概要
万物の死が視える特殊能力直死の魔眼を持つ少女・両儀式は、ふとしたことから人殺しを自称する家出少年・臙条巴と出会う。式は彼を自室にかくまい、そこからふたりの共同生活がはじまった。式に心惹かれていく巴だったが、やがて彼は親殺しの罪を告白する。
巴を連れて臙条家のある小川マンションへ向かった式だったが、そこは式を見初め狙う魔術師・荒耶宗蓮の罠が張り巡らされていた。
登場人物・キャラクター
両義 式 (りょうぎ しき)
不慮の事故による2年間の昏睡状態を経て、この世のあらゆるモノの死を視ることのできる直死の魔眼を獲得した少女。中性的な美形で、性格は淡白。和服を普段着にしており、その上にジャンパーを羽織った風変わりな恰好をしている。
蒼崎 橙子 (あおざき とうこ)
工房伽藍の堂のオーナーで、人形師で魔術師。メガネの着脱により性格を意図的に切り替え、装着時は穏やかだが、外すと冷酷な性格となる。礼園女学院の卒業生で、ロンドンの学院で魔術を学んだ過去を持つ。
秋巳 大輔 (あきみ だいすけ)
黒桐幹也の従兄で、警視庁捜査一課の刑事。[幹也」たちが暮らす街で起こった連続殺人事件の捜査にあたる。
黒桐 幹也 (こくとう みきや)
年齢より幼気な顔立ちと、てらいのない黒髪と黒縁メガネが特徴の青年。両義式とは高校時代からの友人で、彼女に心惹かれている。工房伽藍の堂に勤めている。
黒桐 鮮花 (こくとう あざか)
黒桐幹也の妹。黒の長髪に端正な顔立ちと品の良さを感じさせつつ、心の強さを持ち合わせた少女。蒼崎橙子に弟子入りし、魔術師として目覚める。実兄である幹也に心惹かれており、ライバル心から両義式を目の敵にしている。
シュポンハイム修道院 (しゅぽんはいむしゅうどういん)
『劇場版 空の境界 第五章 矛盾螺旋』に登場する組織。コルネリウス・アルバが次期院長を務める、魔術を研究・伝承する機関。
コルネリウス・アルバ (こるねりうすあるば)
工房伽藍の堂のオーナー・蒼崎橙子のロンドン時代の学友で、シュポンハイム修道院の次期院長。魔術師としては優秀だがプライドが高く、自分より優秀な橙子に対して異常なまでの執着心を抱く。 ある目的のため橙子の暮らす地を訪れる。
臙条 巴 (えんじょう ともえ)
家庭の事情で、学校を辞め働いていたフリーターの少年。家族と小川マンション暮らしていたが、あることをきっかけに家を飛び出し、両義式の部屋に転がりこむことになる。
荒耶 宗蓮 (あらや そうれん)
二百年もの時を生きる魔術師。人間に絶望し、起源を求め、死の蒐集をしている。起源に至る道として両義式を見初め狙う。同じく魔術師の蒼崎橙子とは、ロンドン時代の学友。
礼園女学院 (れいえんじょがくいん)
黒桐幹也の妹・鮮花が通う女学院。工房伽藍の堂の所長である蒼崎橙子もここの卒業生である。
場所
伽藍の堂 (がらんのどう)
魔術師の蒼崎橙子が所長を務める工房。黒桐幹也が働いている。
その他キーワード
直死の魔眼 (ちょくしのまがん)
『劇場版 空の境界 第五章 矛盾螺旋』に登場する、両義式が持つこの世のこの世のすべての物の死を視ることのできる眼を持つ持つ特殊能力。「死」を視覚情報として捉えることができ、そこを突く、あるいは裁つことによって、対象を殺すことができる。
小川マンション (おがわまんしょん)
家出をした少年・臙条巴がかつて家族と住んでいたマンション。根源を求める魔術師・荒耶宗蓮によって魔術的仕掛けが施されていた。