パーフェクトなイケメンは極度の露出狂
飛は眉目秀麗、頭脳明晰、品行方正と非の打ちどころのないスーパー高校生だが、露出狂という人には言えない秘密を持っていた。飛は千麗館高校で人のいない教室や廊下、トイレを見つけては、凄(すさ)まじいスピードで衣服を脱いでは全裸で舞い踊り、極上の興奮と生き甲斐を見出している。この行為を人に見つかれば学校にいられなくなることを理解しつつも、いかに人に見つからずに露出を楽しむかというスリルを毎日のように繰り返している。なお、校内では謎の露出狂の存在が複数の生徒から目撃されているが、露出狂の犯人が飛であることは誰にも知られていない。
恐怖の露出狂集団「バードファイヴ」
露出狂の飛は、全裸で校内を駆け巡っては生徒会長の鷹城夏郎や彼の雇った米軍特殊部隊「SMAT」、AI技術の権威である鷺沼洋一郎の作ったロボットなどに追い回されるが、いずれも逃げ切って難を逃れている。そんな中、飛のクラスメイトの燕谷呼乃の兄が千麗館高校に姿を現し、露出狂だけで結成された五人組「バードファイヴ」のアジトに飛を連行する。バードファイヴは、あらゆる者を露出狂へと変貌させるという悪魔の書物「裸針盤」を求めており、その行方を知っているとされる飛に目をつけ、彼から情報を引き出そうとしていたのである。なお、のちにバードファイヴのリーダーが、千麗館高校の生徒会役員である鴨居であることが発覚するが、生徒会長の夏郎はこのことを知らない。
実在人物とのコラボレーション
本作では、実在人物であるジュエリーデザイナーの佐藤涼磨や、俳優の馬越健太郎とのコラボレーションを楽しめる。涼磨は夏郎から追い回されている全裸の飛と出会い、彼の脱出をサポートするため自らも全裸になった上で、へそに仕込んでいたジュエリーピアスを輝かせる。健太郎は飛が休日の体育館を全裸で駆け巡っている際に姿を現し、飛とダンス対決を繰り広げる。二人は千麗館高校の生徒でもないにもかかわらず当たり前のように高校に出入りしているが、飛はまったく疑問を抱くことなく受け入れている。
登場人物・キャラクター
白鳥 飛 (しらとり かける)
都内屈指の進学校「千麗館高校」に通う2年生の男子。親友の夏郎からは「カッちゃん」と呼ばれている。父親の天馬は外交官で、幼い頃から英才教育を受けているが、「LINE」を知らないなど世俗に疎いところがある。眉目秀麗、頭脳明晰、運動神経抜群なことから老若男女問わず人気が高く、学校内に飛のファンクラブが設立されているほど。しかし真性の露出狂で、公共の場で誰にも見られず露出することに魅せられた変質者。露出する理由は、服を脱ぐことで解放感を得られるためで、露出した姿を人に見られることや他人の露出にはまったく興味がない。当初は露出狂として未熟とされており、飛を上回る露出のエリートである天馬や「バードファイヴ」のメンバーに翻弄されることが多かった。しかし、ある出来事をきっかけに「鳥帰属」と呼ばれる力に目覚め、目にもとまらぬスピードで衣服を着脱する能力を身につける。
白鳥 天馬 (しらとり てんま)
飛の父親で、ストックホルムに在住している外交官。エリート外交官として世界中を飛び回り、数々の重要な外国との交渉に日本政府の代表として携わってきた。自分に厳しく他人にも厳しいタイプで、幼い頃から飛には厳しくも優しい指導を続けている。飛が10年前のピアノの発表会に全裸で参加しようとしたことで彼の露出癖を問題視し、散々諭してきたが逆にそれが飛に閉塞感を与えてしまう。これは飛に一般常識を押し付けようとするものではなく、天馬自身も露出狂で、それが原因で妻と離婚に至った戒めでもある。ただし、飛に比べると露出への欲求は控えめで、飛からも露出狂であることに気づかれていない。また、「バードファイヴ」のメンバーからは「ペガサス」のコードネームで呼ばれている。