地球の子

地球の子

『SOUL CATCHER(S)』で知られる神海英雄の連載作品。陰から平和を守る念動力ヒーローが存在する現代の地球を舞台に、家族を守るために過酷な運命に立ち向かう平凡な青年の佐和田令助の姿を描いたSF純愛譚。地球規模の災害に念動力で挑むというスペクタクルに加え、男女の恋愛、夫婦愛、兄弟愛、親子愛といったさまざまな形の愛が描かれている。集英社「週刊少年ジャンプ」2022年12号から40号まで連載。

正式名称
地球の子
ふりがな
ちきゅうのこ
作者
ジャンル
家族
 
その他SF・ファンタジー
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊3巻
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念動力を有する「地球の子」

「地球の子」は、念動力に目覚めた特別な人間。その力は「願い」が強いほど強力になり、単独で数千人分の働きをすることができるとされている。ただし、その強度は人間の範囲に留まっており、せまり来る脅威に対しては念動力を使って回避する必要がある。また、共通する身体的特徴として、宇宙から見た地球のような目を持っている。その正体は、地球に危機がせまった際に現れる免疫のような存在と考えられており、「使命の日」と呼ばれる危機を境に代替わりする。地球の子を人為的に生み出そうとする研究も行われていたが、成功例はまだない。また、地球の子は遺伝しないと考えられていたが、佐和田かれり(星降かれり)の息子である衛(まもる)が地球の子であることが判明し、前例が覆った。

「地球の子」を管理する組織「WestE.(ウェイスト)」

「WastE.」は「地球の子」を管理、研究、運営する国際的な組織。地球規模の危機を除去することを最大の目的としている。秘密主義を貫き、人間の記憶を改竄する技術を駆使して活動内容を隠蔽している。日本にも支局があり、片桐・マッケンジー・悠真(ゆうま)という男性が支局長を務めている。日本支局の基地は地下500メートルに位置しており、その入り口は企業の重役や政治関係者が好む高級カフェ&バーの内部に設置されている。これは、秘密を抱えた者が集う場所では互いに探りを入れないという暗黙の了解を利用した巧妙なカモフラージュで、店内に配置されたスタッフも日本支局の職員である。

「地球の子」が地球存亡の危機に立ち向かう「使命の日」

秘密組織「WestE.(ウェイスト)」の管理下にある「地球の子」は、表向きには国際連合の職員として扱われている。その業務内容は、遺失物の捜索や人道支援、環境保全、凶悪犯の鎮圧、紛争の抑止や仲裁など多岐にわたり、念動力を駆使して世界平和に貢献している。しかし、これらの活動は地球の子の本来の役割ではなく、「使命の日」の訪れが宿命づけられている。その内容は、小惑星の接近やブラックホールの出現など、人類はもちろん、地球の存亡に直結する規模のものばかり。使命の日を迎えた地球の子は何者かの声を聞くとされており、使命を果たすと代替わりするように別の人間が新たな地球の子として覚醒する仕組みになっている。地球の子は使命の日に壮絶な最期を遂げるとされているが、かれりの先代の地球の子であるアルベール・グラハシのような例外も存在する。

登場人物・キャラクター

佐和田 令助 (さわだ れいすけ)

平凡な青年。漠然と誰かの役に立ちたいと願っている。格闘ゲームが得意で、全国大会の準決勝まで進んだ腕前を持つ。交通事故から救ってくれたかれりに惚れ込み、5年間の交際を経て結婚した。かれりと出会った頃は学生だったが、交際中に就職して社会人となった。夫婦仲は良好で、衛(まもる)という子宝にも恵まれた。しかし、衛が生まれてから1年も経たないうちに、かれりのような「地球の子」が命懸けで地球の危機に挑む「使命の日」が訪れる。かれりの葬儀が終わった頃、地球の子を管理する組織「WestE.(ウェイスト)」から次代の地球の子である衛を当局に託し、すべてを忘れるよう提案されるが、管理だけでは人は育たないと反論し、衛を自らの手で最強のヒーローに育てると宣言した。この際、念動力の暴走で手に負えない状況だった衛を落ち着かせ、WestE.に自らの有用性を示した。その後、先代の地球の子であるアルベールの協力を得て、まだ幼い衛と共に命懸けのミッションに挑むことになる。

星降 かれり (ほしふり かれり)

令助を交通事故から救った若い女性。赤みを帯びたロングヘアに縁なし眼鏡をかけている。その正体は秘密組織「WestE.(ウェイスト)」の管理下にある「地球の子」で、念動力を駆使して世界平和に貢献している。任務に赴く際には髪をポニーテールにして眼鏡を外し、ヘッドホン型の特殊マスクを装着する。また、危険を伴う任務では特殊スーツを着用することもある。事故から数日後、記憶消去アプリによって事故の記憶を消されたはずの令助に声を掛けられ、他愛のない会話を楽しむ関係になった。その後、令助と恋仲になり、5年後にプロポーズを受け入れて「佐和田」の姓を名乗るようになった。やがて一児の母となるが、地球の子の宿命である「使命の日」が訪れ、地球に接近中の小惑星と対峙することになる。かれりが命懸けで小惑星を破壊した事実は隠蔽され、公には飛行機の事故で死亡したと発表された。なお、彼女の両親は地球の子に関する記憶を改竄されている。

書誌情報

地球の子 3巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第1巻

(2022-06-03発行、978-4088831466)

第2巻

(2022-08-04発行、978-4088831947)

第3巻

(2022-10-04発行、978-4088832890)

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