隣の男はよく食べる

隣の男はよく食べる

彼氏いない歴10年の大河内麻紀は、気がつけばオシャレも体型維持も疎かになり、すっかり地味な女に成り下がっていた。そんな麻紀は、家の鍵をなくしたことがきっかけで、となりに住む年下男子の本宮蒼太と知り合い、体の関係へと発展する。しかし、麻紀は年齢を気にするあまり素直になれず、蒼太の好意を真っすぐに受け入れることができない。30代半ばを迎えたOLが、年下の大食い男子に愛され、10年ぶりの恋に翻弄される姿を描く、歳の差ラブストーリー。「officeYOU」2019年3月号から不定期掲載の作品。

正式名称
隣の男はよく食べる
ふりがな
となりのおとこはよくたべる
作者
ジャンル
料理
 
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あらすじ

きっかけ

30代半ばのOLの大河内麻紀は、会社から帰宅して家に入ろうとするが、鍵をなくしてしまったことに気づく。出張のため、パスポートが必要な麻紀はどうしても部屋に入らなくてはならないものの、すでに深夜のために管理会社には連絡がつかず、どうしようもない状況に玄関の前で青ざめて立ち尽くしてしまう。するとそこに、となりの部屋に住む本宮蒼太が、偶然にも玄関から顔を出す。ふだんはただあいさつを交わすだけの関係に過ぎなかったが、背に腹は代えられないとばかりに麻紀は状況を説明し、蒼太の部屋のバルコニーを通らせてほしいと願い出る。突拍子のない話に蒼太がドン引きしているのを感じながらも、なんとか麻紀は蒼太の許可を得てバルコニーから自室へと移って、無事窓から部屋に入ることができた。もともと蒼太に対して、感じのいい人という印象を持っていた麻紀は、出張から戻ると、思い切って隣室に先日のお礼に向かうことにした。麻紀は彼氏いない歴10年、気づけば自分磨きもすっかり疎かになって最近ではヒールのある靴すらはかず、彼氏が欲しいと思ってはいても、恋愛には臆病になる一方で、年齢的にもどんどん追い込まれる状況にあった。そんな麻紀にとっては、気になっていた男性とお近づきになれる願ってもないチャンス。友人に相談した末に、出張みやげと共に手料理を持って蒼太の部屋へ行くことに決め、麻紀が恐る恐る訪ねると、蒼太は彼女の手料理を予想以上に喜んでくれるのだった。人に肯定的な反応をしてもらったことに喜びを覚えた麻紀は、また差し入れをしようと心に決める。その後、何かと遠慮のない性格の蒼太は、あいた容器を返しに来たりおかわりを要求したりと、頻繁に麻紀の部屋を訪ねるようになる。こうして手料理を渡すのが日常化してきた頃、蒼太はなんの前触れもなくビールと食材を持って麻紀の部屋にやって来る。男性を自分の部屋に上げることにためらいつつ、麻紀は蒼太を招き入れると、蒼太は料理を始めた麻紀を抱きしめ、今すぐ抱きたいとせまる。蒼太のストレートなアプローチに絆されそうになりながらも、瞬時に麻紀の脳裏に浮かびあがったのは、手入れを怠った自分の体やムダ毛の処理、上下バラバラの下着だった。現実に引き戻された麻紀はギリギリのところで冷静になり、蒼太を拒絶する。しかし翌日、友人に頑なな自分を叱責され、あらためて背中を押されると、久しぶりに気持ちの高まりを感じるのだった。そして麻紀は、すべてを年齢のせいにして恋愛に臆病になる自分を奮い立たせ、リベンジを決意。そして意を決して手料理を持って蒼太の部屋を訪ねる。

登場人物・キャラクター

大河内 麻紀 (おおこうち まき)

アパートの302号室で一人暮らしをしているOLで、年齢は30代半ば。もう10年ほど彼氏がいない状態が続いており、気づけば化粧や服、アクセサリーなどが地味になり、ヒールのある靴もはかなくなった。彼氏が欲しいと思ってはいるものの、年齢的にアクションを起こすことが怖くなり、あとがない状況へと追い込まれている。料理が得意で、レシピ本は欠かさずアップデートしている。ある時、家の鍵をなくしたことがきっかけで、となりの部屋に住む本宮蒼太と知り合った。その後、お礼の気持ちを込めて、出張みやげと共に手料理を持っていったことが喜ばれ、その後もちょくちょく料理を持っていくようになる。日常的に互いの部屋を行き来するようになり、蒼太からは早い段階からアプローチを受けるが、長年にわたって大河内麻紀自身への手入れをサボっていたことで、女性としての自信を失っていたため、すぐには応じることができなかった。しかしその後、蒼太の気持ちを受け入れると決め、体の関係へと発展するが、恋人同士ではなく都合のいい女止まりで維持することになる。それ以来、自分にせまりくる老いに抗い、若さに嫉妬して周囲からの圧力を必要以上に感じ始める。さらに、麻紀自身が蒼太にとって自分は食事の世話とセックスの相手でしかないと感じるようになり、自分の自信のなさから蒼太のちょっとした言動に翻弄されるようになる。また、年齢や性格の違いから、蒼太とのあいだで考え方や感覚の違いを感じ始め、素直になることができずに思い悩んでいる。会社では周囲からの信頼も厚く、上司の篠原一義が部長として3年ぶりに部署に戻ってきた際、彼の推薦を受け、主任から一気に課長へと昇進することになる。

本宮 蒼太 (もとみや そうた)

アパートの301号室で一人暮らしをしている男性。出版関係の会社でデザイナーを務めており、自宅でも忙しく作業を行っている。ある時、となりの部屋に住む大河内麻紀から、部屋の鍵をなくしたことを理由にバルコニーを通らせてほしいと頼まれ、それに了承した。後日、そのお礼に出張みやげと手料理を渡されると大食漢なこともあり、もらってすぐに料理を平らげ、麻紀の手料理のおいしさに感動。すぐに容器を返して会話するうちに、もともと遠慮のない性格だったことも手伝って、互いの部屋を行き来するようになり、いっしょに食事をする関係となる。麻紀に大人の魅力を感じてアプローチするようになり、体の関係へと発展する。本宮蒼太自身としてはそこから恋人同士になる感覚でいたが、麻紀の年齢を気にする微妙な精神状態が影響し、彼女への真剣な思いはなかなか伝わらず、都合のいい関係を維持する形となってしまう。その後も何かと年齢を過剰に気にする麻紀と、マイペースな自分の性格が災いして、すれ違うことが多くなり、心の距離感は縮まらずにいる。麻紀よりかなり年下だが、蒼太自身はあまり気にしたことはない。とにかくいつもおなかをすかせており、一度に食べる量も非常に多い。

渡部 (わたべ)

大河内麻紀の部下である男性で、年齢は20代後半。早婚だったため、現在は二児の父。失言が多く、仕事でもミスが目立つ問題児。取り引き先から納期を繰り上げてほしいとの要望があった際、なんとかなるだろうと自己判断して、誰に相談することもなく勝手に引き受けた。のちに麻紀に相談した時点で、当初は20日あったはずの納期が半分になっていたため、会社の各部署に大きな迷惑を掛けることになった。その後、さらに取り引き先との接待の内容をSNSに無断で掲載したことが発覚し、会社から厳しく叱責された。

篠原 一義 (しのはら かずよし)

大河内麻紀と同じ会社に勤める男性。以前は麻紀と同じ部署でいっしょに働いていたが異動し、3年ぶりに部長に昇進して部署に戻ってきたことで、麻紀を課長に抜擢した。部下のどこを評価すればいいかを熟知しており、自分のもとで働く部下への褒め言葉も欠かさない。現在は妻と離婚したため、10歳の娘の篠原ひよりと二人暮らし。かわいい娘の存在にいつも癒されている一方で、ひよりへの束縛は少々強めなため、ひよりからは早く彼女をつくってと不満を言われることもある。

篠原 ひより (しのはら ひより)

篠原一義の娘で、年齢は10歳。両親が離婚したため、一義と二人で暮らしている。最近オシャレや化粧に興味を持ち始めており、クラスメートの男の子の誕生日会に行くため、一義に化粧品を買ってほしいとせがんだが、許してもらえなかった。一義とのショッピング中、偶然に大河内麻紀と遭遇し、会社の仕事仲間として紹介された。その後、事情を知った麻紀から、サンプル品の色付きリップをプレゼントされ、そのリップを持って誕生日会に参加し、みんなに自慢した。一義のことは大好きながら、束縛が強いため、彼女をつくることを勧めて自分への注意をそらそうとしている。

寺田 (てらだ)

本宮蒼太と同じ会社に勤める同僚の女性。一人暮らしを始めるにあたり、物件を探していた時に蒼太から紹介され、同じアパートに住むことを決めた。へそ出しスタイルにショートパンツと、露出度はかなり高め。オシャレ度の高い食事を好んでいる。仕事の納期がせまると、蒼太の部屋に入り浸って仕事をすることもあり、大河内麻紀にその関係を誤解された。

友人 (ゆうじん)

大河内麻紀の友人の女性。同じ会社に勤める同僚で、よく麻紀と昼食を共にしている。麻紀の相談相手で、よき理解者でもある。年齢的に恋愛に弱気になりがちな麻紀へ遠慮のない言葉を掛け、彼女の背中を押す役割を担っている。

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