あらすじ
第1巻
明るく天真爛漫なサチと内向的で人見知りなあやりは、互いの親同士の再婚により姉妹になったばかりだったが、両親は二人を置いて世界中を渡り歩く海外出張へ行ってしまう。こうして新居に残された二人は、急変した環境と互いの存在に困惑を隠せないでいた。姉妹とはいっても実際は同年齢であり、逆に気まずくて何を話していいのかわからないサチは、親友の絵梨に何も知らない相手と突然家族になった事への不安や悩みをこぼす。すっかりナーバスになったサチに、絵梨は姉として頑張るようにとエールを送って元気づけるのだった。そんな中、新居に新たな荷物が届けられた。中には立派な生ハム「ハモン・セラーノ」の原木が入っており、それを見た途端、いつもは硬い表情のあやりが目を輝かせ、てきぱきと生ハムにありつくための準備を始める。そして二人は、あやりが嬉々として切り出した生ハムと、サチが学校からの帰り道に買って帰って来たバゲットを使って、贅沢なサンドイッチを作るのだった。料理をしながら、自分が感じていた不安な思いをそれぞれに吐露した二人は、互いが取り越し苦労をしていた事に気づく。こうして「料理」というキーワードによって、二人は家族になるための第一歩を踏み出すのだった。(1品目「生ハムサンド」。ほか、4エピソード収録)
第2巻
ある日、サチは学校の調理実習で、翌週にプリンを作る事になった。料理が苦手なサチは、調理実習の時はいつも絵梨のまわりをうろうろして食べる事のみを専門としていたが、今回に限り、絵梨は自分の分は自分で作れとサチを突き離す。サチは大好きなプリンを食べるため、苦手な料理を克服しようと、自宅で予習を開始。しかし簡単な目玉焼きですら、火災発生寸前の大惨事を引き起こしてしまう。このままではプリンが食べられないとすっかり落ち込んだサチはあやりに助けを求め、二人は実際にプリンを作ってみる事にする。あやりの活躍により、カラメルソースから手作りする本格的な蒸しプリンは、シンプルな材料ながら、正統派なものに仕上がった。次は実際にサチ一人で作ってみようと動き始める中、サチは卵の殻を器にする事でプリンをかわいくしようと考案。こうしてかわいらしいプリンを作る事に成功したサチは、迎えた調理実習の当日、新たなアイディアを実現させようと張り切る。(6品目「プリン」。ほか、4エピソード収録)
第3巻
絵梨のもとにラブレターが届いた。それを目にしたサチは、小さい頃からずっといっしょだった絵梨に彼氏ができてしまったら、今までのように学校でいっしょにご飯を食べる事ができなくなってしまうのではないかと、大きなショックを受けてしまう。話を聞いたあやりは、その気持ちを料理に込めて、絵梨にプレゼントしてはどうかと提案。サチは、絵梨が大好きなマカロンを手作りする事で、胃袋を掴もうとやる気を見せる。マカロン作りはサチにとっては少々難度の高いものだったが、あやりの手を借りつつ見事に成功する。翌日、気持ちのこもったマカロンを手に学校へと向かったサチは、改めて屋上に絵梨を呼び出し、マカロンを手渡しながら、彼氏ができてもいっしょにご飯を食べたいと告白する。(12品目「マカロン」。ほか、5エピソード収録)
第4巻
バレンタインデーが近づき、サチはにわかにソワソワし始める。小学生の頃から、サチはバレンタインデーに絵梨からもらう手作りのチョコレートを楽しみにしており、一方の絵梨も、サチに喜んでもらいたい一心で、毎年工夫を凝らしてチョコレート作りに精を出していたのである。だが、サチにあやりという妹ができてからというもの、絵梨は何となく自分とサチの関係に以前のような自信を持つ事ができなくなっていた。そんな思いを抱えながら、絵梨はオレンジのスライスにチョコレートをコーティングした「オランジェット」作りに挑む。手間暇をかけ、丁寧に作り上げられたオランジェットは、オシャレなスイーツ店で売っている商品のような出来栄えとなった。そして迎えたバレンタインデー当日。絵梨はサチとあやりの家に呼ばれ、三人でチョコレートの交換会をする事となった。互いに用意したチョコレートを食べる中、サチとあやりのもとに、海外の両親からチョコレートと共に手紙が届く。その手紙には、スイスで家族四人いっしょに暮らさないかと書かれていた。(21品目「オランジェット」、22品目「海鮮丼」。ほか、4エピソード収録)
第5巻
新年度を迎え、サチとあやりは高校2年生になった。人見知りゆえに緊張すると表情が硬くなり、誤解されやすいあやりは、学校では怖い人だと勘違いされていた。あやりと同じクラスでいっしょに飼育委員を務める事になった篠田なおもまた、あやりにそんな印象を抱く一人だった。相方のあやりと連携が取れない事は、大好きな動物の健康にも影響する一大事であると考えたなおは、自由なグループで食事する事を許された月に一度のお弁当の日、あやりの事を理解しようと、意を決して声を掛ける。不意に声を掛けられたあやりは、緊張で顔をこわばらせたまま、なおといっしょに食事を始める。そんな中、なおがしゃけのおにぎりを食べているのを見たあやりは、彼女に茶色くて丸い球状の物体を手渡す。もしかしたら毒なのではないかと身構えるなおに、あやりは続けてスープジャーに入ったお湯を差し出す。あやりに言われるがまま、丸いものを湯に溶いて口にしたなおは、それはまぎれもなく味噌汁である事に気づく。そして味噌汁について語るあやりを見て、なおは自分があやりの事を誤解していた事を知るのだった。(25品目「味噌玉」。ほか、5エピソード収録)
実写ドラマ
登場人物・キャラクター
サチ
あやりの義姉で、女子高校生。自分の父親とあやりの母親が再婚したため、姉妹となった。ちなみに年齢はあやりと同じ。外見も中身も、あやりと比較すると子供っぽく、およそ姉らしくないことを気にしており、どうにか姉らしく振舞おうと努力している。天真爛漫で天然ボケなところがあるが、芯が強くしっかりしており、時にあやりを姉らしく導くこともある。 料理は苦手だが、食べることが何よりも大好きで、一日中いつも何かを食べている。勉強は意外にも得意なため、あやりに教えてあげることも少なくない。小さい頃から父親が不在がちだったので常に寂しい思いをしており、友人の絵梨と過ごすことが多かった。
あやり
青山付属高校に通う女子高校生。サチの義妹。サチの父親と自分の母親が再婚したため、姉妹となった。ちなみに年齢はサチと同じ。小さい頃から1人で過ごすことが多く、また生真面目で内向的な性格のため、会話や感情表現が苦手。極度の人見知りで、緊張すると目つきが鋭くなって人相が悪くなるため、初対面の相手に何かと誤解されやすい。 趣味は料理で、料理をしている時だけは饒舌になる。また料理に関する本や、専用調理器具が大好きで、たくさん集めている。休日に友達と出かけたりすることもなかったため、ごく一般的なことも知らない傾向にある。また、自宅ではパジャマ以外は常に制服を着用しており、休日の外出も制服を着用している。
絵梨 (えり)
サチの幼なじみであり、クラスメイトの女子高校生。学校ではいつもサチと行動をともにしており、学校が休みの日もサチの家に遊びに行くことがある。しっかり者で面倒見が良いお姉さんタイプ。小さい頃からサチと一緒に過ごしていたため、サチの性格を完全に把握しており、何かと世話を焼いている。だが、サチにあやりという妹ができてからというもの、何となく寂しく感じることが増えている。 料理上手のため、のちに料理の話題を通じてあやりとも親交を深めていく。スイーツに目がなく、美味しいスイーツの店ができたと聞けば、即座に赴く。特に好きなのはマカロン。
みのり
あやりの母親の妹で、あやりの叔母にあたる女性。ショートヘアのさばさばした性格の女性で、スキンシップも豪快。あやりの母親が再婚する前は、不在がちだった姉に代わり、夏休みなどにはよくあやりを預かって面倒を見ていた。職業は猟師で、行政や農家からの依頼を受けて、害獣駆除を行っている。
篠田 なお (しのだ なお)
あやりと同じ学校に通う女子高校生。ショートヘアで、快活な雰囲気を漂わせている。飼育委員を務めており、世話をする動物にそれぞれ名前を付けて呼びかけるほど動物好き。クラスメイトのあやりの事を、その目つきの悪さから、怖い家の人だと勘違いして怖れていた。しかし、同じ飼育委員として動物の世話をする中で、もっと理解し合い連携する事が必要と考え、意を決してあやりにいっしょにお昼ご飯を食べようと声を掛けた。これをきっかけにあやりへの誤解を解き、なかよくするようになる。写真を撮る事に興味があり、写真を介してサチともなかよくなった。実はサチの父親である写真家の白佐木透の大ファンで、彼の出す写真集はすべて購入している。
書誌情報
新米姉妹のふたりごはん 10巻 KADOKAWA〈電撃コミックスNEXT〉
第1巻
(2015-12-19発行、 978-4048656535)
第2巻
(2016-07-27発行、 978-4048659970)
第3巻
(2017-02-27発行、 978-4048927161)
第4巻
(2017-08-26発行、 978-4048932424)
第5巻
(2018-03-24発行、 978-4048937160)
第6巻
(2019-01-25発行、 978-4049122923)
第7巻
(2019-10-26発行、 978-4049128369)
第8巻
(2020-08-27発行、 978-4049133899)
第9巻
(2021-06-25発行、 978-4049138573)
第10巻
(2022-05-27発行、 978-4049144321)