青春恋愛ストーリー×ボクシング漫画
本作の主人公、ひろしはヘタレな高校生。誰からも「普通」と言われ続けることに嫌気がさしていたところ、普通ではない同級生の天王愛花と出会う。悪い噂ばかりの愛花のことが気になり、彼女を追いかけていたひろしは、学校をサボり、愛花を襲った教師を殴り倒すといった衝撃的な体験をする。その後、愛花に恋心を抱いたひろしは告白するが撃沈。彼女は、リングで命を落としたボクサーの団勝矢の子どもを育てており、彼以外一生誰も愛せないのだという。しかし、ひろしはあきらめなかった。強くなるためにボクシングジムに入会し、愛花を振り向かせようとする。本作は、体格にも才能にも恵まれない高校生が、泥臭い努力を続ける姿を描いた、青春恋愛ボクシング漫画である。
愛花を襲った1年前の悲劇
ひろしが入会したのは、かつて団が所属していたジムである。愛花に愛され、4回戦ボクサーの赤羽レンに兄貴と慕われていた団のことを知りたくなったひろしは、図書館で新聞の縮刷版を調べる。1年前の死亡記事によると、団はKO負けの後に脳内出血で死亡していた。また、レンによると、団の死にはレンと愛花が関係しているという。1年前、ヤンキーだったレンがヤクザ相手に大暴れしていたところに現れたのが団だった。暴走するレンがナイフを突き出した際、愛花が団を庇って凶刃に倒れた。団は愛花を救うために大量の血を提供したのだという。
報われない恋を抱えた人々
亡くなった団しか愛せないという愛花。そんな彼女に恋をしているのはひろしだけではない。レンもまた愛花に想いを寄せ、告白の機会を待っている。また、ひろしに片想いしているのが、幼馴染の鈴木百恵だった。振り向かれなくても献身的に世話を焼き、ひたむきにひろしを愛している。登場人物それぞれが、報われない恋を抱えながら物語は展開していく。
登場人物・キャラクター
鈴木 ひろし (すずき ひろし)
両親と、一つ年下の妹と暮らす男子。初登場時は高校2年生。平凡な名前に加え、外見、学力、運動ともに平均的で「普通の代表選手」と言われる。同級生の愛花と出会い、彼女を好きになったことから、日常がどんどん変化して普通ではなくなっていく。強くなって愛花を振り向かせるためにボクシングジムに入会し、プロボクサーを目指す。
天王 愛花 (てんのう あいか)
ひろしと同じ高校に通う同級生の女子。初登場時は17歳の高校2年生。長い髪が特徴の美少女だが、学校を休みがちで悪い噂が絶えない。実家は生花店。リングで死亡したプロボクサーの団を今も愛しており、彼の子どもを育てている。
書誌情報
僕 13巻 小学館〈ビッグコミックス〉
第1巻
(2000-04-01発行、978-4091855817)
第2巻
(2000-05-01発行、978-4091855824)
第3巻
(2000-09-01発行、978-4091855831)
第4巻
(2001-01-01発行、978-4091855848)
第5巻
(2001-03-01発行、978-4091855855)
第6巻
(2001-04-01発行、978-4091855862)
第7巻
(2001-05-01発行、978-4091855879)
第8巻
(2001-07-01発行、978-4091855886)
第9巻
(2001-09-01発行、978-4091855893)
第10巻
(2001-12-01発行、978-4091855909)
第11巻
(2002-04-01発行、978-4091862013)
第12巻
(2002-06-01発行、978-4091862020)
第13巻
(2002-09-01発行、978-4091862037)







