概要・あらすじ
時は昭和45年。ペナントレースでも連覇を重ねる読売ジャイアンツだが、川上哲治監督はおとなしくまとまっているジャイアンツには豪快な侍のような選手が必要と考えていた。二軍選手・八幡の後輩で、「クジラみたいな強くてでかくて威張った奴」を倒すことに闘志を燃やす番場蛮に、川上は侍を見出しジャイアンツに迎える。
ジャイアンツを球界のクジラに見立てた蛮は、内側からジャイアンツを喰い破る覚悟を秘めて、強豪やライバルがひしめくプロ野球の世界へと踏み込んでいく。
登場人物・キャラクター
番場 蛮 (ばんば ばん)
土佐出身で明るく豪快な性格の主人公。子どもの頃にクジラ猟で父親を失ったことから、クジラのような「強くてでかくて威張った奴」に対して異様な闘志を燃やす。最初はジャイアンツを内側から倒すつもりだったが、しだいにジャイアンツの一員としての意識に目覚めていく。 殺人ノーコンと呼ばれる剛速球が持ち味だが、コントロールを矯正したために生まれた弱点を克服すべく、様々な魔球を編み出しライバル達に挑んでいく。
美波 理香 (みなみ りか)
蛮と同じ高校の女生徒で地元の網元の娘。漁師の息子である蛮とはぶつかり合うこともあるが、「強い男が好き」と公言して蛮を挑発したり、同郷のライバルである眉月光との交際を匂わせたりと、彼を憎からず想っている。
大砲 万作 (たいほう まんさく)
木こりで鍛えた桁外れのパワーを持つ巨漢で中日ドラゴンズの選手。そのパワーを駆使した強打で蛮の魔球を打ち砕くなど、幾度となく死闘を繰り広げる。
眉月 光 (まゆづき ひかる)
蛮と同郷のライバルでヤクルトスワローズの選手。容姿端麗で、理香と交際しているそぶりも見せて蛮をいらだたせることも。貴公子然とした物腰に似つかわしくない血みどろの特訓を重ねて、蛮の魔球を攻略する。
八幡 太郎平 (はちまん たろへい)
蛮の高校の先輩で、彼がジャイアンツに入団するきっかけを作る。温和な性格が災いして二軍でくすぶっていたが、蛮の世話係を任されたのをきっかけに選手としての転機を迎える。キャッチャーとして蛮の女房役を務め、ノーコン矯正や魔球開発にも一役買うなど、厚い友情で彼を支えていく。
川上 哲治 (かわかみ てつはる)
かつて「打撃の神様」とも呼ばれた名選手で、ジャイアンツのV9時代を支えた名監督。ジャイアンツには侍のような選手が必要と考えて、蛮をスカウトする。勝負の厳しさを知るがゆえに、時には非情とも取れる態度も見せるため、蛮とはしばしば衝突することも。
ウルフ・チーフ (うるふちーふ)
ネイティブアメリカンのアパッチ族の末裔で、野性的な攻撃性と超人的なジャンプ力から繰り出す「殺人スライディング」を得意とする。オークランド・アスレチックスの選手として対戦した際に蛮に敗北し、そのリベンジのために阪神タイガースに移籍。 蛮の魔球を破るべく死闘を繰り広げる。
クレジット
原作
侍ジャイアンツ (さむらいじゃいあんつ)
1970年代。土佐生まれの、八方破れな自称サムライの高校生番場蛮が主人公。紳士野球を変えたいと、読売ジャイアンツ監督の川上哲治が蛮を入団させる。そこで、蛮は独自の魔球を考案。血のにじむような努力と根性... 関連ページ:侍ジャイアンツ