あらすじ
第1巻
神によって次の勇者に選ばれたナナミは、天使のトルタのミスのせいで魔王も兼務することとなった。勇者と魔王、それぞれの陣営の重要な立場となったナナミは、周囲にバレないように二重生活をすることを決める。ひとまず魔族に待機命令を出して自分は勇者捜索という理由で城を留守にし、勇者として魔王討伐の旅に出発する。(第1話「勇者、所により魔王」。ほか、7エピソード収録)
登場人物・キャラクター
ナナミ
神によって次の勇者に選ばれた少女。神の代行としてやってきた天使のトルタから、勇者になるための飴と魔王になるための飴を間違えて飲まされてしまったために魔王となってしまう。その後、勇者になるための飴も飲まされた結果、「勇者兼魔王」という微妙な立場となる。人間側の勇者と魔族側の魔王は敵対しており、それぞれの陣営に状況を説明できないため、周囲にバレないよう二重生活を送っている。魔王城とは転移魔法で一瞬で行き来ができる。勇者の時はポニーテールでノースリーブ、魔王の時はストレートヘアで胸元を開けてマントを着用するなど、立場によって髪型と服装を変えている。みんなを騙していることへの罪悪感から来るストレスで、つねに胃を痛めている。
ヴィヴィ
魔法使いの少女。勇者のナナミを慕って、魔王討伐の旅に帯同している。父親が魔物にケガを負わされ、働けないあいだにギャンブルにはまって多額の借金を作ったことで、貧しい生活を送っていた過去がある。そのため、魔物を生み出した魔王に対して強い憎しみを持っている。一人になりたいと考えているナナミから、家に戻った方がいいと諭されても、魔王を倒したいと断っている。魔法使いを名乗っているが、魔法はほとんど使えない。その代わり手品の腕は一流。
リゼット
魔王のナナミを補佐する魔族の女性。城を留守にすることが多いナナミに代わって、魔王軍の統括や情報収集などを行っている。ナナミのことを崇拝しており、毎晩ナナミの人形を抱きながら寝ている。無表情で冷静な性格をしている。何事もそつなくこなすが、似顔絵を描くのは下手。
クー・プランチェ
最古の魔族であるアルタールの血によって、魔物から魔族に生まれ変わった少女。魔族になったことで魔王軍に加入する。魔物の時にナナミを倒したことがあり、魔物の時の記憶がないにもかかわらず、ナナミを見かけると無意識に攻撃を仕掛ける。
トルタ
神様の代行を務める天使。ナナミを次の勇者にするために飴を飲ませようとしたが、間違って魔王にするための飴を飲ませてしまう。その後、過ちに気づいてすぐに勇者にするための飴も飲ませたため、ナナミを勇者兼魔王という微妙な立場にした張本人。勇者と魔王、双方の活動がやりやすいようにナナミに転移魔法を授けるが、ミスしたことに対してはまったく責任を感じていない。