カワセミさんの釣りごはん

カワセミさんの釣りごはん

福岡の田舎町に引っ越してきた女子高校生nの白梨翡翠は、学校に馴染めず一人ぼっちの学校生活を送っていたが、ある日、となりの席に座るヤンキー風の女子、魚取魚鷹に、薄暗い山の中にある水辺へと強引に連れ出される。そして魚鷹は、何が始まるのかと恐れおののく翡翠の前で釣りを開始する。二人なら、楽しさも美味しさも無限大とばかりに、釣りを楽しむ二人の女子高校生の姿を描く、フィッシング&クッキングコメディ。「月刊アクション」2019年8月号から掲載の作品。

正式名称
カワセミさんの釣りごはん
ふりがな
かわせみさんのつりごはん
作者
ジャンル
料理
 
釣り
レーベル
アクションコミックス(双葉社)
巻数
既刊10巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

白梨翡翠は、親の仕事の都合で、東京から福岡の田舎に引っ越してきたばかり。転入した高校では、持ち前の人見知りが仇となり、友達もできないまま一人ぼっちの学校生活を送っていた。そんなある日、翡翠はとなりの席の魚取魚鷹から、突然声を掛けられる。そして、田舎のヤンキー風な外見の魚鷹にすっかりびびってしまった翡翠は、断る間もなくバイクに乗せられ、強引に薄暗い山の中へと連れて行かれてしまう。状況が把握できず、命の危険すら感じ始める翡翠の前で、魚鷹がおもむろに始めたのは、なんと魚釣りだった。魚鷹は、この辺りはヤマメが釣れる穴場だと楽しげに語りながら、手慣れた様子で竿を捌(さば)き、見事なヤマメを釣り上げる。翡翠はそんな魚鷹に対し、すごいと素直な反応を見せる。釣りというと同世代の女子は嫌な顔をするのに、翡翠の意外な反応に気をよくした魚鷹は、翡翠にも釣りを勧める。翡翠は、見るのとやるのは別だと最初は固辞するが、強引な魚鷹に負けてイヤイヤながら釣り糸を垂らし始めると、意外にも簡単にヤマメを釣り上げることに成功。なおも困惑する翡翠だったが、その直後に魚鷹が取り出した調理道具収納バッグを見て表情を一変させる。翡翠は料理のことになると目の色を変え、ふだんは少ない口数も噓のような弾丸トークになってしまうほどの料理大好き女子だったのである。そして翡翠は、とりあえず食べられればいいとばかりに、釣ったばかりのヤマメを適当に調理しようとする魚鷹を全力で引き止め、自ら調理道具を手に取り一心不乱に料理を始める。いつもより数倍美味しくなったヤマメを口にして感動した魚鷹は、釣りをするなら、釣りにかかわるほかのことも楽しむことが大事だと自らのポリシーを語り、またいっしょに釣りに行こうと翡翠を誘う。しかし、翡翠の返事は先ほどと変わらず、全力で拒否するものだった。

登場人物・キャラクター

白梨 翡翠 (やまなし かわせみ)

魚取魚鷹の通う高校に転校してきた女子。親の仕事の都合で東京から福岡の田舎に引っ越してきたばかり。人見知りで引っ込み思案な性格が仇となり、学校に馴染めずに寂しい時間を過ごしている。料理が得意なため、調理部に入部しようとしていたが、調理部の扉を開ける勇気がなかった。卒業まで一人ぼっちの暗い学校生活を覚悟した時、となりの席に座る魚鷹から声を掛けられ、強引に釣りに連れて行かれた。最初は魚鷹の迫力ある外見と、気の強そうな性格に物怖じしていたが、釣りがきっかけで魚鷹となかよくなる。エサに使う虫が苦手なこともあり、釣りには興味を持てなかったが、釣った魚を魚鷹に代わって調理するようになってからは、張り切って参加するようになった。魚を調理するみごとな手さばきと出来上がったものの美味しさに、魚鷹から次回もいっしょに釣りに行こうと誘われるも、全力で拒否。しかし結局、日常的に彼女のペースに巻き込まれる形となり、釣りを中心としたアウトドアに付き合うことになる。基本的につねに友達がいなかったため、魚鷹は久しぶりにできた友達。彼女の強引な性格や怖い雰囲気から、友達としての接し方を悩む余裕もなく、なんとなく自分の素を出して接していた。それが二人のあいだにいい関係を作り出し、友達として絆を深めていくことになる。

魚取 魚鷹 (うおとり みさご)

白梨翡翠のクラスメイトの女子高校生。翡翠のとなりの席に座っている。魚釣りが趣味で、一人ぼっちで過ごしていた翡翠に声を掛けて強引に釣りに誘った。金髪ロングヘアに気崩した制服姿と、ちょっと荒っぽいしゃべり方のために見た目の印象はかなり田舎のヤンキー感があり、翡翠からは怖がられていたが、その実体はただの釣り好きなふつうの女子。エサのカワゲラは嫌悪感なく触れるが、釣った魚を捌く時に出る大量の血を見るのは苦手という、乙女な一面もある。もともと料理には疎く、釣った魚を食べる時も適当に調理して、食べられればそれでいいと思っている。しかし、翡翠と釣りに行って彼女の料理の腕に感動。次からもいっしょに釣りに行こうと誘うも、翡翠から怖がられていたこともあり、全力で断られてしまう。だが、その後も学校では翡翠が得意な料理をエサに、釣りを中心としたアウトドアにいっしょに出かけるようになる。もともと人とつるんで行動することに苦手意識があり、基本的に一人でいることが多かったが、翡翠のナチュラルな態度が気に入り、友達として関係を深めていく。巨乳で長身という抜群のスタイルの持ち主で、私服はいつも腹出しパンツスタイル。超ローライズのため、しゃがむといつも半ケツ状態になってしまうが、まったく気にしていない。学校で担任を務めるのが実の姉の魚取音々子ということもあり、勉学にはあまりまじめに取り組んでいない。兄妹仲がよく、特に兄の魚取匠真からはかわいがられている。

魚取 匠真 (うおとり たくま)

魚取魚鷹、魚取音々子の兄。魚鷹とよく似ていてヤンキー感漂う威圧感のある風貌でガタイもよく、かなり強めの九州訛りでしゃべる。アウトドアや釣りが好きで、なんでも形から入るタイプのため、さまざまなアウトドアグッズを未使用のまま倉庫に眠らせている。魚鷹が白梨翡翠を自宅に連れてきた時には、二人の姿がまるで彼氏彼女のように見え、最近話題の同性カップルと勘違いする。それをそのまま音々子に伝えたため、音々子にも誤解を招いてしまう。頭は悪いが気のいい、頼りがいのある人物。新たに魚釣りを始めた翡翠に、漁券代を出してあげたり、一人で釣りに行ったまま戻らない翡翠を車で迎えに行ったりと、何かと魚鷹と翡翠の釣りライフを応援している。バカはカゼを引かないという言葉どおり、ここ数年は病気知らず。

魚取 音々子 (うおとり ねねこ)

魚取魚鷹の姉で、魚取匠真の妹。魚鷹のクラスの担任教師を務めている女性。魚鷹が白梨翡翠を自宅に連れてきた時に、匠真が二人を最近話題の同性カップルと思い込んだまま状況を伝えたために、魚取音々子自身も匠真と同様に勘違いしたままになっている。魚鷹よりも背が高く、巨乳の持ち主。魚鷹からは「ネコ姉」と呼ばれている。

小潟 羽白 (こがた はねじろ)

白梨翡翠、魚取魚鷹のとなりのクラスに在籍する女子高校生。幼なじみでクラスメイトの玖瑪黒子といっしょに、父親が店長を務める釣具店「コガタつり具店」でアルバイトを始めた。それがきっかけで、最近女子のあいだでも人気になりつつある釣りを始め、今ではすっかり釣り好きになった。物を雑に扱うところがあり、それが災いして初めて購入した高価な釣り道具も、すぐに壊す結果となった。釣具店での仕事は、接客やレジ対応がメイン。魚鷹と翡翠が来店し購入する際は、割引価格にすることを約束した。基本的に、客には無理な購入を押し付けないが、時には大胆な割引をするなど、臨機応変に接客を行っている。黒子には「シロ」と呼ばれている。

玖瑪 黒子 (くめ くろこ)

白梨翡翠、魚取魚鷹のとなりのクラスに在籍する女子高校生。目つきが悪く、生まれ持ったハの字眉毛も相まって、ふつうにしていてもにらみを利かしていると誤解を受けることが多い。幼なじみでクラスメイトの小潟羽白に誘われ、羽白の父親が店長を務める釣具店「コガタつり具店」でアルバイトを始めた。それがきっかけで、最近女子のあいだでも人気になりつつある釣りを始め、今ではすっかり釣り好きになった。釣具店での仕事は接客やレジ対応だけでなく、魚拓にするため釣った魚を客から預かるなど、多岐にわたる。釣り焼けで肌はいつも真っ黒ながら、元陸上部だったこともあり、肌へのケアは特に気にしていない。羽白には「クロ」と呼ばれている。

書誌情報

カワセミさんの釣りごはん 10巻 双葉社〈アクションコミックス〉

第6巻

(2022-07-12発行、 978-4575857344)

第7巻

(2023-01-12発行、 978-4575858013)

第8巻

(2023-07-12発行、 978-4575858617)

第9巻

(2024-01-12発行、 978-4575859270)

第10巻

(2024-07-25発行、 978-4575859904)

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