概要・あらすじ
一人暮らしをしている女子高校生・野田ハル子は、家庭科の成績が1で、まともな料理が作れないことに悩んでいた。そこでハル子は「毎日あなたのごはんがたべたい」と書いた紙飛行機を飛ばし、自分の代わりにご飯を毎日作ってくれる人を探すことにする。その紙飛行機を偶然拾った加藤誠二に運命を感じたハル子は、「結婚してください」と告白。
ただし、ハル子が言っている結婚とは「ご飯を作ってもらう」という自分の欲を満たすだけのものであり、誠二に対して恋愛感情はまったくなかった。しかし、それでも誠二は「お弁当から始めませんか?」と、ハル子の提案に乗る形で付き合うことを快諾する。こうしてハル子と誠二の、奇妙な恋人関係が始まるのだった。
登場人物・キャラクター
野田 ハル子 (のだ はるこ)
高校2年生の女子。一人暮らしをしているが、家庭科の成績が1で、まともな料理を作ることができない。そのため、料理を作ってもらいたいと、「毎日あなたのごはんがたべたい」と書いた紙飛行機を飛ばした。その紙飛行機を偶然拾った加藤誠二にそのまま告白し、付き合うこととなった。当初はご飯を作ってもらうだけの関係だったが、付き合いを深めるうちに徐々に誠二を気に掛けるようになり、誠二を本当の恋人のように大切に想う心が芽生えていく。 元気いっぱいで、天真爛漫な性格。誰に対しても分け隔てなく接するが、天然気味で普通と感性がずれているところがある。そのため、友人の本条友里恵をはじめ、周りからツッコまれることが多い。欠点は字が汚いこと。さらに丸文字なので、字によっては判別が難しい場合があり、友里恵からは「あんたの字には鑑定士が必要」とまで言われている。
加藤 誠二 (かとう せいじ)
野田ハル子と同じ高校に通う2年生の男子。ハル子が書いた「毎日あなたのごはんがたべたい」という紙飛行機を偶然拾ってハル子から告白され、そのまま付き合うこととなった。その後はハル子のためにお弁当を持って行っているが、実際はほとんど母親に作ってもらっている。ただし、卵焼きだけは自信があり、加藤誠二自らが作っている。 ハル子に対しては早い段階から恋愛感情を抱いており、機を見ては恋人らしいことをしようと試みるが、大体空回りしている。ハル子との思い出の品である紙飛行機の手紙や、一緒にいた時に当たったアイスの棒、授業中に回していた手紙などを、自分の部屋の額に入れて飾っている。成績は中の上。
加藤誠二の母 (かとうせいじのはは)
加藤誠二の母親。誠二に頼まれて野田ハル子へのお弁当作りの手伝いをしている。しかし手伝いと言いながら、実際にはほとんどの料理を担当している。熟練主婦のため、料理の腕は一流。
本条 友里恵 (ほんじょう ゆりえ)
野田ハル子と同じ高校に通う2年生の女子。ハル子の最も親しい友人であり、「友人一号」を自称している。基本的に常識人であるため、ハル子のツッコミ役となることも多い。ハル子と加藤誠二の関係性は「恋人とかじゃなくて小学生と管理栄養士」と言い表している。財布を拾ってくれた後輩の水谷を異性として気にしており、幾度となくアプローチしている。 しかし、水谷の勘違いから恐れられているため、上手くいっていない。
小西 秀一 (こにし しゅういち)
野田ハル子と同じ高校に通う2年生の男子。加藤誠二の友人。女子に対して興味津々で、下心を丸出しにした会話をよくしている。ある日、ちさとがいじめられている現場を偶然に目撃し、その際に助けたことがきっかけで、ちさとと付き合うようになった。ちさとをとても大切にしており、幸せな高校生活を謳歌している。
青柳 珠実 (あおやなぎ たまみ)
野田ハル子と同じ高校に通う2年生の女子。現代文の教師である安達に密かに好意を抱いている。成績優秀な優等生だが、恋愛に対しては奥手で、安達に対して想いを伝えることに苦戦している。
鷹西 (たかにし)
野田ハル子と同じ高校に通う2年生の男子。荒沢と2人で「広島の双子龍」と呼ばれているが、誕生日が2月5日で同じと言うだけで、本当の双子ではない。授業中に野田ハル子と加藤誠二の手紙を回していたところ、そのやり取りの断片が荒沢に中途半端に伝わってしまい、荒沢から「禁断の好意を持っている」と勘違いされている。 その出来事以降、荒沢に付きまとわれるようになっている。
鷹西の弟 (たかにしのおとうと)
鷹西の弟。アサガオを自宅で大事に育てていたが、荒沢に花占いの花として摘まれてしまって泣いたことがある。兄の鷹西からは大切に思われているが、本人は兄のことを「兄ちゃんごとき」と言ったりするなど軽く見ている。女の手は借りない主義。
荒沢 (あらさわ)
野田ハル子と同じ高校に通う2年生の男子。鷹西と2人で「広島の双子龍」と呼ばれているが、誕生日が2月5日で同じと言うだけで、本当の双子ではない。授業中に野田ハル子と加藤誠二の手紙を回していたところ、そのやり取りの断片が鷹西から自分へ送られてきたものと思い「鷹西が自分に禁断の好意を持っている」と勘違いするようになっている。 その出来事以降、鷹西の真意を確かめるために、付きまとうようになっている。
ちさと
野田ハル子と同じ高校に通う1年生の女子。昔からいじめられっ子で、高校生になってからも同級生数人からいじめを受けていた。しかし、その現場を偶然目撃した小西秀一に助けられて、いじめから抜け出すことに成功。その後、秀一と付き合うようになる。一見、高校生には見えない幼児体型で、秀一からもそのことでからかわれたりすることもあるが、ちさと本人はそれをとても気にしている。
水谷 (みずたに)
野田ハル子と同じ高校に通う1年生の男子。本条友里恵の財布を拾って届けたことで、友里恵と知り合った。かなりの小心者で、基本的にネガティブ思考の持ち主。そのため、友里恵のこともレディースの総長だと勘違いし、恐れている。
西園寺 (さいおんじ)
野田ハル子と同じ高校に通う3年生の男子。ハル子の先輩で、ハル子が1年生の時はよく一緒に帰るなど親密な関係だった。異性からはモテるタイプで、過去には付き合っていた彼女がいたが、その彼女が自殺したことにより死別している。その出来事でかなりのショックを受けたが、ハル子を見ている時は彼女のことを忘れられることに気が付き、徐々にハル子に対して好意を抱くようになっている。
西園寺の彼女 (さいおんじのかのじょ)
西園寺が高校1年生の時に付き合っていた、2つ年上の彼女。西園寺いわく「野田ハル子とは真逆のつつましい人物」。当時、既に大学に合格して進学先も決定していたが、卒業間近に何故か自殺してしまう。
安達 (あだち)
野田ハル子の通う高校で、現代文の教師を務める28歳の男性。生徒との距離が近く、一緒に海へ行ったり車で送って行ったりするなど、フレンドリーな性格。ただし、男の娘が好きという性癖を持つ。そのため、勧められていたお見合いでは、理解されないことを前提に、自分の趣味を隠し通そうと固く決意していた。ただし、結局それとは関係なく、お見合いは破談となった。 生徒の青柳珠実から好意を抱かれているが、安達自身は彼女の気持ちには気が付いていない。
安達のお見合い相手 (あだちのおみあいあいて)
安達のお見合い相手。安達からすると「家事をしてくれそう」という点から理想の相手とされており、周りからも「いい人」と評されていた。しかし、結局お見合いは実現することなく破談となった。
北高のリーゼント双子 (きたこうのりーぜんとふたご)
リーゼントがトレードマークの、双子の高校生男子。同じ広島在住で、「広島の双子龍」の名で知られている鷹西と荒沢を敵対視している。リーゼントの中には何らかの詰め物がされているため非常に固く、凶器として相手を攻撃することが可能。
その他キーワード
図書室の妖精さん (としょしつのようせいさん)
野田ハル子の通う高校に言い伝えられている七不思議の1つ。図書室の長机の右から2番目のはじっこに相談したいことを書くと、放課後か次の日には答えが返って来るというもの。その真相は安達が生徒の書いた悩みに答えているというだけで、答えは適当に書いている。