症年症女

人の顔や名前など「個性」が見えなくなり、12歳で必ず死ぬという新種の奇病に冒された2人の少年少女の物語。『めだかボックス』と同じく、原作・西尾維新、漫画・暁月あきらのタッグで描かれる。個性が認識できないという症状の主人公の視点と同じく、ほとんどの登場人物の顔とセリフの一部がマジックで黒く塗り潰されたように描かれているという実験的な作品。「ジャンプスクエア」2016年2月号から2017年5月号にかけて連載された。

正式名称
症年症女
漫画
原作
ジャンル
サスペンス
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
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あらすじ

第1巻

小学生の少年くんは、無個性なクラスメイトや学校教育に嫌気が差し、もう何年も死にたいと考えていた。そんな少年くんは、いつの日からか人の顔や名前、看板の店名など「個性」を表すものが黒く塗り潰されたように見えて、認識できなくなっていた。それは新種の病気の症状だった。治療法はなく、12歳で必ず死ぬと医師に告げられた少年は喜びに打ち震える。そんな新種の奇病で死ねば、病名に自分の名前が付けられ、末永く残るだろうと考えたからだ。それは唯一無二の個性を欲する少年くんには願ったり叶ったりだった。入院した少年くんのもとへは、マスコミや研究者、芸能人、政治家など、連日さまざまな人々がお見舞いにやって来た。しかし、その顔はすべて黒く塗り潰されて見えるし、名前すら聞き取れず、誰なのかもわからない。それでも少年くんは新病研究のモルモットになることを喜び、見舞いに来た人から見下されることに圧倒的な優越感を感じていた。そんな少年くんの病室に、少年くんと同じ病気を患っているという少女ちゃんがやって来る。同じ病気の患者同士はお互いの顔を認識できるらしく、少年くんは少女ちゃんの顔を見ることができた。その顔は自信に溢れ、魅力的で、圧倒的な個性を持っていた。少年くんよりも学年が1つ上の少女ちゃんは、少年くんより先に病死することになる。そうなると病名には少女の名から付けられ、その後に病死した少年くんのことなど、誰も気に留めないだろう。少年くんは少女ちゃんと同じ病院へ転院し、少女ちゃんが病死する前に何としてでも彼女を殺すことを決意するのだった。

第2巻

少女ちゃんと同じ病院へ移り、親しくなったものの、なかなか少年くんは少女ちゃんを殺すことができない。2月も末を迎え、少女ちゃんの命日となる12歳の誕生日3月14日を迎えるまでもう日がない。そんななか、少年くんと少女ちゃんの病気を監視し、研究する医師たちが集う医師会議が開かれていた。12歳で必ず死を迎えるこの奇病は、「12歳までは絶対に死なない」ことが明かされる。そして、この奇病には不老不死の可能性が秘められていることもわかり、各地から集まった名医やヤブなど各医師たちは目の色を変える。一方、少年くんと少女ちゃんの病室には、新たに同じ奇病を発症したという2人の子供がやって来る。

第3巻

少年くん少女ちゃんを殺すことがうまくいかず、日々が過ぎていく。ある日、少年くんは少女ちゃんの顔も黒く塗り潰されて見えなくなり、少女ちゃんの声もほとんど聞こえなくなってしまう。そのことを隠したまま、少女ちゃんとの生活を何とか続けるものの、やがて少女ちゃんの顔を思い出すこともできなくなる。少女ちゃんの死ぬ日は刻一刻と迫っていた。

登場人物・キャラクター

少年くん

ボサボサの髪型で、気だるげな目つきをした小学生の男の子。「個性」に強い憧れを抱いており、周囲の無個性に辟易している。自分が個性を得られるなら、死んでもいいと考えている。病名すらまだ決まっていない新種の難病にかかり、人の顔や名前、固有名詞や個人情報といった「個性のようなもの」が塗り潰されて見えるという、初期症状が発症。治療法はなく、12歳で必ず死ぬと医師から宣告される。 あと1年程度の余命だというのに、原因不明の新病で12歳で死ぬ、という唯一無二の個性を得られる、と喜びに打ち震える。病院に運ばれた時こそ、黒いインクのような血を吐いて倒れたものの、苦痛はなく、入院生活を過ごしていた。少年くんと同じ病気だという少女ちゃんと出会い、彼女の顔だけは普通に見ることができる。 少女ちゃんのような魅力的で痛快な人物が、この病気で先に死んだら、病名も少女ちゃんにちなんだものに決まり、自分の死など話題にもならないと思い、少女ちゃんが病気で死ぬ前に殺さなければと考える。誕生日は4月14日。

少女ちゃん

左のこめかみあたりに巨大なボタンを飾りにつけた、長い黒髪の明るい少女。小学6年生。少年くんと同じ病気に罹っているのだが、少年くんが個性が黒く塗り潰されて見えるのに対し、少女ちゃんの場合は個性が布きれの貼り絵(コラージュ)のように見える。しかし少年くんの顔だけは、普通に見ることができる。自分と同じ病気になった少年くんが入院して来たため、自分が病気であることを認識できて喜んでいる。 まもなく12歳を迎えて死ぬと言われているが、まったく恐れる様子はみせず、少年くんより先に死んで、「おっかなかぁねぇ」ということを教えてやると告げる。嘔吐すると口から大量の布やボタンを吐き出す。知能指数が極めて高い神童で、10歳の時に飛び級で最高学府を卒業している。 なお、父親が殺人鬼、母親が放火魔のため、報道することはタブーとされ、少女ちゃんと病気のことはまったくメディアに取り上げられていない。誕生日は3月14日。一人称は「僕」。

ドク

少年くんが病院内の図書室で出会った白衣の男性。顔は黒く塗り潰されているため認識できないが、金色らしき髪で、後頭部の髪だけを腰のあたりまで伸ばしている。死ぬことがわかっていながら、あと1年近く生き延びなければならない少年くんを哀れみ、自分が処方した、すぐに楽に死ねる薬を手渡す。個性である名前を言っても少年くんには伝わらないため、「ドク」と呼ぶよう伝えた。 その後もたびたび少年くんの前に現れる。

小児さん

新たに少年くんと同じ病気に罹った8歳の子供。個性は砂嵐がかかっているように見える。少年くんと少女ちゃんのいる病院に入院して来るが、同じ病気の者同士は顔を認識できるはずなのに、少年くんには小児さんの顔が塗り潰されて見え、仮病であることがバレる。しかし、小児さんは同じ病気の者なら個性である顔が見えるということを知らないため、仮病がバレていることに気づいていない。

お姫さま

新たに少年くんと同じ病気に罹った6歳の子供。頭に大きなリボンを付けている。個性は花が咲いているように見える。少年くんと少女ちゃんのいる病院に入院して来るが、同じ病気の者同士は顔を認識できるはずなのに、少年くんにはお姫さまの顔が塗り潰されて見え、仮病であることがバレる。しかし、お姫さまは同じ病気の者なら個性である顔が見えるということを知らないため、仮病がバレていることに気づいていない。

女子ちゃん

少年くんと同じ病気に罹ったと思われる小学生の女の子。個性が黒く塗り潰されて見える。しかし、女子ちゃんの時代では、すでに治療法が発見されているうえ、12歳で死ぬこともない。女子ちゃん自身は別に病気が治らなくてもいいし、12歳で死んでもいいと冷めている。

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