八犬伝

八犬伝

室町時代の戦乱期を舞台に、伏姫と神犬八房の因縁によって結ばれた、犬塚信乃戍孝ら8人の若き 武士達が結集し闘う姿を描いた伝奇漫画。滝沢馬琴原作の南総里見八犬伝を碧也ぴんくが独自の構成で漫画化した。

正式名称
八犬伝
ふりがな
はっけんでん
原作者
滝沢 馬琴
作者
ジャンル
時代劇
 
怪談・伝奇
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

室町時代。雨の中、賊に襲われた僧・丶大(ちゅだい)を8人の若き武士・八犬士が助けた。丶大は八犬士達にかつての婚約者伏姫にまつわる話を語り出す。丶大は元の名を金腕大輔孝徳といい、南房総の突端・安房館山を治める里見義実に仕える武士だった。里見義実は安西景連との闘いで苦戦する中、飼い犬の八房に、戯れに手柄を立てよと語り掛ける。

その言葉が取り返しのつかない事態を招くのだった。やがて時は流れ、八犬士それぞれの物語が語られる。そのうちの1人、犬塚信乃戍孝は、幼少時から女の姿と名前で育てられた。

登場人物・キャラクター

犬塚 信乃 戍孝 (いぬづか しの もりたか)

八犬士の一人。「孝」の珠を持つ。父大塚番作一戍は、関東足利家の名刀「村雨丸」を持って落ち延びた。「成人まで性別を入れ替えて育てると健康に育つ」との俗信から幼少時は女装して暮らしていた。結城城の闘いの後に父から関東足利家の名刀村雨丸を主君に返すようにと託された。元服後は荘助(犬川荘助義任)と義兄弟となる。 古河に村雨丸を返しに行くが、上杉家の刺客と間違われ追われる身になる。犬田小文吾悌順の妹ぬいに匿われていた際に丶大と出会い、自らが八犬士であることを知る。

犬川 荘助 義任 (いぬかわ そうすけ よしとう)

八犬士の一人。「義」の珠を持つ。伊豆の荘官の長子として生まれる。父親の死後に母の従兄弟である蜑崎十郎を頼みに安房へ向かう途中、母親が死亡する。その後は大塚家の下僕として額蔵という名を与えられた。信乃 (犬塚信乃戍孝)を助け、後に信乃と義兄弟となる。信乃と古河に旅立つが、信乃の婚約者・浜路の行方を案じて戻ったところを村長殺しの疑いで捕えられ、拷問を繰り返されるが伏姫によって命を救われた。 仲間への思いは誰よりも強い。

犬山 道節 忠与 (いぬやま どうせつ ただとも)

八犬士の一人。「忠」の珠を持つ。練馬氏の家臣である犬山家の生き残り。異母妹・浜路(犬山正月)を殺めた網干左母二郎の前に現れ、彼を斬り名刀村雨丸を持って逃げた。扇谷定正を仇と狙っていたが、後に自らが八犬士であることを知る。

犬飼 現八 信道 (いぬかい げんぱち のぶみち)

右頬に牡丹の痣がある男性。八犬士の一人。「信」の珠を持つ。幼い頃の名は玄吉。実父の糠助は後に信乃(犬塚信乃戍孝)の隣人となり、死の間際に珠と痣を持つ玄吉の存在を信乃に告げていた。足利成氏の元で囚われの身だったが、上杉家の刺客と誤解された信乃(犬塚信乃戍孝)を捕えるために放たれた。 信乃と共に旧知の小文吾(犬田小文吾悌順)達に助け出されたことが縁で、丶大から自分も八犬士の一人であることを知らされた。

犬田 小文吾 悌順 (いぬた こぶんご やすより)

逞しい体躯の男性。八犬士の1人。「悌」の珠を持つ。相撲が得意で喧嘩に強い。現八(犬飼現八信道)とは旧知の仲。甥の犬江親兵衛仁達の弔いに現れた丶大から、自らが八犬士であることを知る。その後安房へ向かう途中船虫という女の家に泊まるが濡れ衣を着せられ馬加大記常武の屋敷に留まるなか、自分と同じように牡丹の痣がある舞姫・あさけのと出会う。

犬坂 毛野 胤智 (いぬさか けの たねとも)

女性と見紛う容姿の男性。幼い頃から女芸人の一座で育った。13歳で自らの身上と仇の存在を知り、独力で武芸を身に付けた。また優れた頭脳を持つ。「智」の珠を持つ。父粟飯原胤度は無実の罪を着せられて殺された。仇討ちの機会をうかがって舞姫あさけのと名乗り馬加大記常武 に潜伏していた。その後、信乃(犬塚信乃戍孝)達から八犬士のいわれを聞くが、一人で行動し管領家の家老に頼まれ扇谷定正に取り入る妖臣・籠山の暗殺に加担する。

犬江 親兵衛 仁 (いぬえ しんべえ まさし)

長い髪を後ろで束ねた少年。小文吾(犬田小文吾悌順)の妹ぬいの子。幼い頃から左手を握ったままだった。信乃(犬塚信乃戍孝)の首を狙う父房八に蹴り飛ばされ、一度は息を引き取るが、丶大の読経で左手の中にあった「仁」の珠が光り出し蘇生する。伏姫によって信乃達の前から姿を消し、富山で育つ。 長じて伏姫の弟里見義成に仕える。

犬村 大角 礼儀 (いぬむら だいかく まさのり)

長い黒髪を肩の辺りでまとめた男性。八犬士の一人。「礼」の珠を持つ。実の父を山猫に殺されるなど、恵まれない生い立ちを経て忍耐強く冷静な剣士となった。

丶大 (ちゅだい)

僧姿の男性。本名は金碗大輔孝徳。南房総の突端・安房館山を治める里見義実に仕える武士だった。里見義実の娘伏姫と婚約し安房四郡のうち長狭東条を治めるはずだったが、安西景連との戦いの後行方が分からなくなる。伏姫が自害した際、八方に散った数珠の玉の行方を探し出すために出家した。

伏姫 (ふせひめ)

南房総の突端・安房館山を治める里見義実の娘。金碗大輔孝徳と婚約していたが、里見義実が苦し紛れに犬の八房に語り掛けた約束によって、八房に嫁ぐことになった。腹に子を宿した後に犬房と共に自害する。息絶える直前に現れた金碗大輔孝徳の前で、彼女の持っていた数珠の珠が飛び散るが、その珠の気はすべての人々の呪いを絶つことを予言した。 その後、犬房に乗った姿で八剣士達の前に姿を現す。

クレジット

原作

SHARE
EC
Amazon
logo