佐藤くん

佐藤くん

鈴木佐藤をはじめとした、底抜けに馬鹿でスケベな野球部員たちによる活躍と暴走と、それに翻弄される人たちを描く野球ギャグ漫画。1985年に発表された。

正式名称
佐藤くん
ふりがな
さとうくん
作者
ジャンル
野球
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概要・あらすじ

鈴木佐藤の所属する西高野球部のメンバーはロクな練習もせず遊びほうける毎日で、これ以上なく堕落しきっていた。これを問題視した西高生徒会により、ついには廃部を言い渡されてしまう。食い下がる佐藤に対し生徒会長は、甲子園出場の常連校である強豪、岩田高校野球部との練習試合に勝利することを、部存続の条件として提示するのだった。

登場人物・キャラクター

鈴木 佐藤 (すずき さとう)

西高野球部のキャプテン。佐藤という名前は、父親の「日本で一番、二番の男になれ」という願いによって付けられた。野球部に入部した時は本気で甲子園を目指していたが、先輩たちに酒やタバコに誘われ、だらけきった学生生活を送っていた。3年生になり、先輩たちが卒業したことで再び甲子園への情熱を取り戻し、本格的な練習を始めようとするが、やる気のない部員たちの扱いに苦心する。 スケベぞろいの野球部の中でもとびぬけて性欲が強く、試合では淫らな妄想をすることで高い実力を発揮する。

林辺 のりお (はやしべ のりお)

西高野球部のレギュラー選手。打順は2番で、ポジションは三塁手。野球部が西高テニス部とトラブルを起こした際に、鈴木佐藤がスケベであることを暴露したため、彼の怒りを買い、ボコボコに殴られたうえにノックの特訓を課せられてしまうことになる。

大場 純 (おおば じゅん)

西高野球部のレギュラー選手。打順は9番で、ポジションはライト。顎が妙にとがっている。長らく練習をしていなかったためかバランス感覚、動体視力ともに野球ができるレベルではなく、ノックを打つことすら満足にできない。あげくそのことをボールのせいにし、腹いせに足で踏みつけたところ、バランスを崩し股関節を痛めてしまう。

落合 わたる (おちあい わたる)

西高野球部のレギュラー選手。打順は6番で、ポジションはレフト。眼鏡と分厚い唇が特徴で、表情が滅多に変わらない。他の部員に負けず劣らず、やる気も実力もなかったが、鈴木佐藤にテニス部員の卑猥な妄想をエサにされるとたちまち実力を発揮した。頭脳派のプレイヤーを自称しており、岩田高校野球部との対戦においてもその片鱗を見せつけた。

山上 ちあき (やまがみ ちあき)

西高テニス部のキャプテン。テニス部員にセクハラを続ける西高野球部員を心底見下しており、野球部が西高生徒会に廃部を迫られた時も嘲笑していた。西高野球部が岩田高校野球部に勝てるとは万が一にも思っていなかったため、鈴木佐藤が挑発交じりに提示した、もし西高野球部が勝ったらテニス部女子の身体を差し出すという案を受けてしまう。

内田 (うちだ)

西高の生徒。剣道部所属で、山上ちあきに好意を抱いている。女子テニス部の貞操が狙われていることを聞きつけると、それを阻止しようとテニス部女子に好意を抱く仲間を集めて即席チームを結成した。西高野球部の闘志をくじくため彼らに試合を申し込む。

久保 (くぼ)

西高の生徒。現在はラグビー部に所属しているが、中学時代は岩田高校野球部の吉岡とエースの座を争ったことがある。彼とともに岩田高校に入学するつもりだったが、受験に失敗。滑り止めで受けた西高に通うことになってしまった。同時に野球も断念しラグビーに転向した。内田にその強肩を買われ、即席チーム側のピッチャーとして、西高野球部に挑む。

西川 (にしかわ)

西高の生徒。放送部に所属しており、西高野球部と岩田高校野球部の練習試合では実況を担当した。多くの西高生徒同様、勝てるはずがないと思っており、西高野球部を応援するどころか、いかにして負けるのかという点に注目した、辛辣な実況が目立った。

山嵐 大五郎 (やまあらし だいごろう)

西高の体育教諭。西川と共に放送席に座り、解説を担当した。西高が勝利した場合、西高テニス部の女子部員が毒牙にかかることを知っており、放送席でつい言及してしまうが、そのたびに西川に釘を刺されている。西川や他の西高生徒同様、やはり西高野球部が勝利するとは微塵も思っておらず、西川以上に野球部員を罵倒する。解説自体は割と的を射ているものが多く、いかに野球部員が堕落していたかがうかがえるものとなっている。

吉岡 (よしおか)

岩田高校野球部のエースピッチャー。西高野球部の部員とは正反対といえるほどの真面目でストイックな性格。バッターとしても優秀で4番打者として、甲子園の試合では、2本のホームランを放っている。西高野球部との練習試合においても、手を抜かずにエースとしての実力を見せつける。

近藤 向 (こんどう むかう)

岩田高校野球部のピッチャー。吉岡以上の実力を持っているといわれ、地区予選では5度の完封、2度のノーヒットノーランを達成している。しかし、フルネームが卑猥なため、NHKの要請で甲子園本戦に出場させてもらえなかったという悲惨な過去を持つ。投球時には、「桃太郎侍」のように「1つ、1つ」と、数字とそれにかけた言葉を呟く癖がある。

西高校長 (にしこうこうちょう)

西高の校長。禿頭の壮年で、他の教師や西高生徒会のメンバー同様、西高野球部の選手を馬鹿の集まりであると見下している。同時に彼らの奇行に頭を悩ませており、彼らを廃部に追い込み新しい野球部を立ち上げようと画策する。岩田高校の校長とは友人で、西高野球部との練習試合では一切の手抜きをしないように依頼した。

(ほし)

西高校長の知人。シルクハットをかぶった怪しげな男。現在の西高野球部を廃部にし、新たな野球部を立ち上げた際に監督として就任するはずだったが、星自身が現在の西高野球部に興味を持ち、そのまま新しい監督として就任した。現在の野球部員の原動力が性欲だと知ると、それを活かした指導を始める。

森田 泉 (もりた いずみ)

西高に通う女子生徒。星の指示により、西高野球部のマネージャーに就任する。小柄だが非常に計算高く、なおかつ女の武器を利用するのが得意で、瞬く間に鈴木佐藤たち野球部員を魅了し、やる気を起こさせることに成功する。部員それぞれの貢献具合に応じてプラス、マイナスの査定を付けている。

豊田 (とよだ)

田古商野球部のエースピッチャーで、その実力は高く学内でも高い人気を集めている。その人気からか慢心する傾向にあり、西高野球部を公然と侮辱。試合が始まるや否や大声で笑いだし、応援団たちにコールド勝ちを宣言する。しかし、そのなめ切った態度ゆえに油断し、成長した西高野球部に翻弄されてしまう。

集団・組織

西高野球部 (にしこうやきゅうぶ)

西高の恥として知られている弱小野球部。風紀が乱れきっており、周囲に迷惑をかけているため、見かねた西高生徒会によって岩田高校野球部との練習試合に勝たなければ廃部することが決定してしまう。しかし、鈴木佐藤が西高テニス部の女子部員と性行為ができるという約束を取りつけたことで、部員たちのやる気が一気にヒートアップ。 元々不真面目なだけで素質はあったのか、死に物狂いで練習した結果、岩田高校野球部相手に一歩も引かない奮闘ぶりを見せつける。

西高生徒会 (にしこうせいとかい)

西高の生徒会。一切の部活動を取り仕切る立場にある。ロクに練習せず、結果もまったく残せていない西高野球部を問題視しており、ついには廃部を言い渡す。それに食い下がった鈴木佐藤に対し、1か月後に岩田高校野球部に勝利できれば廃部を取り消すと約束する。その真意は、岩田高校に完膚なきまでに叩きつぶされる様子を見たいという悪趣味なものであった。

西高テニス部 (にしこうてにすぶ)

西高野球部と対照的に、練習熱心な部員で溢れている部活。美人部員が多いため憧れている男子生徒が多いが、野球部員にセクハラを受け続けており、生徒会同様野球部の廃部を望んでいる。岩田高校野球部との廃部をかけた練習試合の話を聞くとここぞとばかりに罵るが、鈴木佐藤の提案した、勝利すれば性行為をさせるという案を、勢いで承諾してしまう。

岩田高校野球部 (いわたこうこうやきゅうぶ)

甲子園連続出場を達成している強豪野球部。エースの吉岡を筆頭に、名の知られた選手が多数所属している。西高野球部の廃部をかけて試合をすることになるが、決して手心を加えることはせず、正々堂々と挑む。なお、テニス部員に対して鈴木佐藤が持ちかけた提案は西高全体に知れ渡っているため、西高の生徒にも応援されるという奇妙な状態となっている。

青葉学園野球部 (あおばがくえんやきゅうぶ)

岩田高校野球部を強くライバル視している野球部。岩田高校攻略の一環として、練習試合を行った西高野球部の偵察に訪れる。しかし、西高野球部の部員が監督がいなければ甲子園に出場できないことも知らないという醜態をさらしたため、早々に興味をなくしてしまう。

田古商野球部 (たっこしょうやきゅうぶ)

地区予選1回戦で西高野球部と対戦する野球部。ガラの悪い選手が多く、試合開始早々全選手が西高野球部に向けて嘲笑を投げかけている。中でもピッチャーの豊田は、西高野球部が万年1回戦負けであることを執拗にアピールし、楽勝であると散々公言している。

講談高校野球部 (こうだんこうこうやきゅうぶ)

シード権を持つ強豪野球部。地区予選2回戦で西高野球部と対戦する。緻密な分析が得意で、選手の癖をあらかじめ見抜き、弱点を突く戦法を得意としている。岩田高校野球部との練習試合を録画し、鈴木佐藤をはじめとしたレギュラー陣の弱点を徹底調査した。各選手の攻略法を確立し、試合のアドバンテージを握ることに成功している。

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