推しアーティストの正体はクラスメイト
本作は、「音楽×クラスメイト×初恋」をテーマに、恋愛初心者同士が織りなすピュアなラブコメディ。高校に入学した栞は、友達作りに失敗し、一人ぼっちで孤独な高校生活を送っていた。そんな栞のあこがれのアーティスト「カナデ」が、クラスメイトの奏であることが判明したことで、栞の運命と寂しい日常が大きく動き始める。温かみのある少女漫画風のタッチで描かれる繊細な心理描写に加え、アーティストとして成長していく奏の活躍や心情の変化も見どころとなっている。
ラブソングのために仮の恋人契約
中学生の頃から内向的で、クラスでも孤立していた栞にとって、数少ない癒しはお気に入りのアーティスト「カナデ」の歌を聴くことだった。新曲の配信を心待ちにしていたある日、栞はクラスメイトの奏とのやり取りを通じて、カナデの正体が彼であることを知る。推しアーティストとリアルで出会えたことに興奮を抑えきれない栞だったが、彼女がカナデの大ファンだと知った奏は、突然「恋人になって欲しい」と驚きの言葉を口にする。その理由は、恋愛経験のない奏が新作のラブソングを制作するために、身近な女子との恋愛体験を通じて歌詞や曲のイメージを作りたいというものだった。栞は奏の創作活動を応援したいと考え、自身も恋愛初心者であることを自覚しながらも、その頼みを受け入れることにする。
期間限定の彼女役を巡る三角関係
奏の音楽活動をサポートするため、期間限定で彼女役を務めることになった栞は、手をつないだり合宿で共に過ごしたりと、お互いにとって初めて尽くしの恋愛体験を重ねていく。栞はあくまで仮の彼女という立場だが、奏との日々は楽しく、心が高鳴ることばかりだった。しかし、元々ラブソングが完成するまでという約束だったため、曲の完成が近づくにつれて、奏の彼女役が終わることに寂しさを感じるようになる。そんな中、栞はアルバイト先で空崎凛音と出会うが、彼もまた奏と同様に、アーティスト「凛音」として活躍していた。やがて、奏と凛音はアーティストとしてだけでなく、恋のライバルとしても競い合うようになる。
登場人物・キャラクター
白砂 栞 (しらまさ しおり)
とある高校に通う1年生の女子。奏のクラスメイトで、明るいピンク色のロングヘアを二つのおさげにしている。中学時代から友達作りが苦手で、高校デビューにも失敗し、クラスでは少し浮いた存在になっている。そんな栞にとって、「カナデ」の楽曲を聴くことが唯一の楽しみとなっている。入学から2週間が経ったある日、彼女はカナデの正体がクラスメイトの奏であることを知り、彼のラブソング作りのために彼女役を演じることになる。
内海 奏 (うつみ かなで)
栞と同じ高校に通う1年生の男子。奏のクラスメイト。黒髪ショートヘアの爽やかなイケメンだが、無表情で感情をあまり表に出さないタイプ。校内には友人がおらず、恋愛経験もないため、休み時間は一人で音楽を聴いたり寝ていることが多い。「カナデ」として自作の音楽を配信しており、栞にとっては以前からあこがれの存在。そのことを知った奏は栞に対し、初めてのラブソングを作るため、仮の彼女になって欲しいと申し出る。
書誌情報
内海くんの恋のうた 4巻 講談社〈KC デザート〉
第1巻
(2024-04-12発行、978-4065353332)
第2巻
(2024-09-12発行、978-4065369500)
第3巻
(2025-02-13発行、978-4065384916)
第4巻
(2025-07-11発行、978-4065400531)







