あらすじ
第1巻
漫画雑誌「週刊少年チャンピ王」の編集者であるYGは、担当する漫画家の若葉先生との打ち合わせのため、いつものファミレスへ向かう。若葉は若い女性漫画家だが、いたずら好きな性格で、YGはいつも彼女に振り回されている。今日も若葉は、なぜかYGのために赤ちゃん用の椅子を用意しており、太った体型のYGをそこへ無理やり座らせ、その様子をスマホで撮影している。さらに若葉は、YGに巨大パフェ早食い対決を持ち掛け、YGが勝ったら原稿20枚の増ページを約束、若葉が勝ったらYGに体重20キロ増量を提案する。早食いに自信のあるYGはその勝負を受けるが、若葉はパフェを一口だけ食べて勝利宣言。そして若葉はYGに対して、先に食べた方が勝ちだから、自分の勝ちだと言い放つのだった。(第1話。ほか、13エピソード収録)
登場人物・キャラクター
YG (わいじー)
秋玉書店の「週刊少年チャンピ王」編集部に在籍する編集者の男性。ニックネームは「YG」。太った汗っかきの体質で、「YG」と大きく書かれたTシャツを愛用している。担当漫画家である若葉先生の原稿受け取りに際して、毎週振り回されているが、仕事熱心で実直な性格をしている。作者、浜岡賢次の担当編集者である八木をモデルにしている。
若葉 (わかば)
「週刊少年チャンピ王」で「アンラッキー★荒木くん」という漫画を連載している女性漫画家。いたずら好きなちゃめっ気のある性格で、いつも担当編集者のYGをからかって楽しんでいる。原稿の受け取り場所として川の反対側にYGを呼び出し、なかなか原稿を渡してくれなかったり、ロープの上を渡って原稿を取りに来させるなど、ハチャメチャな行動が目立つ。しかし仕事への情熱は人一倍あり、作品の読者人気も高い。
森 マリモ (もり まりも)
「週刊少年チャンピ王」で連載している女性漫画家で高校3年生。1年前に新人漫画賞で大賞を受賞してデビューし、その3か月後から「週刊少年チャンピ王」にて連載を開始した新人女流ギャグ作家。新人賞の授賞式では、紙袋をかぶった姿に学校の制服姿で登場し、賞金の200万円を奪って逃げ去ったという伝説を持つ。原稿を受け取りにハシゴで2階に上がってきたYGの両足をガムテープでハシゴにくくりつけ、倒れるさまをスマホで連射撮影するなど、若葉と似たような行動を起こす変わり者。
赤門 学 (あかもん まなぶ)
「週刊少年チャンピ王」編集部で編集長を務める男性。毎週、原稿の受け取りに四苦八苦しているYGに檄を飛ばしている。森マリモの原稿を受け取るためにYGといっしょにマリモの自宅へ向かうが、階段にオリーブオイルをまかれて撃沈する。
佐藤 美里 (さとう みさと)
「週刊少年チャンピ王」編集部に在籍する新人女性編集者。初めて原稿の受け取りのためにYGと共に向かった漫画家の家は、ゴミ屋敷状態になっており、ゴミで埋められた階段をのぼっている最中にゴミの雪崩に巻き込まれた。編集部ではよく居眠りしており、仕事の失敗もあるが、仕事への情熱とガッツだけはある。
γ太郎 (がんまたろう)
大人気の漫画雑誌「少年ジャンボ」で連載していた伝説の天才コピー多用漫画家。「週刊少年チャンピ王」でも連載を始めることになる。過激な画風だが、本人はベレー帽をかぶった小柄なかわいい女の子。ただし、素面だといい人ながら、酒が入ると相手の髪をむしり取ったり、ビールジョッキで相手の顔面を殴ったりする酒乱。
宮田 寿 (みやた ことぶき)
「週刊少年チャンピ王」編集部に在籍する女性編集者。「週刊少年チャンピ王」で「ペロペロバナナ」を連載中の梶野出煮郎を担当している。ちょっと目を離したスキに梶野に逃げられ、「ペロペロバナナ」を休載にしてしまう。それにもめげず、仕事熱心でまじめな性格をしている。
梶野 出煮郎 (かじの でにろう)
「週刊少年チャンピ王」で長年連載を続けているベテラン男性漫画家。現在も同誌にて「ペロペロバナナ」を連載中。編集者のあいだでは「漫画界の脱獄王」との別名で呼ばれ、噂では全身の関節を自由に外すことができ、どんな狭所でもすり抜けられるらしい。3年前に高層ホテルの35階にカンヅメにされた際は、窓を割って脱出し、指のペンダコを吸盤替わりにしてガラス張りの壁を素手でのぼって逃げたという逸話がある。