概要・あらすじ
1949年10月1日、毛沢東は天安門に立ち、中華人民共和国の建国を宣言。彼が56年間に渡る闘争を回想することから物語は始まる。湖南省韶山での誕生から、学生時代の政治活動の日々、中国共産党への入党、そして紅軍を率いた苦難の長征と、その達成までが描かれる。
登場人物・キャラクター
毛 沢東 (もう たくとう)
1893年12月26日、湖南省韶山にて誕生。富農の長男であった彼は、少年時代から困窮する農民たちの姿を目の当たりにし、憂国の情に駆られていた。1913年、毛沢東20歳のころ、教職を目指し長沙省立第一師範学校へ入学。そこで政治思想を形成し、後の妻となる女性・楊開慧と出会う。1920年、北京大学図書館に勤務し、そこでマルクス主義と出会う。 その年、楊開慧と結婚。1921年、中国共産党誕生、第一回党大会に参加。1924年、ソ連コミンテルンの仲介により中国国民党と中国共産党の合作(国共合作)成立。毛沢東も中共中央委員と同時に国民党上海支部組織部書記となる。同年、主流派から外され、故郷韶山に戻る。そこで「中国の大部分は農民だ!」という農民たちの声を聞き、農民主導の革命を構想。 1927年、蒋介石が反共クーデターを起こし、国共内戦が勃発。毛沢東も故郷湖南省で紅軍を率い、井崗山に立てこもる。1931年、江西省瑞金に中華ソビエト共和国臨時中央政府樹立、中央委員会主席となる。1934年、国民党軍の猛攻に耐えかね江西を放棄、長征を開始することになる。
孫 文 (そん ぶん)
1911年に起こった辛亥革命の指導者。毛沢東は18歳のころ湘郷中学へ入学し、そこで孫文の掲げる三民主義に触れ、感銘を受けた。1925年、死去。
袁 世凱 (えん せいがい)
北洋軍閥の将軍。1912年、清王朝崩壊後、中華民国大総統に就任。1914年、国会を廃止、反袁運動を弾圧する。1916年、死去。
楊 昌済 (よう しょうさい)
長沙省立第一師範学校の教師で、毛沢東の恩師。毛沢東の妻・楊開慧の父でもある。1920年、死去。
楊 開慧 (よう かいけい)
楊昌済の娘。毛沢東とは彼が長沙省立第一師範学校に在籍していたころに出会い、その後結婚する。1930年、国民党軍に捕らえられ、処刑される。
李 立三 (り りつさん)
中国共産党中央委員。1930年、李立三路線をしき、毛沢東と激しく対立する。作中では、学生時代のころの反袁運動中に毛沢東と出会い、闘争方針について論争となるさまが描かれる。
蒋 介石 (しょう かいせき)
中国国民党党員。1911年、辛亥革命に参加。作中では、1924年の黄埔軍官学校開校のさい、見学に訪れた毛沢東と初めての邂逅を果たす。1927年、国民党軍を率いて反共クーデターを起こし、毛沢東の生涯の宿敵となっていく。
林 彪 (りん ひょう)
1924年、黄埔軍官学校第一回入学生となる。その後、朱徳の片腕となり、井崗山で毛沢東らと合流、軍事の才能を見せる。
朱 徳 (しゅ とく)
中国共産党の軍人。農民出身であったため、毛沢東の農民主権の革命思想に賛同。1927年、蒋介石の反共クーデターに対し、南昌蜂起を指導、中国赤軍の始まりとなる。1928年には井崗山に立てこもった毛沢東らと合流する。