メイド姿の幼なじみとの同居ラブコメディ
親の海外出張をきっかけに一人暮らしを始めた高校生の晃汰のもとに、ある日突然、幼なじみの芽衣香がメイド姿で現れ、奇妙な同居生活が始まる。作中では明確な主従関係は描かれておらず、あくまでメイド服を着た同級生が晃汰の世話をするという独特の関係性が特徴となっている。学校ではクールなクラスメイトとして、家ではメイドとして振る舞う芽衣香。秘密の同居生活が続く中で、彼女の晃汰への思いは次第に抑えきれなくなり、その行動はどんどんエスカレートしていく。芽衣香の無意識なアピールが、物語にコミカルな彩りを添えている。
芽衣香の一途な恋心と恩返しの物語
晃汰の幼なじみであり、同じクラスの女子高校生、芽衣香は、晃汰の母親に命を救われた経験があり、その恩返しのために、一人暮らしをしている晃汰のもとへ押しかけてきた。ふだんはクールで完璧なメイドのように振る舞っているが、その言動とは裏腹に、心の中では晃汰に対して一途な思いを抱いている。その強い気持ちは本人も抑えきれず、無意識のうちに行動に表れてしまうことがよくある。例えば、オムライスにうっかりハートマークを描いてしまったり、晃汰の頬についたアイスを思わず舐め取ってしまったりと、恋心を隠しきれないかわいらしさが芽衣香の魅力となっている。
個性豊かなキャラクターが織りなす恋愛ドラマ
本作には、晃汰や芽衣香をはじめ、個性豊かなキャラクターたちが多数登場する。芽衣香の友人で恋愛に飢えた丸子瑞樹、富豪の家に生まれたお嬢様の妙蓮寺みより、そして文化祭をきっかけに晃汰に好意を抱くようになったギャルの津田沼麻美など、物語を彩る魅力的な面々がそろっている。特に、瑞樹が思いを寄せる幼なじみとの関係や、みよりと彼女に仕える女装メイドの咲良悠とのドラマチックな恋愛模様が大きな見どころとなっている。
登場人物・キャラクター
高代 晃汰 (たかしろ こうた)
とある高校に通う1年生の男子。幼い頃に母親を病気で亡くし、父子家庭で育った。父親の海外出張を機に一人暮らしを始めた矢先、幼なじみの芽衣香が突然メイドとして彼の家に押しかけ、奇妙な同居生活が始まる。当初は女性の気持ちに鈍感で、デリカシーに欠ける言動やセクハラまがいの発言も多かった。しかし、芽衣香との日々を通じて内面が大きく成長し、彼女の恋心に気づいてからは、芯の通った好青年へと変わっていく。文化祭のメイド喫茶では、人前でメイド姿になることを嫌がる芽衣香をかばい、自ら女装してピンチヒッターを務めた。その完璧な仕事ぶりは周囲に正体を気づかせることなく、多くの男性客を虜(とりこ)にした。それ以来、時おり女装メイド「シロ」として活躍することもある。
九条 芽衣香 (くじょう めいか)
晃汰と同じ高校に通う1年生の女子。晃汰のクラスメイト。幼い頃は近所に住んでいた晃汰とよく遊んだ幼なじみで、川で溺れた際に彼の母親に命を救われた過去を持つ。その恩に報いるため、高校進学を機に晃汰の家に押しかけ、住み込みのメイドとして身の回りの世話をするようになった。なお、正式な家政婦として雇われているわけではなく、「世話を焼く人=メイド」という自身のイメージからメイドとして振る舞っている。当初はクールで素っ気ない態度を貫いていたが、共に暮らすうちに晃汰に好意を抱くようになる。その気持ちは本人も隠そうとしているが、言動とは裏腹に、オムライスにケチャップでハートを描くなど、不器用でかわいらしい形で愛情が表れてしまう。
書誌情報
メイカさんは押しころせない 全12巻 秋田書店〈少年チャンピオン・コミックス〉
第1巻
(2020-07-08発行、978-4253229418)
第9巻
(2022-09-08発行、978-4253229494)
第10巻
(2022-12-08発行、978-4253229500)
第11巻
(2023-03-08発行、978-4253294317)
第12巻
(2023-07-06発行、978-4253294324)







