僕はどこから

僕はどこから

他人の書いた文章を書き写すことで、その文体や書いた人間の思考を完全にコピーできる特殊能力を持つ青年が、替え玉受験に加担したことで殺人事件に巻きこまれるクライムサスペンス作品。「週刊ヤングマガジン」2018年7号より連載開始。2020年1月に実写ドラマ化。

正式名称
僕はどこから
ふりがな
ぼくはどこから
作者
ジャンル
サスペンス
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概要・あらすじ

小説家志望の青年・竹内薫は、文章を書き写すことで、それを書いた人間の文体や内容、はては筆跡や思考まで完全にコピーできる能力を持っていた。若年性認知症の母親の介護とアルバイトをしながら、小説の執筆を続けていた竹内だが、自分独自の個性を持った作品を書くことができず、編集者からはなかなか認められずにいた。そんな中、母親が階段から滑り落ちて入院してしまう。

竹内は莫大な入院費を捻出するため、エリートヤクザの道を歩む中学時代の友人・藤原智美の誘いに乗り、とある大学の入試試験を替え玉受験することになる。かつてない集中力を発揮し、無事替え玉受験を成功させた竹内だったが、受験中、彼は替え玉受験の依頼人・井上玲の常軌を逸した殺意を感じ取っていた。

受験後、井上の自宅を訪れた竹内は、そこで井上の母親の死体を発見する。さらに、折悪しく近隣住民の通報を受けた警察官が現れたことで、竹内は殺人事件の容疑者として警察に身柄を拘束されてしまうのだった。

実写ドラマ

2020年1月に実写ドラマ化。テレビ東京系「ドラマホリック!」枠にて放送。主人公の竹内薫を中島裕翔(Hey! Say! JUMP)、親友の藤原智美を間宮祥太朗が演じる。

登場人物・キャラクター

竹内 薫 (たけうち かおる)

メガネをかけた20歳の男性。誰に対しても敬語で話す。ふだんから雰囲気が暗く、周囲の人からは「地獄のような顔色をしている」と言われることも多い。小説家志望であり、執筆した小説を出版社に持ち込んでいる。若年性認知症の母・竹内陽子と二人暮らしで、アルバイトをしながら母親の介護をしているヤングケアラーという一面も持つ。文章を一度書き写すことで、その文章を書いた人物の文体や内容、さらには手書きの文章であれば筆跡までも完全にコピーすることができるという特殊能力を持つ。 一度文章をコピーすると、深く集中することで文章を書いた人間の思考すらも感じ取ることができるほど。そのため、小説家としては自分独自の個性を持った小説作品を執筆することができず、参考にした作家の模倣にしかならないため、編集者からはなかなか認められていない。 ただし、小説の内容自体はレベルが高く、編集者も有名作家の新作と間違えるほどの作品を執筆しており、編集者からはゴーストライターの依頼をされたこともある。エリートヤクザの道を歩む友人・藤原智美から、依頼者に代わって大学入試の小論文試験を受験するという、替え玉受験の依頼を持ちかけられる。 犯罪であることを知りながらも、怪我をして入院した陽子の高額な入院費を捻出するため、依頼を受ける。その後、替え玉受験には成功するが、受験直後に依頼人の井上玲が、自分の母親を殺害してしまい、その第一発見者として警察に任意同行させられることになる。さらに、犯行時刻には真犯人である井上の替え玉として入試試験を受けていたため、警察からは容疑者とみなされてしまう。

藤原 智美 (ふじわら ともみ)

若干20歳にして広域暴力団傘下の組長を務める男性。中学時代の同級生である竹内薫の数少ない親友。15歳のときに、妹が書き置きを残して失踪し自殺を図るという事件を起こし、その際、竹内が特殊能力を駆使して妹の居場所を突き止め、自殺を未然に防いだという過去を持つ。それ以来、竹内のことを親友とみなすようになっている。竹内のことは、能力だけでなく友人としても高く評価しているが、その一方で社会不適合者だとも思っており、竹内を裏の世界に引き込もうとしている。 成功報酬2000万円で、依頼人の代わりに大学入試の小論文試験を受験するという仕事を竹内に持ちかける。几帳面な性格で、受験票の偽造などに入念な準備を行う。

竹内 陽子 (たけうち ようこ)

竹内薫の母親。若年性アルツハイマー型認知症を患っており、日常生活から介護を必要としている。そのため、同居している竹内から介護を受けて生活していたが、ある日、アパートの階段から滑り落ちてしまい、鎖骨と大腿骨を骨折、入院することになってしまう。認知症によるせん妄から、騒ぐことも多く、個室への入院を余儀なくされ、多大な入院費用が竹内を圧迫することになる。

井上 玲 (いのうえ れい)

旺慶大学の受験を控えた青年。自分を大学に合格させることに固執する母親の井上涼子から、虐待を受けて育ったためか、非常に内向的な性格の持ち主。母親の希望で、小論文試験のみは竹内薫に替え玉受験を依頼することになるが、内心では替え玉受験に反対している。竹内薫が替え玉受験を行っている時間帯に帰宅し、母親を撲殺したのちに姿を消す。

井上 涼子 (いのうえ りょうこ)

48歳の主婦。息子の井上玲を旺慶大学に入学させることに固執している。人当たりはよいが、息子に対しては日常的に暴力を振るうなどの虐待に及んでいる。入学試験に万全を期すため、成功報酬4000万円でヤクザに替え玉受験を依頼する。しかし、午前の入試が終わり帰ってきた息子によって撲殺されてしまう。

金田 (かねだ)

K談社文芸出版部に勤める男性編集者。小説雑誌の編集部に所属しており、竹内薫の担当編集者をしている。竹内の作品については「他人の頭で考えたような作品」「コピーとして高度すぎるために世に出せない」と評価している。上司の支持で、竹内に有名作家のゴーストライターを依頼する。

会長 (かいちょう)

藤原智美の所属する広域暴力団の会長を務める年老いた男性。井上玲の替え玉受験を藤原に任せる。依頼人について、なにか裏があるらしく、替え玉受験を遂行中の藤原を厳しく監視し、プレッシャーを掛け続けている。また、替え玉受験について素人の竹内薫が関わっていることも快く思っていない。

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