改造されていて、どちらかが人類滅亡後の世界を支配する魔王となることを、30年後のグムからの呼びかけで教えられる。 再会した信彦とともにゴルゴムと戦うつもりだったが、グムから招かれて30年後の未来で魔王と対決。敗れて元いた時代の7年後である1995年の日本に弾き飛ばされたが、世界征服に乗り出した信彦に襲われる。再びグムにより、今度は1999年に飛ばされ、魔王となったばかりの信彦との最後の戦いに挑む。

秋月 信彦 (あきづき のぶひこ)

日本人の青年。古都大学空手部所属。親友の南光太郎とともにゴルゴムの操作による惑星直列の日に誕生。父の秋月総一郎と妹の秋月杏子と暮らしていた。ゴルゴムの手でバッタ男に改造され、額に賢者の石が埋め込まれている。賢者の石により超破壊エネルギーを発することが可能。 同時にバッタ男に改造された光太郎がゴルゴムから逃亡した直後に脱出したらしく、なくしていた記憶を取り戻して帰国。やはり裏切り者として追われる。本人は改造されたことを憶えておらず、最初はゴルゴムに操られて変身し光太郎に襲いかかった。父の残した会社あきづきを継いで、光太郎とともにゴルゴムと戦い始めた。 ルーマニアのゴルゴムの拠点で起きた爆発で、光太郎が30年後の未来に行ってからの7年間で変心。新世界の真の支配者となるために、戻ってきた光太郎を倒してそのエネルギーを吸収しようとした。1999年には魔王となり、その力を完成させるため、再び現れた光太郎を迎え撃つ。

サム・スピード (さむすぴーど)

角張った小さくて高い鼻をもち、前髪を火の玉のように逆立てている小柄なアメリカ人男性。アメリカのテレビ局CMNの番組、裏の世界(リバース・ワールド)のメイン・レポーターで怪奇ハンター(フェノメナハンター)の隊長として活躍中。ニューヨークの地下下水道に生息する突然変異生物の取材中に南光太郎と出合う。 この取材の時に死亡したカメラマンの代わりとして光太郎を雇い、世界各地の怪奇現象と光太郎の過去を調査する。光太郎のパスポートの再発行の手続きで秋月総一郎宅の住所まで調べるなど有能だが、ゴルゴムの怪人にたびたび人質にとられる。ルーマニアのゴルゴムの拠点の取材で事故に遭った後は消息不明。

ケイト・クリスティ (けいとくりすてぃ)

髪を頭の上で縛っている、ソバカスのあるアメリカ人女性。アメリカのテレビ局CMNの番組、裏の世界(リバース・ワールド)のレポーターで怪奇ハンター(フェノメナハンター)の取材役として活躍中。ニューヨークの地下下水道に生息する突然変異生物の取材中に南光太郎と出合った。 サム・スピード同様、ルーマニアで消息を絶っている。

秋月 杏子 (あきづき きょうこ)

肩に届くくらいの黒い髪でヘアバンドをしていることが多い女子高生。秋月信彦の妹。南光太郎にとっても妹のような存在。光太郎を「光太郎おにいちゃん」と呼んで兄のように慕っていたが、総一郎の従兄弟、塚原豪三が秋月家の遺産を狙って起こした事件から異性として意識し「光太郎さん」と呼ぶようになる。 信彦の帰国後も、これまで通り京都の邸宅で暮らしている。1995年には原因不明の病気のため、車椅子を使用。1999年には死亡していた。

紀田 あゆみ (きた あゆみ)

背中まで届く長い髪の黒目がちな女性。秋月信彦の恋人。南光太郎との再会後、ゴルゴムに攫われてネコ女に改造される。光太郎をゴルゴムに連れ戻すためだけに急いで改造されたため、精神が不安定で殺人衝動が押さえきれず人を襲ってしまう。光太郎と同じライダースーツを着て殺人を犯し、罪を着せようともした。 光太郎に殺してほしいと懇願し、倒される。

秋月 総一郎 (あきづき そういちろう)

白髪まじりの中年男性。ハイテク会社あきづきを親友の科学者、南光雲とともに設立し、現在は社長を務めている。光雲がゴルゴムによる飛行機事故で死亡した後、遺児の南光太郎を育てた。光太郎と実子の秋月信彦をゴルゴムの指示で渡米させた。あきづきの事業にもゴルゴムが食い込んでおり、逆らうことはできなかったという。 オニグモ怪人に変身することができる。ゴルゴムのことを語ろうとしたため、始末された。

許仙 (きょせん)

頭髪はないが、眉と口髭、顎鬚は白く豊かな眼光鋭い老人。百歳。中国湖北省の山中の寒村の長老。酒の入った瓢箪を手放さない。少林寺でも鍛練した拳法の達人で、水面を歩く術なども使える。ゴルゴムの改造人間で、竜に変身可能。孫娘の胡小琴は一番弟子でもある。南光太郎に自らの体内に眠るもう一つのケモノを制御する技術を手ほどきしたが、それはゴルゴムに戻らせるためでもあった。

胡 小琴 (こ しょうきん)

頭の左右でおだんご髪にしている黒目がちな女性。中国湖北省の神農架大学で王胆教授の助手をしていた。祖父である許仙の拳法の一番弟子で、雪の積もった木の枝に、雪を落とさずに飛び乗れる。ゴルゴムの改造人間で、白蛇に変身可能。取材でやってきた南光太郎に惹かれ、自分の中のケモノが好きだと叫んでいるとアプローチ。 許仙が光太郎にゴルゴムに戻ることを強要したとき、拒絶した光太郎に加勢。賢者の石の超破壊エネルギーで大火傷をし、その姿を見られたくないために姿を隠す。

大門 五郎 (だいもん ごろう)

やや下膨れの顔に小さな目、繋がった眉で、無精髭を生やしている小太りの男性。東京葛飾柴又で大門モータースというバイク屋を営んでいる。面倒みがよく、近所の子供やバイク好きの若者たちが店に入り浸っている。結婚はしていないが、店に転がり込んだメガネの女性チャコと暮らしている。 南光太郎の古都大学の空手部の先輩。子供の頃に好きだった仮面ライダーが乗るようなバイクを趣味で作っていた。光太郎の話を聞いて、ゴルゴムからの家出少年、秋月家からの家出少年として受け入れる。さらに、正義の味方になることを勧めた。

伴代 (ばんだい)

角張った顔に幅広い鼻の男性。定年間近の警視庁の刑事。新宿公園周辺で頻発した殺人と暴力団御乱組の大量殺人の手口が似ていたため、御乱組を襲撃したライダースーツの男を追って大門モータースを訪れる。南光太郎を重要参考人と考え、紀田あゆみが犯人だと判明した後もマークしている。 ゴルゴムからの挑戦状を受取った光太郎から、現場周辺の警備をしてもらえないかと声をかけられたことがある。

グム

浅黒い肌をしていて、縮れた髪と顎鬚がつながり、眉と口髭も豊かな皺だらけのアボリジニの老人。30年後の未来、白人女性のフィーチとともに、わずかな人類の生き残りを集めて魔王と戦っている。南光太郎を夢の中で招き、1999年7月に最終戦争が起きたこと、人類滅亡後の世界を魔王が支配しつつあることなどを伝える。 さらに、未来の状況が酷くなり、直接、30年後の未来に光太郎を呼び寄せて魔王との対決を頼む。そこで光太郎は敗れるが、さらに1999年に光太郎を送り込み、力が完全ではない魔王との戦いを提案する。

クック・ズウ (くっくずう)

禿げ頭に大きな目と口の人物。石ノ森章太郎の『サイボーグ009』の007と同じ姿。ハイテク会社あきづき傘下のK・K・アキヅキシドニー支社の支社長。グムの話を受けてオーストラリアの調査に訪れた南光太郎の案内役。陽気な人物で、キャプテン・クックと同名なのが誇らしいようだ。 「クッキー」と呼んでほしかったらしいが、光太郎からそう呼ばれることはなかった。ゴルゴムの改造人間で、カメレオンに変身する。未来の王としてゴルゴムに戻るように光太郎を説得するが、成果はなかった。正体を明かすことなく光太郎の帰国を見送った。

魔王 (まおう)

人類滅亡後の地球を支配する人物。ゴルゴムによって未来の世界の王として作られた。仮面ライダーBlackと全く同じ姿をしており、マントを羽織っている。自らを魔王と呼び、超能力を自在に使いこなす。この世のすべての力を身につけ、血管のように新世界のすみずみまでその力を及ばしているという。 超破壊エネルギーを生む賢者の石が額に埋め込まれている。未来で南光太郎が直接対決したとき、秋月信彦なのかと問われて、信彦などというヤツは知らないと答えた。

集団・組織

ゴルゴム

『仮面ライダーBlack』に登場する組織。生命の歴史は破滅と再誕の繰り返しであり、人類も破滅して再誕しなければならないという考えから、神に代わって人類の進化を目指す秘密結社。全人類を進化させることは不可能なため、選ばれた人類を進化させるとしている。全世界にネットワークがあり、多くの拠点が存在するが、中心となる人物や機関が存在するかどうかは不明。 人類滅亡後の世界を導く王にするため、惑星直列の日に生ませた光太郎と信彦に超破壊エネルギーをもたらす賢者の石を一つずつ埋め込んで改造。いずれかが他方の力を吸収することで真の王とする計画であった。南光太郎が未来に飛ばされた後、秋月信彦が組織を掌握し、世界中に戦争や自然災害、病気などを仕掛けていった。

書誌情報

仮面ライダーBlack 3巻 小学館〈コミック文庫(青年)〉

第1巻

(1998-09-17発行、 978-4091932013)

第2巻

(1998-09-17発行、 978-4091932020)

第3巻

(1998-09-17発行、 978-4091932037)

仮面ライダーBlack完全復刻版BOX 小学館〈書籍扱いコミックス単行本〉

(2022-12-16発行、 978-4091793898)

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