概要・あらすじ
ドン科学研究所所長・ドン・ナ・モンデスは、部下のコンチック・ショオに、自らが建造したタイムカプセルに閉じ込められて生き埋めにされてしまう。しかし、その穴は異世界ルルーへ通じる時空の抜け穴であった。ルルー人に救われたドン・ナ・モンデスは、20年後にこちらの世界に戻るとプリン伯爵と名乗り、自分を陥れたコンチック・ショオを追い込んでいく。
一方、プリン伯爵を漫画のモデルにしたまんが家・ロックもまた、ルルー人にその世界へ拉致される。そこは、こちらの世界とは全然別の物質でできており、空間はゆがみ、時間は人の意思で自由に操ることができる世界であった。ルルー人の娘ラータに助けられ、こちらの世界に戻ったロックは、ルルーで身につけた時間を操る能力を、よいことに使おうとするが、その秘密は国際秘密諜報団に知られることとなる。
登場人物・キャラクター
ロック
新人マンガ家。プリン伯爵の顔をモデルした主人公で『冒険児ルルー』という漫画をヒットさせる。ルルー人に漫画を描くのをやめるように言われるが従わず、そのためにルルーに連れ去られる。時間を自由に操れるルルー人の力を身につけてこちらの世界に戻るが、そのために国際秘密諜報団の首領・ゴンドラ卿に狙われることになる。
プリン伯爵 (ぷりんはくしゃく)
かつてのドン科学研究所所長。千年後の人類に20世紀の文化をつたえるためのタイムカプセルを建造するが、コンチック・ショオによってその中に閉じ込められたまま穴に埋められてしまう。しかし、その穴は異世界ルルーへ通じる時空の抜け穴でり、彼はルルー人に助けられ異世界ルルーで20年を過ごす。 こちらの世界へと戻ると、プリン伯爵と名乗り、自分を陥れたコンチック・ショオを追い込んでいく。
コンチック・ショオ (こんちっくしょお)
売り出し中の少年マンガ家・バーナード・ショオの父。ドン・ナ・モンデスを、彼自身が建造したタイムカプセルに閉じ込めて生き埋めにして、その財産を乗っ取り、彼のガールフレンドであったチッキーを妻とする。
バーナード・ショオ
売り出し中の少年マンガ家。コンチック・ショオの子息。売れっ子マンガ家であったが、夫の過去の罪を知った母とともに家を出て、貧乏暮らしをするようになる。
コンチック・ショオ公爵夫人 (こんちっくしょうこうしゃくふじん)
かつてはドン・ナ・モンデスのガールフレンドであったが、彼の失踪後、ドン科学研究所所長となったコンチック・ショオの妻となる。夫がドン・ナ・モンデスを生き埋めにして財産を乗っ取ったことを知ると、息子を連れて失踪する。
コッポポッコ
ルルーの哲人。ルルーとこちらの世界が交際することをよしとせず、それを提案したドン・ナ・モンデスの記憶を壊して、こちらの世界へと送り返す。
ラータ
コッポポッコの秘書でルルーに連れてこられたロックの世話役となった娘。大きく結った髪の毛は、部屋になって人を泊めることもできる。ルルーとこちらの世界の抜け穴をふさぐために、こちらの世界に残り、秘密を知っているロックとともに自らの記憶も消し去る。
スッテン・ドシーン博士 (すってんどしーんはかせ)
プリン伯爵の友人。いつでもどこでも、よく転ぶ人物。プリン伯爵のいまわの際に、ルルーの秘密を知らされる。
ゴンドラ卿 (ごんどらきょう)
国際秘密諜報団の首領。時間を操る能力で世界征服をしようと、部下とともにルルーへ乗り込む。
チックとタック
マンガ雑誌を発行する出版社の編集者コンビ。遅れている原稿を書かせようとマンガ家・ロックの後をつけるうち、プリン伯爵とコンチック・ショウ公爵の確執に巻き込まれる。
オノレ
ポコン出版社の編集長。売り上げ第一主義のせちがらい人物。
集団・組織
ポコン出版社 (ぽこんしゅっぱんしゃ)
『新世界ルルー』に登場する会社。マンガ雑誌を発行する出版社。バーナード・ショオ、ロックがそれぞれ、『新巌窟王』、『冒険児ルルー』を連載する。
場所
ルルー
こちらの世界とは全然別の物質でできている世界。二つの世界はお互いに見えもせず、感じることもできない。ルルーでは、空間はゆがみ、時間は人の意思で自由に操ることができる。また、人間は卵から生まれる。
その他キーワード
記憶を失わせる針 (きおくをうしなわせるはり)
『新世界ルルー』に登場する器具。ルルーの哲人・コッポポッコが使う注射器状の器具。これで頭を刺されるとルルーに関する記憶がなくなってしまう。